身近なトラブル対処法

第7回 通勤中の猛烈な便意、どう乗り切る?

2009.02.23 MON

身近なトラブル対処法


「過敏性腸症候群(IBS)」は便秘型、下痢型、便秘と下痢を繰り返す混合型に分類される。下痢型の場合、便意が気になるあまり、通勤電車は各駅停車にしか乗れなくなることも…別名「各駅停車症候群」「快速恐怖症候群」と呼ばれるゆえんだ

朝の電車の中でいきなりお腹ピーピーになるのはなぜ?



ヤ、ヤバイ猛烈な便意が! 必死にガマンして収まるまで待つと、しばらくして、またまた強烈な便意リターンズ!

こんな便意サイクル、通勤中の電車内、高速道路に乗っているとき、会議中などなど、往々にして「トイレに行けない」シチュエーションで起こるのがやっかいですよね。素朴な疑問ですが、誰もが経験するこのサイクルって、一体なぜ起こるの? 表参道内科胃腸科クリニックの大黒学先生に聞いてみました。

「便意のサイクルは腸の『蠕動(ぜんどう)運動』によるものですね。食べた物は胃や腸が繰り返す膨張・収縮によって運ばれていくのですが、その蠕動(せんどう)サイクルが便意と連動するため、鈍痛が定期的に下腹部を襲うんです。腸の場合は、約20分ぐらいで便意のループがきますね」(表参道内科胃腸科クリニック・大黒学先生)

はぁ~。便意の波にも、そんなメカニズムがあったんですね。でも、大黒先生によると、通勤電車に乗ると激しい腹痛、便意に襲われるそんな症状がビジネスマンの間で増えているようです。
ストレスが腸に来た場合、男性は下痢に、女性は便秘になるのが特徴とか。確かに、通勤途中に悶絶しているのは、たいてい男性ですな…
「それは『過敏性腸症候群(IBS)』ですね。出勤途中や会議中に突然、お腹の調子が悪くなってしまい、トイレに駆け込まずにいられない――そんな便通異常をはじめ、吐き気、便秘などの異常が続くものです。トイレに駆け込んで排便したら下痢は治まりますが、残便感が残るため、またすぐトイレに行きたくなっ てしまうケースも。しかし、IBSの場合、病院で内視鏡やCTなどで検査をしてみても、特に腫瘍や炎症などの異常は見当たらないのです。原因は、ずばりストレス。『脳腸相関』と言いますが、脳がストレスを感じると、腸はすごく敏感に反応しますから」(同)

放置しておくと、「また下痢するのでは?」という不安がストレス要素になり、また下痢に! という下痢スパイラルに陥ってしまうことも多いそう。

「原因がストレスですから、その状況をやわらげつつ、薬を使っていくのがベターな治療法になりますね。最近、腸の過敏な運動や痛みをコントロールで きる新薬が保険適用されるなど、治療の環境は整いつつあります。しかし、病院に通っても、効果が現れるまで2~3か月以上かかることも。『この薬は効かない』 『この医者は合わない』などとあきらめず、長いスパンで治療していただきたいですね」(同)

IBSが悪化すると、うつ病的な症状が現れる患者もいるとか。なるほど、ボクらが感じる緊張を受けとめやすい、繊細な臓器なんですね、腸って。通勤途中の苦しみを卒業するには、ちょっとやそっとのストレスはスルーして考える――そんな「鈍感力」が必要なのかもしれません。
ツボ「下痢点」のポジションは、手の甲の中心部から少し薬指寄りあたり。下痢の時はここに強い痛みが現れていることもあるらしい…って、ホントに!?

満員電車で便意が急襲!いかにして切り抜ける?



急に便意が襲ってきた! しかし、ここは電車内という密室空間。タラ~リ流れる冷や汗に、破滅の予感がヒシヒシ。

ヒジョーに身近ながら、人間の尊厳が揺らぎそうな危険シチュエーションです! さて、一体どう対処したらいいんでしょう!? 某SNSの下痢関連コミュニティで活動する八橋学さん(下痢キャリアでの通勤歴10年)をお招きし、便意封じのノウハウを研究してみたいと思います。

「通勤中の下痢ビッグバンを避けるためには、自分の生活リズムの把握が欠かせません。寝不足じゃないか? 深酒していなかったか? 朝食を食べたか、食べていなかったか? 僕の場合、朝食を食べるとテキメンにお腹がゴロゴロきますから、できるだけ早朝出勤し、職場で朝食をとるようにしています。もし下痢が来ても、職場なら安心じゃないですか!」

なるほど。自らのゲリズムを把握するのがスルーの近道というわけですね。しかし、運悪く通勤中にビッグウェーブが直撃したら!? 即効的な対策はあるんでしょうか? CMでは「水なしでも飲める」「すぐ効く」をウリにした下痢止め薬が話題になってますけど。医師サイドの意見を聞いてみましょう。

「腸の痙攣(けいれん)などの症状を抑えるタイプなら、一時的な効き目は期待できるでしょう。ただ、症状を根底から治すものではありませんね。ストレスが発症の引き金になる『過敏性腸症候群』(IBS)の中で、男性がかかりやすい下痢型には、医療機関で新薬『イリボー』が処方され始めました。これは、腸の過剰な運動を調節し、痛みを抑える薬効が期待されています」(表参道内科胃腸科クリニック・大黒学先生)

薬の場合、その効き目以前に、「ポケットにある」という安心感もありそうな気がします。一方、医学的見地とはまったく別次元から、こんな便意スルーテクも教えていただきました。

「括約筋を締めることで当座の便意はガマンできます。そう、座るだけでも精神的には優位に立てるのです。気合で席を確保するのも一つの手ですね。便意をそらす だけなら、『リゾート地で優雅に過ごす自分を想像する』『AVのシーンをリフレインして性欲に逃避する』作戦もありますよ。頭の中で『お猿のかごや』を歌うと便意が遠のく、という説を提唱している人もいます」(八橋さん)

なんとか便意をそらし、電車を降りても闘いは続きます! 下痢者のオアシスことトイレにたどりついても、オール満室! ああ、トイレ難民になってしまったら!? 

「漢方的な観点からいうと、その名もズバリ『下痢点』というツボが、手にあります。効果を完全に保証することはできませんが、このツボを押さえることを最終兵器として覚えておいてもいいでしょう」(八橋さん)

ふぅ~。冷や汗かきかき、なんとか個室に駆け込むことができた。セーフ! となっても、決して気(と括約筋)をゆるめないで! と、最後に八橋さんは強調してくれました。そう、ズボンを下ろす前に後門大開放が訪れることもありますからね。 今回は便意のトラブルを徹底研究!
非常時のスルー手段も取り上げてみました。

電車内は言うに及ばず、会議や面接、勝負デート
突然、お腹の調子が悪くなってしまうケースは誰にでも訪れるもの。
1分1秒を争うビジネスシーンでも、きっと役に立つはず(!?) 
今回ご紹介した便意スルー技法、「下痢ライフハック」
ぜひ参考にしてみてください!(効くかどうかは個人差がありそうですが)

そう、「過敏性腸症候群」に代表されるように、
腸は緊張やストレスの影響をモロに受けやすいパーツ。
ストレスがさらなる腹痛を招く、負の下痢スパイラルに陥る前に、
しっかりケアしてあげなきゃいけませんよ!

さて、当連載では、皆さんのトラブル体験談を大募集中です! 
仕事面(急にクビ宣告が!)
健康面(健診でメタボ認定の危機!)など、何でもOKです。

日ごろ感じているトラブルのタネを、ぜひ投稿してくださ~い!

では、また!

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