身近なトラブル対処法

第9回 もしも痴漢に間違われたら…

2009.03.23 MON

身近なトラブル対処法


痴漢対策として、ここ10年ほどですっかり普及した「女性専用車両」。男性諸君は寝ぼけ眼で間違えて乗りこまないよう、要注意!

迷惑行為? 強制わいせつ?痴漢とはどんな犯罪なのか



「痴漢の疑いで会社員を逮捕」
「電車内における強制わいせつ容疑で逮捕された●●職員を懲戒処分」
etc.

ニュースで毎日のように目にする痴漢犯罪。一体どれだけ多発しているんだろう? と、警視庁の統計を参照してみたらあれ、「痴漢」という犯罪項目はありませんね。該当しそうなのは、強制わいせつ犯1156件、東京都迷惑防止条例の卑わい行為2238件(いずれも平成19年度)あたりでしょうか。

「痴漢は東京都をはじめとする各都道府県の迷惑防止条例、エスカレートしたら刑法の強制わいせつ罪によって取り締まります」(警視庁生活安全総務課)

法律による明確な定義はないため、統計では「強制わいせつ罪」「各都道府県の迷惑防止条例違反」に分けてまとめられている、とのこと。迷惑防止条例と強制わいせつ罪の「境界線」もあいまいですが、裁判例によると、「服や下着の上から触った痴漢」は迷惑防止条例違反、「下着の中に手を入れた痴漢」は強制わいせつ罪として立件されるようです。では、どのぐらいの量刑で処罰されるのでしょうか?

警視庁によると、東京都の迷惑防止条例に違反した者は「6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金」。強制わいせつ罪では「6カ月以上10年以下の懲役」 という処罰を受けます。決して軽い犯罪ではありませんね。しかも、人の尊厳を傷つける行為として、近年は重罰化の傾向にあるみたいです。

ちなみに、統計では痴漢被害の発生時間は午前8時台がダントツ。次いで、午前7時台、午前9時台が多くなっています。朝の通勤ラッシュ時は、乗車率100% を越える超・混雑状態が多いわけですが。ぎゅうぎゅう詰めの苦痛に加え、女性は痴漢の恐怖もヒシヒシと感じているわけですね。

一方、男性の場合、痴漢(痴女?)に遭うことは女性に比べて格段に少ないかと思われますが、「身に覚えがないのに痴漢に間違われて逮捕!」なんてケースが実際にあるのは事実。それだけに、ボクらにはまったく関係のない話なんて言ってる場合じゃありませんね。
写真はコンゴ民主共和国(中部アフリカ)の様子。海外にも痴漢犯罪ってあるのでしょうか? ただ、ここまで開放的な満員電車だと、痴漢騒ぎどころじゃなくて命がけで乗らないといけませんよね…。daylife(http://www.daylife.com/)の記事より

痴漢に間違われたときの「あの対処法」は本当に正しいの?



キャ~! チカン!!

という女性の悲鳴に周囲を見渡すと、えっ、指を指されているのは自分!? 説明する暇もなく、周囲の乗客に捕まり、警察に引き渡されるハメに。何でこうなるの?

こんな痴漢冤罪がいまだ後を絶ちません。東京地裁では痴漢冤罪裁判が毎月20件ほど行われており、その数はここ数年変わっていないそうです。

「当方の窓口には、週1件ほどの相談が舞い込んできています。相談を通して感じますが、取り調べにおいて『男性側の言い分はほぼ聞き入れられない』という状況は、まったく変わっていません」(痴漢冤罪ネットワーク事務局)

なかには、示談金を目当てに架空の痴漢をでっちあげる悪質な事例もあるんだとか。いったいどうやって痴漢冤罪を防げばいいのだろう。ネット上であれこれ調べてみたところ、その対処法は大きく次の2つに集約されるようでした。

●正々堂々と身分を明かせ!
「駅の事務室に行くと罪を認めることになるので、名刺を渡すなどして身分を明かし、その場はひとまず立ち去るべき。刑事訴訟法217条により、住所・氏名が明らかな人は現行犯逮捕できないことになっている!」

●とにかく逃げる!
「自分はやっていないと言い張っても、女性や周囲の乗客、警察は聞く耳を持たない。トラブルを回避するなら速攻で逃げるべし!」

この対策は本当に有効? 弁護士の落合洋司氏に聞いてみましょう。

「まず、身元が明らかになっていれば現行犯逮捕されない、というのは誤りです。逃亡の恐れ、罪証隠滅の恐れから現行犯逮捕されることはよくあります。一方、逃げることは犯行を強く推測させるうえ、転落事故などを誘発する可能性もあり、決して得策ではありません」(落合氏)

被害者から問い詰められたら、できるだけ落ち着いて説明し、誤解を解くことが望ましい、と。しかし、真摯な説明もむなしく警察を呼ばれ、逮捕されてしまったら!?

「周囲の人に声をかけ、証人になってくれる人を確保しましょう。逮捕されたら、当番弁護士制度などを利用し、できるだけ早く弁護士を選任しましょう。これで、痴漢したかのような調書を取られたりすることが防げます」(落合氏)

最近では、「被疑者の手の繊維痕」から痴漢行為の有無を鑑定する科学的捜査手法もあるそう。無実を主張するなら、それら科学的捜査の採用を申し出るのも有効でしょうか。

「ただ、犯人に似ているからという理由だけで、事件から数日後に逮捕されたという信じられない事例もあります。対策は『電車に乗らないこと』としか言えませんね」(痴漢冤罪ネットワーク事務局)

といわれても、会社に通っている限り、朝のラッシュを避けることは困難ですよね。「男性専用車両の導入を!」なんて話もチラホラ話題になるようですが、それはそれでまた別の加害者&被害者が発生する気が。

うーん、何とももどかしい。ボクらが取れる対策らしい対策は、普段から女性客のそばを避け、どうやっても触れない状況を強烈にアピールする「バンザイ乗車」しかないのかも!? 痴漢事件の場合、証拠や目撃者が少ないため、
反証(痴漢などしていない! という証明)が極めて困難。
いやぁ、調べてみると「痴漢冤罪」ってのは、本当に怖いですね。

疑われるリスクを完全回避するには、超早起きして
満員電車に乗り込むのを避けるのも手ですが、
睡眠時間をできるだけ確保したいボクらとしては、
ついピーク時の通勤になっちゃいますから。

もちろん、冤罪ばかりではなく本当の痴漢も多発しています。
厳しい取り締まりは欠かせません。
うまく両立させた捜査・立件が望まれるところです。

さて、この連載では皆さんからのトラブル体験談、相談など
投稿をお待ちしております。ぜひお寄せください!!  

では、また!

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