ワイン、肉、コンビーフまで…

美味しさのキーワード「熟成」の謎を解明!

2008.10.16 THU


ワインや日本酒などの酒類から、肉に米、コーヒー豆まで。様々な食品の売り文句として耳にする「熟成」という言葉。食品を寝かせておくと何かが変化して美味しくなる、という印象があるけど。改めて熟成って何ですか?

「植物や肉は、内在している酵素の働きで成分の変化が起きたり、酸素の働きで化学的な反応が起きたりします。このような反応がゆっくりと時間をかけて起こり、美味しさにかかわる物質が増えていく現象を熟成と呼んでいます」とは、日本獣医生命科学大学食品科学科の松石昌典教授。成分が変化する、というと「発酵」に似ている気も。

「まったく別の現象です。発酵は、微生物バクテリアやカビの仲間、酵母などが働いて物質を化学的に変化させるもの。時間も熟成ほど長くはかけません」(同)

ただし、食品を美味しくするために発酵と熟成がともに行われるものもあるそう。

「例えば、ワインもそうです。ブドウの果実の糖がアルコールに変化するのは発酵です。一方、これを寝かせておくとアルコールや元々ブドウの中にあった有機酸やフェノール性物質などの成分間で反応がゆっくり起きるんですが、これは熟成です」(同)

ところで、食品は熟成させると、どうして美味しくなるのだろう?

「ひとつの理由は、熟成によって旨味成分が増すからです。牛肉の場合、時間がたつと筋肉の中にある酵素によってたんぱく質が分解されて、旨味成分であるグルタミン酸(アミノ酸の一種)が増えます。熟成の理想的な期間は10日~約2週間ですね」(同)

チーズやハムが熟成すると美味しくなるのも基本的には同じ理由。

「さらに、ハムやソーセージ、コンビーフなどの加工品の場合は、加工の段階で亜硝酸塩を使っているため、この亜硝酸塩が熟成の過程で香りに影響を与えます」(同)

食材や加工方法によって状況は様々だが、熟成は、時間をかけて初めて起こる現象であることだけは確か。美味は1日にして成らず、ということか。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト