麻疹、おたふく風邪、風疹などなど

“子どもの病気”に大人がかかると重症化する理由とは?

2007.12.20 THU



イラスト:牧野良幸
麻疹やおたふく風邪などは、一般的に子どもの病気だと思われている。確かに患者のほとんどは子どもだが、例えば麻疹は、昨年から今年にかけて全国の大学を中心に大流行するなど、最近は大人にも猛威をふるうことがあるのだ。予防接種を受けているはずなのに、なぜ成人になって子どもの病気にかかってしまうのだろう?

「麻疹に関していえば日本で長い間、流行が起こっていなかったからでしょうね。本来、ワクチンの接種によって得た免疫は、どんどん効力が落ちていってしまうものです。ウイルスと戦い、抗体を上げる機会が定期的にあれば、そのたびに免疫は強化されるのですが、最近流行することが少なかったために、高い免疫を維持できなかったのでは、と考えられます」(東京医科大学病院・小児科講師・河島尚志先生)

日本で麻疹ワクチンの定期接種が始まったのは昭和53年のこと。それ以前はたびたび麻疹が流行し、子どもが一度はかかる病気のひとつだった。そのため強い抗体を持っている人も多かった。しかし、予防接種が普及したことで、麻疹の流行頻度が大幅に減少。そのためワクチン未接種の人に加え、20代以下の世代は、感染を予防できる抗体を持っていない人が多いのだ。

さらに注目すべきは、麻疹やおたふく風邪などに成人がかかると、重症化するケースが多いということ。でも病気に対する免疫って子どもよりも、長年生きてきた大人の方があるんじゃないの?

「体の中に侵入してきたウイルスをやっつけようと激しく抵抗するので、小児期よりも高熱が出たり、発疹がひどくなってしまうのです。また大人の場合、体のどこかに疾患を抱えていて、それと合併して重症化するケースもあります。子どもなら軽く済む病気でも、大人がかかると命の危険さえあるのです」(同)

水疱瘡にいたっては、死亡率は子どもの数十倍とか。子どもの病気だと思ってなめてはいけないのだ。


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