生命保険はボクらを守ってくれるの?

第5回 保険に入れる条件とは?

2009.03.23 MON

生命保険はボクらを守ってくれるの?

保険は誰でも入れるの?



テレビCMでバンバン流れている「誰でも入れる保険」とか「持病があっても入れる保険」。それが“売り”になるんだとすれば、もともと、保険って誰でも入れるわけではないってことですよね? もし、もう保険に入れなかったらどうしよう…。

『生命保険の「罠」』(講談社+α新書)などの著者である後田亨氏によると、健康状態に関係なく、そもそも保険に入るのが難しい職業というのがあるとのことだ。
保険に入るためには、基本的には健康でなくてはいけない。ただ、職業によっては健康でも保険に入れないことがあるようだ
「たとえば、プロレスラーなどの格闘家、レーサー、スタントマン、サーカス団員など、死亡したり、重度の障害を負う可能性が高い職業の人や、風俗嬢、AV男優など、危険な病気をもらうリスクの高い人は、保険会社の方で加入を断ることが多いようです。また、飲酒の機会が多いバーテンダーや、長時間クルマに乗っているタクシー運転手は、保険には入れても入院給付金が制限されるといったことがあります」

職業で入れないこともあるんですね。では、ボクらみたいな一般の会社員の場合、どんなときに保険に入れないのか。結論からいえば、近い将来、保険金の支払いが発生しそうな病気にかかっている人、たとえば、がん、心臓病、糖尿病などの持病がある人は、基本的に保険に入るのが難しいみたいだ。うつ病など精神疾患の人も、長期入院したり自殺したりする確率が健康な人より高いために保険の契約を断られるケースが多い。確かに、保険会社もビジネスでやっているわけだから、保険金を支払う可能性が高い人を無条件に加入させていたら、あっという間にビジネスモデルが破綻(はたん)してしまうので仕方がないことなのだが…。

また、保険の契約を制限するのは、契約者間の公平性を保つためにも大切なことだと、後田氏は説明する。

「健康な人と、持病がある人を同じ条件で保険に加入させたら、病気を抱えている人の方に保険金が支払われる可能性が高くなり不公平です。公平性で一番わかりやすいのは、年齢によって保険料が違うことですね。さらに年齢が同じでもタバコを吸う人と吸わない人で、喫煙者の保険料を割高に設定していることなども、同じ保険料を負担する人の間で保険金支払いの可能性は同程度でなければならない、としているわけです」

そうなんですね。一方で、最近はテレビで盛んに宣伝されているように「誰でも入れる保険」とか「持病があっても入れる保険」といった保険もありますが、これらの保険は不平等にならないんですか?

「健康な人たちとは別枠で料金体系を作っていますから。具体的には、断然、保険料が割高になっているということです。同程度の保障内容でも、通常の保険と比べて保険料が2倍くらいだったりします。たとえば、毎年2週間入院するくらいでは元が取れません。加入後1年間は保険金が半分しか支払われない保険も多いですよ」

う~ん、保険って意外にシビアなんですね。

保険は若くて健康なうちに入っておくべき?



心臓病、糖尿病などの生活習慣病や、うつ病などの精神疾患になると加入を断られるケースが多い保険。つまり、健康な状態でなければ、保険は契約することが難しいようだ。

では、ボクらが保険に入ろうとする場合、健康状態はどうやってチェックされるのか。調べてみたところ、20~30代では問診でOKというケースがほとんど。要するに、保険契約時に聞かれる「5年以内に病気やケガで入院したことがありますか?」といった質問に答えるだけ(これを「告知」という)で済む。

一方、40歳を超えると、保険会社が指定する病院で検査を受けることが義務付けられるケースが増える。メタボリックシンドローム予備軍の割合が増加する40代は、生活習慣病などにかかる危険性が高くなる年代。保険の契約も慎重に判断せざるを得ないというわけだ。

だとしたら、健康な若いうちに保険に入っておいた方がいいんじゃないだろうか。将来、結婚して子供ができたら、万が一、ボクが死亡したときに家族には保険金を残してあげたいし…。そう思ったときに、持病を抱えてしまい保険に入れないんじゃ話になりませんからね。

そこで、『生命保険の「罠」』(講談社+α新書)などの著者である後田亨氏に聞いてみた。やっぱり、若いうちに保険に入っておいた方がいいのでしょうか?

「生活習慣病などにかかる危険性が低い若いうちに生命保険に入っておく、という考え方は確かに一理あります。また、同じ内容の保険でも、20代と40代では、前者の方が60歳までに払い込む保険料の総額が安くなる事実を例にあげて、『お早めのご加入を』と呼び掛けている会社もあります。でも…」

契約時の手続きが簡単で、しかも保険料の総額も安くなる! いいことばかりじゃないですか。何か問題があるんですか?
先行き不透明なこの時代。保険も必要に応じて入るべき!?
「そもそも60歳まで契約を続けた場合という話って、現実的なんでしょうか? 独身時代と結婚・出産を経た後では、保険料の負担感も変わります。別の保険に入り直す人も多いんです。仮に契約期間の終盤で解約金が増えるタイプの保険に入っていたりしたら、意味がない。また、若いうちに入ると支払う保険料の総額が安くなることも、銀行預金と同じように考えてみれば当たり前ですよね。保険会社としては、集めたお金を長く運用できます。見方を変えれば、若い人は保険会社にお金を預けることで、自ら運用する機会を失うんです。その分、保険料は割り引いてもらわないと割に合わないでしょう」

終身雇用と年功序列がある程度約束されていた時代とは違い、いまは30年先に自分がどうなっているかなんてまったくわからない。さらに給料も右肩上がりではなくなったいま、保険料の支払いがつらくなることは十分に考えられそうだ。どうしたらいいんだろう?

「保険に入ることで、一つだけ確実なことってわかりますか? 出費が増えることです。(笑) リスク管理のための先行投資ですから。でも保険金はもらわない人の方が多いわけです。だから、コストにこだわって利用する。期間設定も大事です。30年先はわからないなら、30年先の保障は要らない。10年でいい。その分、浮いたお金を貯蓄する。あるいは自分に投資する。『自分にコストをかけて自分の価値を上げる! すると、給与が増えるから自由にできるお金も増えていく』と考える方が楽しいじゃないですか? 自由になるお金が増えたら、保険はさらに減らせるんですよ。私が若かったらそうしたいです。遊んでしまいましたけどね(笑)」

5年後の未来が想像しにくいボクらの世代。保険の入り方も、そんな時代に合わせてコストにこだわる選択肢の方がよさそうです。 テレビでは「誰でも入れる保険」とか「持病があっても入れる保険」といった保険のCMがバンバン流れていますが、実際のところは心臓病、糖尿病などの生活習慣病になったり、うつ病などの精神疾患にかかると保険に入るのは難しくなるようです。

それなら健康な若いうちに保険に入るべきだと思いましたが、先が見えないこの時代だからこそ、貯蓄や自己投資に回すお金も確保できるように保険を選んでおく必要があることは勉強になりました。

保険だけで考えるのではなく、銀行預金などの貯蓄も含めて将来に備えることが大切なようです。

ところで、皆さん、生命保険を選ぶ際にどんな点を重視されますか。営業の方の人柄ですか、それとも手厚い保障内容ですか? 今後の調査の参考として、ぜひ教えていただけないでしょうか。投稿をお待ちしています!

取材協力:後田亨氏

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