身近なトラブル対処法

第2回 なぜ引っかかる!? 振り込め詐欺の罠

2008.12.08 MON

身近なトラブル対処法

ケータイを紛失した時って、記事にもあったように
「速やかに紛失・盗難サポートにダイヤル!」したいのは
やまやまなんですがその電話番号、
どういうところにメモしておくのが一番効果的でしょうか?

たとえば、家族に知っててもらうと、
いざという時に助けてもらえるんじゃないかな。

投稿者:「めが」さん(熊本県/29歳/女性)

確かに、めがさんのいうとおり、同居していても離れて住んでいても、
「家族」は一番頼りになるセーフティネット。

暗記能力がないボクでも、実家の電話番号は忘れてないですからね。
いざという時には頼りにしたい、ありがた~い存在なわけです、家族って。

しかし! その大切な家族(ボクらの両親、祖父母)を狙った
犯罪が猛威をふるっています。それが、ご存じ「振り込め詐欺」。

これだけメディアで騒がれて、銀行や警察でも注意をアピールしているのに、
あんまり減る気配がないみたいなんですよね。

ということで、今回の「身近なトラブル対処法」は、
「振り込め詐欺」の傾向と対策にフォーカス。

詐欺の手口や被害の状況、さらには、そんな気もないのに
引っかかってしまう心理のナゾも掘り下げて調べてみます!
金融機関に足を運べば、振り込め詐欺への注意をアピールするポスターが目につく。ATMスペースで携帯電話を強制的に通話圏外にすることを検討している金融機関もあるようです。

振り込め詐欺の典型的な手口をおさらい!



電話でいきなり「オレだよ、オレオレ」と切り出し、受けた親族がうっかり「○○かい、どうしたの?」などと答えた途端!

「そう、○○だけど大変なんだよ(泣)。事故を起こして示談金が必要なんだ。悪いけど、お金を振り込んでくれない?」なんて手口、今やすっかりおなじみですよね? 

これぞ、悪名高い「振り込め詐欺」。警察庁によると、2008年の振り込め詐欺被害は過去最悪のペースで進行中。9月末現在で被害総額が約235億9999万円、認知件数は1万6997件にも上るそうです。

これまでの被害金額を見てみると、2006年が約251億円、2007年が約255億円。メディアで注目され、警察や金融機関が注意を喚起しているにもかかわらず、被害はいっこうに減らないのが現実なんです。

そもそも、振り込め詐欺には大きく分けて4パターンあるそうです。ここで主な手口をおさらいしてみましょう。

●オレオレ詐欺
親族や警察、弁護士などを装って電話をかけ、「交通事故の示談金」「事故の慰謝料」「痴漢の示談金」などを要求。銀行口座に振り込ませてだまし取る。離れて暮らす子供を持つシニア・シルバー層が狙われる。

●架空請求詐欺
出会い系サイト、アダルトサイトなどの利用料を口実に料金を請求するメール、郵便を勝手に送りつけ、現金を口座に振り込ませてだまし取るもの。ケータイやネットを利用する10~30代の被害が多い。

●還付金等詐欺
今年の春、「税金の還付」をかたって猛威をふるった新手。税金の還付金ほか、医療費や保険料の還付金をエサに、ATMを操作させて現金をだまし取る手口が特徴。リタイヤした高齢者が狙われる。

●融資保証金詐欺
別名「貸します詐欺」。金融機関を装って融資を持ちかけ、保証金という名目で現金をだまし取る。ターゲットは中小企業の経営者層。

2008年3月には、金融機関でのATM現金振込の限度額を10万円にすることなどを明記した「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(通称:ゲートキーパー法)が施行されるなど、対策は官民挙げて続行しています。また、詐欺罪は「10年 以下の懲役」が最高刑なんですが、振り込め詐欺は「組織犯罪取締法違反」が併合罪としてプラスされ、懲役15年以上という厳しい判決が出ることも少なくないようです。

これほどの逆風にありながら、犯人たちの悪知恵は働くものですな。

■事前に「携帯電話の番号が変わったから控えておいて」などと連絡し、詐欺本番の電話への警戒感をなくす。

■あらかじめ「風邪をひいて声が変だと思うけど」と言い含め、家族でも疑問を抱かせないようにする。

と いった小ワザを駆使して、やつらはだましの電話をかけてきます。なかには「複数の人物が登場して劇団チックにだます」大がかりなものや、「締め付けの厳し い銀行口座からではなく、書留や小包での直接発送を要求する」タイプ、余裕のないうちに騙し取るため、バイク便で現金を送らせるスピード型も登場してい ますよ。

進化を遂げて、日々新たなスタイルが登場する振り込め詐欺。ホント、油断ができませんね。
今も暗躍する振り込め詐欺実行犯たちは、振り込み可能な時間帯の間に処理させるため、彼らが電話をかけてくるのは午前10時~午後2時の間が多いそうです。 (※写真はイメージです)

ボクらの親や祖父母は、なぜ振り込め詐欺に引っかかるの?



