干潟の減少で絶滅の危機

そのハマグリは、ハマグリじゃない!?

2005.04.07 THU

桃の節句に欠かせない食材といわれ、春先が旬だというハマグリ。肉厚で食べごたえのある身は、焼いても良し、煮付けても良し。鍋やお吸い物に入れてもうまい。しかし、そんな愛すべきハマグリだが、市場に出回っているそのほとんどは、ハマグリじゃないって知ってた?

僕らが普段口にしているのは、中国や朝鮮半島から輸入されるシナハマグリ。あるいは国産と明記されているものであっても、多くはチョウセンハマグリという外洋性のもので、日本人に古くから親しまれてきた、いわゆるハマグリではないのだ。

日本人とハマグリとの関係は、とても古く日本書紀にすでに記述があるほど。食するのはもちろん、同じ貝の殻でなければ2枚がきちんと合わないことから、「貝合わせ」という遊びに使われたり、碁石などにも利用されていた。ハマグリは、外洋性のチョウセンハマグリとは異なり、河口や内湾など浅い海の砂泥底に生息している。しかし、干拓や埋め立て、海岸の護岸工事などにより、こうした生息地は破壊されるいっぽうだ。そのため、ほとんどの産地で絶滅状態になっているのだ。現在、三重県、大分県、熊本県などでわずかに採れるのみ。

「ハマグリがほとんど採れない現状を考えると、シナハマグリなどが市場を席巻しているのは仕方がないと思います。原産地表示が徹底されれば、ちゃんと区別されるようになっていくでしょう。そして、ハマグリが実は絶滅の危機に瀕しているということを、少しでも多くの人に知ってもらいたいですね」と、ハマグリの調査研究を続ける三重県科学技術振興センターの水野知巳さんは語る。

ハマグリだと思って食べていたのに、「そのハマグリは真のハマグリじゃない」なんていわれたらかなりショック。でも、環境を大事にしないと、おいしいものもどんどん食べられなくなるってことなんですかね。トホホ。

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