身近なトラブル対処法

第6回 サラリーマンの納税トラブルって?

2009.02.09 MON

身近なトラブル対処法


3月の風物詩になっている確定申告の受け付け風景。会社員が「医療費控除」「住宅ローン控除」を受ける場合は、窓口で直接相談してみたほうがいいみたいですね

確定申告シーズンの素朴な疑問…年末調整って何のためにある?



確定申告は自営業者がするもの、給料から天引きのサラリーマンには関係ないんでしょ? って思ってる人、けっこう多いのでは。

自営業者の確定申告の代わりに、サラリーマンには「源泉徴収」と「年末調整」があります。黙っていても会社がやってくれるから、その中身を知らない人も多いみたいですね。ここであらためておさらいしておきましょうか。税理士の菊池美菜さん、ガイドをお願いします!

「会社員の場合、会社が従業員の代わりに所得税を計算し、源泉徴収という方法で国に納めています。ただ、毎月の源泉徴収額は、扶養家族の数や社会保険料控除を考慮した概算額なのです。本来の徴収額より概算額が多めなら、年末調整で還付金が戻ってくるのです」

なるほど。還付金があっても、厳密に言えば得というわけじゃないんですね。

「そうですね。年末調整は正しい税額を計算して、多すぎれば還付され、少なければ徴収されるものです。戻ってくる金額がいくらであっても、結局のところ年間で支払う所得税の額は変わりません」

さて、年末調整と同じ作業を自分で行うのが確定申告です。ボクらフリーランスの場合、出版社などの法人から支払われるギャランティは、あらかじめ源泉徴収として、基本的に1割が引かれています(1回の取引で100万円を超える場合、100万円超過部分の20%を源泉徴収)。そこで、各種控除や経費などを計算し直して、払いすぎた税金を取り戻す。それが確定申告です。言ってみれば、セルフ年末調整みたいなもの!?  

だけど最近、政府の税制調査会では「年末調整を廃止しよう」という議論がなされているそう。処理を会社員個人が行えば、企業側の負担もだいぶ減るでしょうね。サラリーマンもフリーランスもオール確定申告! という時代が来るんでしょうか?

「年末調整があって、自分で何も処理せずに税金の処理が終わる。だから、会社員は税に対して興味を持たなくていい、というのが日本です。文句を言われずに税金を取りやすい便利な制度がなくなるとは、個人的には思えませんね」(菊池さん)

納税意識をしっかり持つ! これは会社員でも自営業者でも変わらないわけですね。

まぁ、毎年期限ギリギリ、徹夜でヒーヒー言いながら確定申告の書類をまとめるボクにしてみたら、会社に処理してもらえるサラリーマンの方々がうらやましくて仕方ないわけですが。
実は、4枚つづりになっている「源泉徴収票」。左下の切り取られた部分が、給与所得者の手もとに届く受給者交付用(1枚)。それ以外の3枚は、税務署提出用(1枚)、市区町村提出用(2枚)となっている

確定申告って会社員でもしなきゃいけないの?



ある日、いきなり税務署から届いたのが「お尋ね」なる文書。あらら、まったく身に覚えがないのに、何だ!? と出向いていったら、追徴課税に延滞料、住民税の追加修正締めて○○万円ナリ!! いったい何なんだ!?

これ、ネットオークションで儲けまくっていたボクの知人(会社員)が経験した、税務調査の泣きエピソードです。新車購入に相当するぐらいの追徴課税がきたら、キツイどころじゃないですが。税理士の菊池美菜さん、追徴課税ってどれだけかかるんですか?

「確定申告の必要があるのに申告しなかった場合は、本来支払うべき税金のほかに、罰金がかかるんですよ。まったく申告していなかったら無申告加算税(正しい納税額の15%、50万円を超える額は20%)、申告した金額が少ないなら過少申告加算税(不足税額の10%、期限内申告税額または50万円のいずれか多い額を超える部分については15%)、さらに延滞税(平成20年は年4.7%)も加わります」(菊池さん)

そもそも、確定申告をしなかったら、なぜバレるのか。それは、源泉徴収票は個人のもとだけではなく、「税務署」「区役所」にも送られているからなのだ。それを考えると、サラリーマンでも確定申告をしなきゃいけないケースは、やっぱりちゃんと確定申告しないとマズイんですよね。一体どんなケースが該当するんでしたっけ? というわけで、菊池さんにまとめて教えていただきました。

1.年収が2000万円を超える人
2.給与所得および退職所得以外に20万円以上の所得(必要経費を引いた金額)のある人
3.給与を2カ所以上からもらっている人
4.家事使用人などで源泉徴収がされていない人で、所得金額が103万円を超える人
ネット上から簡単に申告できるというオンライン確定申告「e-Tax」。今後のスタンダードになるか…と思ったら、意外に手続きは面倒みたいですね
年収2000万円オーバーのリッチさんはともかく、「副業収入で年間20万円以上」というのは、結構該当者がいるのでは? 

「株の売却で儲けた」
「FXで儲けた(損した)」

なんて人、ボクの周りでも多いですし。

「株の売買(上場株式を市場で売買する一般的なスタイル)では、特定口座『源泉あり』の場合、証券会社が納税してくれますが、それ以外の特定口座『源泉なし』や一般口座の場合は確定申告が必要。FXも申告が必要ですね」(同)

では、ネットオークションの場合は? 

「自分の家財を出品しているのなら税金はかかりません。貴金属など、1個30万円以上の高額品で儲けたら申告の対象になります。サラリーマンなら、先に挙げた『20万円以上』儲けたかどうか、チェックするようにしましょう」(同)

近年のFXやネットオークションの盛り上がりには、国税庁も敏感になっている様子。全国の国税局には「電子商取引専門調査チーム」が設置され、ネット上の取引には目を光らせているようです。「FXで儲けた○○億円の所得隠しで、○億円の追徴課税が!」なんてニュースもよく耳にしますしね。

取材を通して、「サラリーマンの方には、もっと税について知識を持ってほしい!」と菊池さんは強調していました。「税金は1円でも安く」というのがボクらの本音ですがちゃんと税金について勉強するのが一番の「節税」になるのでしょう。キビシイ「追徴課税」が降りかかる前に、今一度チェックしておかなきゃ!! 今回は、「年末調整の仕組み」と
「サラリーマンでも確定申告をしなきゃいけないケース」を調べてみました!

ガイドしていただいた税理士の菊池さんによると、
「これまで確定申告をしたことがなければ、5年前までさかのぼって申告できる」とのこと。
該当する方は、去年や一昨年の分もガッチリ申告しちゃいましょう!

だけど、確定申告って、払いすぎた税金が戻ってくる
ケースばっかりじゃないからやっかい。
「追徴課税」されないよう、
自分の税金まわりについては、しっかり調べておきましょう!

さて、皆さんから寄せられた「身近なトラブル」の解決に挑んでいくこのコーナー、
今後は

「出先で急な下痢が!」
「いつの間にか、頭髪が寂しく」

といったテーマをリサーチ中です。
今後も、ボクが体を張って、皆様の不思議を解決していきますよ~!

皆さんも、解決してほしいトラブルがありましたら、
どんどん投稿してください!! お待ちしています! では、また!

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