東京オリンピックの時代から進行中!?

高速道路ネットワーク「3環状9放射」って何なの?

2008.11.14 FRI


イラスト/村田らむ
昨年12月に開通した、山手通りの地下を通る首都高速中央環状新宿線、通称「山手トンネル」。この中央環状新宿線は、実はまだ一部のみ開通した段階。今後、2009年に渋谷まで延びて完成し、その後、2013年に開通する品川までを結ぶ中央環状品川線のトンネルと連結する予定だ。

さて、山手トンネルを含むこの一連の高速道路建設は、国土交通省などが推し進めている首都圏の道路交通プロジェクトの一部に過ぎない。その名も「3環状9放射」。

これは、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)、東京外かく環状道路(外環)、首都高速中央環状線を中心にした3つの環状の道路と、東名高速道路や中央自動車道、関越自動車道など東京と地方を放射状に結ぶ9つの道路とを組み合わせた道路ネットワーク構想だ。3環状9放射は、そもそもどういう経緯で立案されたのか。計画に携わる国土交通省関東地方整備局道路部計画調整課・古川慎治課長が解説してくれた。

「3環状9放射は、もともとは1964年の東京オリンピックを機に建設がスタートし、計画が先行したのは放射方向の路線でした。90年ごろには9放射のほとんどが完成したのですが、3環状の整備はその後から本格化し、開通していない区間が多いのが現状で、すべて開通するのは2020年頃の予定です。計画が始まった当初は高度成長期にあたり、東京と地方の諸都市を結んで人の行き来や物流を活性化させる要請が強く、放射が優先されたのだと思います」

これから本格的に開通する3環状だが、われわれにはどんなメリットがあるのだろうか。

「9放射の完成で、東京から地方、地方から東京へのアクセスは便利になったのですが、地方から地方に行こうとすると、都心のど真ん中を通過しなくてはならず、その結果、都心にクルマが集中し、渋滞が常態化しています。3環状は、都心に入る必要のないクルマをバイパスし、交通を分散化させる狙いがあるのです。3環状の開通で移動時間も短縮されます。たとえば、関越道から東名高速へ抜ける場合、従来は40~100分程度かかりますが、今後、外環が整備されると12分ほどで到着する見込みです。また交通が合理化されることで、事故が減少する効果があることもわかっています」

まさにいいことづくめの3環状9放射だが、圏央道だけでおよそ3.5兆円もの莫大な事業費がつぎ込まれているという。お金と時間と首都圏の渋滞状況それぞれの事情があるだけに、混み合った高速道路同様、スムーズに走っていくのはなかなか難しいのかもしれない。

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