振り込め詐欺でメジャーなものといったら、やっぱり電話を使った「オレオレ詐欺」ですよね。しかし、「身内の声なら絶対に聞き分けられるんじゃね?」と思うんですが。社会心理学的な観点から「振り込め詐欺にだまされる心理」を研究している静岡県立大学・西田公昭准教授に聞いてみました。

「私は、学生に協力してもらって簡単な実験を行ったことがあるんですよ。まず、友人に『他の電話から○時ごろにかけるね』」とメールを出し、電話相手が特定の友人だろうと先入観を持たせておきます。その後、別人に電話してもらって話しかけると、実に13名中8名が偽の電話相手に気づかなかったんです」

うわ、かかってきた間違い電話に気づかず、数分ほど相づちを打っていたこともあるテキトー体質のボクなんか、絶対にわからないかも。

「人は声を聞き分けるとき、音声の細やかな違いまで区別できません。電話がかかってくる可能性のある人物リストの中から、声の高さ、話し方、なれなれしさ、電話をかけてきた時間などを考慮し、『この人だろう』という仮説を立てているのです。そして、選ばれた人物の音声記憶と似ている点を探し、少しでも合っていれば確信を深めていきます」(同)

ではさっそく、実験で検証してみるべし! 友人に協力をあおいで、ボクのリアル母親(秋田県南部在住)にショッキングテレフォン! シチュエーションは「連帯保証人になったために借金を肩代わりすることに」というものっス。

友人「もしもし、おれだよ」

母「なに? マサタカだが?」

友人「うん、マサタカだよ。友達が借金を返せなくなって、おれが返さなきゃいけなくってさ」

母「なした? カネ返さねばダメだってが?」

友人「そうなんだよ(消え入りそうな声で)」

母「あらオメだばちらましねごど。なんぼいるやじよ? してへ、どごさいれればいいんだや?」

友人(想定問答と違うじゃん! 何て言ってるのかわかんねー)「えーと、あの今、弁護士事務所にいまして、お金」

母「オメ、ホントにマサタカだが?(不審げに)。父さんさかげでもらうがらな(ガチャツー、ツー)」

残念!(っておい)。

本人かどうかの第一関門は突破しましたが、実際に振り込ませるに至るまでは、秋田弁ネイティブ以外では厳しかったみたい。やはり、ガチな方言は相当な振り込め詐欺バリアになるんでしょうか。

「確かにそうかもしれません。しかし、東京など大都市に出た若者は、家族相手でも故郷の言葉を使わない人も多いようですよ。さらに、その地方の出身者が仕かけ役になるなど、犯人が周到な準備をしているケースもあります。決して油断できないでしょう」(同)

なるほど。やはり、「人はだまされる」「声は聞き間違える」という前提をしっかりと両親、祖父母にも共有してもらうのが大事なんですね。 実験の後日談ですが、親族ということで実験に協力する
ハメになったボクの母は「今後、どんなに困っても一切カネは出さん!」
という姿勢を鮮明にしてくれました。

これはこれで、最大の振り込め詐欺対策ですけどね(泣)。

それはさておき、もっとも有効な対策は、
「急な振り込みを要求されても、すぐにお金を振り込まないこと」でしょう。
どんなに急かされても、いったん電話を折り返すのが吉だと思います。

以上、数カ月ぶりの電話が「振り込め詐欺の実験」という
親不孝きわまりないR25ライターがお届けしました。

読者のみなさまは、身の回りで「振り込め詐欺」に巻き込まれた
体験談はありませんか? これを防ぐ妙手などもありましたら、
ぜひその具体的な方法なども教えてください。

今後も体を張って「身近なトラブル」の解決にトライしていきますよ~。

そのほか、みなさまが経験した「これって詐欺?」的な体験談、
身近なトラブルネタがありましたら、ガンガン投稿してください! 

では、また!

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