格闘技の失神とはどう違う?

興奮しすぎてなることも…“失神”ってどんな状態なの?

2008.03.19 WED



写真提供/image100/AFLO
憧れの芸能人やミュージシャンを前に、熱狂したファンが興奮のあまり失神――なんてニュースをたまに見聞きしますが、テレビドラマや映画の演出じゃあるまいし、本当にそんなこと起こるの? そもそも失神とは、どういうメカニズムで起こるんでしょう?

「興奮から失神に至る仕組みをはっきり記した文献はないのですが、おそらく『過換気症候群』、つまり過呼吸が原因だと思います」と教えてくださったのは失神に詳しい寺田病院の湯澤斎先生。「簡単に説明すると、息を吸いすぎると血液中の酸素濃度が高まりますよね。これ以上、脳に酸素を送らないようにと血管が収縮して、逆に酸欠に陥って気を失うというわけです。意識を失っている間は寝ている状態に近いです」

過呼吸からの失神はレアケースで、かつ発症しやすい人には「几帳面」「女性」「10代~20代」などの傾向があるとか。K‐1のリングドクターも務める先生によると、試合会場の観客席でも失神者がチラホラ。

「過呼吸での失神は放っておけば、数分もすれば意識が戻ります。後は紙袋を口にあてがい、袋の空気で何度か呼吸させれば、血液中の酸素濃度も回復しますよ」

ついでに格闘技の絞め技で落ちるような失神は、どんな仕組みなんでしょうか?

「それは首の頸動静脈がピンポイントで押さえつけられることで、血流が止まり脳虚血で気を失っている、いわゆる落ちたという状態ですね。対処法は、背中をバン!と叩いてやること。それで意識を取り戻しますよ。なおボクシングの頭部打撃によるダウンは脳しんとう。この場合は非常に危険な状態ですので医師の受診が必要です」

ちなみにテレビドラマや映画なんかでよく敵や女子を一時的に気絶させるため、延髄チョップやみぞおちパンチをしますが、人を安全に失神させる方法ってあるの?

「いえ、どちらも命を失う危険があります。人を安全に気絶させる方法はありません」

個人的には都合が悪くなると失神できる技を身につけたいところです。


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