NASAが「尿」を集めているらしい

無重力ではどうなるの? 宇宙空間におけるハイセツ事情

2008.08.29 FRI


スペースシャトルのトイレ。地上での訓練では、吸い込み口に正確に座ることができるように、カメラ付きの訓練装置でトイレを使う感覚を養っているのだ。写真左下は、質問に答えてくれた宇宙飛行士の古川聡さん (c)JAXA、 (c)NASA
先日、世界に衝撃的なニュースが流れた。なんとNASAが「尿」を集めているというのだ。目的は、新しい宇宙船「オリオン」のし尿処理システムの開発テスト。オリオンには宇宙飛行士が半年間も滞在するため、より高度な処理システムが必要になるという。

「尿」は様々な物質が溶けあった液体で、人工的に作ることは難しく、今回は実際に集めることになったそう。集める対象はNASAの職員ということなので、自分の尿をNASAに送っても迷惑になりますのでご注意を。

うーん、これまで考えたこともなかったけれど、たしかに宇宙でトイレをするのは大変そう。無重力だし、出したそばからふわふわ浮いてしまうのかな? 宇宙のトイレ事情はどうなっているんでしょうか。2001年に宇宙飛行士として認定され、現在はアメリカをベースに訓練に励む宇宙飛行士の古川 聡さんに聞いてみました!

「宇宙のトイレは、排泄物を吸引するようになっています。原理は掃除機のようなものですね。スペースシャトルのトイレは、奥行き1m、幅約1mの広さで、男女共同で使います。形は地上の洋式トイレと似ていますが、体が浮かないように固定して、排泄物は掃除機のような機械で吸いこみ、真空にして乾燥させます。体が浮いた状態で、直径10cmの小さな吸い込み口に正確に座るために、地上でも訓練を重ねなければなりません」(古川聡さん)

無重力だと、排泄時の勢いで体が浮かんでしまうから体を固定しないといけないんだそう。大小の排泄物は基本的にはタンクに貯められ、地上に持ち帰ったり、大気圏に突入させて燃やしてしまうんだとか。

「面白いのはスペースシャトルの場合で、おしっこをそのまま宇宙空間に捨ててしまいます。そのとき、水分がすぐ凍結してキラキラと美しく輝くので宇宙ホタルと呼ばれています」(同)

わぁ、ロマンチック。ところで、NASAが新しい宇宙船の開発をしていますが、これから宇宙のトイレはどうなっていくんでしょう?

「将来的に、月や火星を目指すときには、貴重な水を有効利用するため、尿も再生して飲料水にする必要があると考えられています。個人的には日本製の宇宙用トイレが開発されたらいいな、と思っています。一般的に、日本製品は小型・高性能ですからね。月や火星には重力があるので、地球用トイレの技術も生かせるかもしれません」(同)

月や火星で日本製トイレに向かっておしっこをする。そんな時代がいつか来るかも?

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