新潟、北海道、秋田 etc...

日本の米どころってなんで北のほうに集中しているの?

2008.10.24 FRI


北海道の天塩郡遠別町の水田。現在では全国第二位の収穫量を誇り、オイシいお米の産地として名高い北海道だが、今日に至るまでには、冷害と度重なる品種改良が行われてきた長い歴史があるという 写真提供/北海道農業研究センター
秋は食の季節。サンマ、松茸などとともに、新米が食卓に並ぶ季節になりました。さて、おいしいお米といわれて思い浮かぶのが、コシヒカリやあきたこまちなどのブランド品種。地域的には東から北のイメージです。

実際、農林水産省が発表した平成18年度の全国の作物統計を見ると、稲の作付面積1位は120万3000haの新潟。そのあとに続くのが北海道、秋田、福島。予想収穫量も新潟、北海道、秋田がトップ3と、米どころは日本列島の北の地域、寒い地域に集中しています。

米の伝来は諸説あるものの、中国の揚子江中流・下流付近から日本に伝わったという説が有力。この地域は日本より低緯度で気候的にもわりと温暖ですがなぜ日本では稲作が南ではなく北の寒い地域で盛んなのでしょう? 農業・食品産業技術総合研究機構の岡本正弘研究管理監にお話を伺いました。

「稲作が縄文期に始まって以来、北へ北へと広まっていった稲は、この過程で日本各地の風土に合うように適応し、現在では実りの時期の平均気温が約21~22度のとき、最も収穫量が多くなる性質に変化しました。そういう理由で、東北や北陸、関東・中部の一部といった気温が比較的低い地域で稲作が盛んなのです。逆に、九州や中国、四国のように夜間も暑い環境の場合は、稲が呼吸で多くのエネルギーを費やしてしまい、収穫量があまり伸びません」

そのほか、東・北日本はこの気候面に加え、大きな平野が広がり潤沢な水源も多いという土壌的な条件にも恵まれているそうです。ちなみに、広大とはいえ冷涼な北海道が米どころになった経緯は、低温に耐えうる品種を育てるため、明治以降に進められてきた国をあげての研究の成果によるものなのだとか。

「米の食味は主要成分の『でんぷん』の質に左右されるのですが、実りの時期の気温が低いとでんぷんなどの成分量が変化し、食味が落ちます。そのため、北海道では世界中の稲の遺伝資源を有効活用し、低温でもおいしい米に育つ独自の品種改良が進められてきたのです」

最近ではその成果が実り、『おぼろづき』というコシヒカリ並みの良食味の品種が誕生したそうです。

近年では、温暖化などの環境変化を見据えた研究が活発化している「米」。ただ、新品種は研究から開発までに10年くらいを要し、現在九州を中心に普及する暑さに強い新品種『にこまる』も、10年以上も前から研究されていたのだとか。

10年後、僕らはいったいどんな米を食べているのか――。その研究は、今まさに進められているのですね。

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