身近なトラブル対処法

第5回 2009春最新版! 花粉トラブル研究

2009.01.26 MON

身近なトラブル対処法


撮影/Noppalla Bana 温暖化の影響でスギ花粉飛散量はさらなる増加が予想されており、気象庁のシミュレーションでは関東のスギ林密度も増加する傾向にあるとか。今後、スギ花粉が減る要素はミジンもないのか?…(号泣)

この悩ましい花粉症を治す方法なんてあるの?



爽やかなはずの春いつからこんなに気が重い季節になったんだ!(全国の花粉症患者を代表して、魂の叫び)

「鼻アレルギー診療ガイドライン」(厚生労働省)によると、国民の約25%近くが花粉症とか。スギ花粉に苦しむ同志は4人に1人か。さて、小学生のころから花粉症に苦しんできたボクの症状はと言いますと。

マスクにメガネという重武装でも、春になったらくしゃみ無間地獄に鼻汁の大洪水、目ン玉を取ってゴシゴシ洗いたいぐらいのカユミ。花粉飛来のピークにはのどの痛み、皮膚炎っぽい症状までコンボでやってきちゃうぐらいっス。

もちろん、今年の春もつらいんだろうな~。花粉症研究の第一人者として知られる日本医科大学の大久保公裕准教授、今年の花粉はどんな感じでしょうか?

「環境省によると、関東東部や東北ではほぼ昨年並みですが、東海、近畿などの西部では飛散量が増えるとみられています。ただ、飛散の開始日は昨年より1~2週間程度早まるようで、関西では2月10日過ぎ、関東では2月20日過ぎにスギ花粉前線が到来するでしょう」

そもそも、スギ花粉症は、体の免疫システムが過剰に働きすぎる「アレルギー症状」の代表格。わかりやすい例えとしては「アレルギーコップ」という考え方があるようですね。
都内のショップでは、早くも花粉対策グッズが並べられていました。写真のような全身防護服を着ていれば、花粉対策はバッチリ!? って、この格好じゃ、さすがに普段の生活に支障がある気が…。
これは、人体をコップにたとえると、その中に抗体(アレルギー反応を起こすタンパク質)がたまっていき、あふれ出した時にアレルギー症状が出てくる、というもの。小学生から発症しているボクの器は、おちょこぐらいだったんでしょうか(泣)。ともあれ、昨年まで大丈夫だった人も、今年の花粉を浴びて発症する可能性はある、ということですね。

「ええ。本州に住んでいる限り、スギ花粉症になる可能性は誰にでもあります。最近、40~50代になってから突然、花粉症を発症する人が増えてきているんですよ。その背景には、植林によってスギが増えたことをはじめ、住宅、食生活といった現代日本人の生活様式の変化があると考えられています」(同)

コップに入れた水はいつか蒸発しちゃうわけだけど、アレルギーコップの場合は? たまった抗体を減らす方法はないんでしょうか。「発症したら一生おつき合い」なら、結構しんどいっス。

「アレルギーコップ説の例でいうなら、蛇口をひねるきっかけになるもの(花粉)を排除すること。つまり、スギ花粉となるべく接触しないのがベストです。それが花粉症の過敏な症状を防ぐ、シンプルにして最大の防御法なんです。アレルギー症ではない人にとっては、未来の花粉症を抑えるカギになります。ほかに、コップの容量を大きくする『減感作療法』も研究されていますが、まだ試行錯誤の段階ですね」(同)

花粉症対策にもいろいろありますけど、最も有効なのは、基本中の基本といえる「花粉の回避」。つまりセルフケアが重要なんですね。かといって、フルフェイスのヘルメットで暮らすってわけにもいかないしなぁ。
スギ林から放たれる花粉は上昇気流に乗って都市部まで運ばれる。「気温が高く晴れの日」「空気が乾燥し、風の強い日」の外出はフル装備がベター。まとめてドカンと飛散する雨の翌日にも要注意だ!

民間療法って効果はあるの!?花粉症対策あれこれ



花粉症には結局、何が有効なんだ!? 

