昭和のお父さんの得意技!?

家電は叩けば直る、はもはや通用しないのか?

2008.08.22 FRI


危険なので、素人は絶対に開けちゃいけないテレビの中身。はんだ付けされてる部分がたくさんあるけど、接触不良のときはこの中から外れたはんだを探し出して修理するとか。プロってスゴイなぁ 撮影/岡崎雅史
子供のころ、TV画面にノイズが入ったり、チャンネルのダイヤルをいくら回しても、砂嵐が広がることがあった。すると横で見ていた父が立ち上がり、テレビをバンッ! バンッ! と叩くと、あら不思議、画面は元通りに番組を映しているではないか! 今となっては不思議だけど、なぜ叩くだけで直っていたんだろう? 東京工業大学附属科学技術高等学校の大熊康弘先生に聞いてみた。

「まず叩いて直るほとんどの場合、故障原因は接触不良でしょう。本来、はんだ付けされた金属部が振動で外れて電気が流れなくなるのです。それを叩いて大きな振動を与えることで、外れた部分同士が再度接触し、電気を通すので一時的に直ります。また昔みかけたチャンネルがダイヤル式のテレビの場合、ダイヤル部の裏にある銅のバネと回路を接触させてチャンネルを変える仕組みなのですが、それがずれて接触できず、映し出せないことがあります。これも叩くことでずれていた金具がちょうどいいところに接触することがあります」

ダイヤルの構造上、使っていくうちに機械の接触面が摩耗してしまうのは仕方がないことらしい。現在、テレビのチャンネルはリモコンを使って変えることが当たり前になってるけど、ダイヤル式とは仕組みが違うのだろうか?

「最近作られる電気製品のほとんどはIC(集積回路)を通して電流のオン・オフを管理します。基盤にICを取り付けて電子の力で制御するのです。テレビのリモコンもそうで、ボタンを押すことで、ICに電流を流させます。ですから、叩いて接触不良を直すことはできません。それに、昔と違ってはんだ付けの技術が機械化されて向上してるので、振動で外れてしまうこともないでしょう」

叩いて直る裏技はもう使えないのかぁ。おとなしく修理業者に頼むのがベストなんですね。

「というより、本来叩いて直るは間違いなんです。一度はがれてしまったはんだが叩くことでくっつくわけがないのですから、叩くだけで100%直ることはありえません。むしろ故障箇所が増えたり、長い時間をかけて症状を悪化させているのですから、一時的に直った症状になるといった方が正しいでしょう」

あちゃー、気づかないうちに、電化製品にとても負担をかけていたんですね。電化製品に水が大敵なのは周知の事実でしょうが、振動もかなりの負担をかけるらしい。これからはあまり衝撃を与えないよう、こころがけマス。

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