メディアでは、甜茶(てんちゃ)にヨーグルトといった「花粉症対策食品」が注目されていますし、シリアスな対策では、鼻の粘膜を焼くレーザー治療なんてのもありました。ちなみに、花粉症歴30年近くのボクは、数年前から黒酢とノニジュースを飲んでいますけど体質に合わなかったんでしょうか? 症状はあんまりおさまっていないような。

「花粉症の対策については、様々な情報がテレビの健康番組、雑誌、そしてインターネット上にあふれていますね。病院で医師が行ったり、指導したりする医療以外の『民間医療』に関しては、ある種の乳酸菌とポリフェノールが医学的に認められています。ただ、それも花粉症を治したり、体質を改善するものではありません。あくまで症状を軽くする効果が期待されているのです。具体的な花粉症の治療には、現在『抗原回避・除去』『薬物治療』『減感作療法』『手術療法』の4つがあります」(日本医科大学・大久保公裕准教授)

魅惑の4大治療プランがラインナップされているわけですが、逆に言えば決定打がないというのも事実なんですよね~。完全に治す可能性があるのは「減感作療法」で、スギ花粉を体内に入れることで、体を抗原(花粉)に慣れさせるというもの。しかし、耐性をつけるためには長期にわたって注射を続ける必要があるなど、費用面なども含めてハードルが高そうな気が。 大久保先生によると、免疫機能を正常に保つためには、「睡眠をよくとる」規則正しい生活が欠かせず、「お酒やタバコも控えたほうがいい」そうですがもっとも一般的なのは、鼻水を止めたり、目のかゆみを和らげる薬を処方してもらったり、薬局で購入したりする『薬物治療』でしょうか?

「薬物療法は着実に進化しており、服用しても眠くならない薬や、鼻づまりに特化して効く薬などが出てきています。ただ、花粉が飛来する1週間ぐらい前から飲み始めないと、最大の効果が得られません。花粉症は屋外に出るから症状が現れる病気なので、『抗原回避・除去』が最も有効だと思われます。鼻、目の花粉ガードにはマスク、メガネ。屋内に花粉を侵入させないために、玄関の外で服に付着した花粉を払い落とし、すぐシャワーを浴びて髪などに付着した花粉を流しましょう。コートなども、ツルツルした素材だと付着しにくいですよ」(同)

花王が行った調査によると、室内への花粉の侵入経路で最も多かったのは「窓明け等の換気による侵入」で60%、「外干しの布団&洗濯物に付着」が合わせて37%。「外出着に付着」しての侵入はわずか2%ですか。ともあれ、部屋に侵入した花粉総数は約2300万個だったというから、2%でも46万個! 体の表面にそれだけ花粉がついているかと思ったら。いくら怪しかろうと、ダサかろうと、外出時はマスク+ゴーグルの不審者スタイルで過ごさせていただきますって! いや~、今回の取材を通じて、あまりにもスギ花粉を調べすぎて
何度も原稿を読み直しているうちに、鼻が何だかムズムスしてきた気が。
まだ本格飛散前なのに、すっかり花粉症ブルーです(苦笑)。

どっか、スギのないところに行きてー! 
なんて逃避願望を抱いちゃったりしますが、
花粉症の原因植物は50種類以上が報告されているそう。

スギ花粉症がないエリアでも、北海道ではシラカバ花粉症が、
沖縄ではブタクサやデイゴの花粉症例があるというから、
ボクみたいなおちょこ(推定)の持ち主が、花粉から逃れて
安住の地を探すのは難しいのかもしれません。

ボクと同じく、花粉症で苦しまれている読者の皆さんはどうでしょう?

俺の花粉症の方がすごいぜ! という症状自慢はもちろん、
オリジナルの花粉対策、レーザー治療体験談などなど、
幅広いご意見をお寄せください。

もちろん、その他のトラブル体験もガシガシ投稿、待ってます。

では、また!

日本医科大学付属病院 耳鼻咽喉科 大久保公裕准教授

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