今日から始める“エコモテ”生活

第3回 究極!“黄金”を埋めてモテる!

2009.04.14 TUE

今日から始める“エコモテ”生活


“はなさかじじい”ならぬ“キノコぼうや”としての童話的パフォーマンス。乙女心に火をつけちゃうぜ! イラスト:沼田光太郎

キレイな水、電気、紙… トイレは贅沢のかたまり!?



※以下、排泄にまつわる言葉・表現が多数出てきます

ボクの名前はアサハラヒ♪ この森で遊ぶのが大好きなんだ。モグラもイノシシも、み~んなボクの友達さ。あ! 見て、ルーシー。この前ボクがウ○チしたところに、ダイアモンドキラキラキノコが生えてるよ、あっちのウ○チに生えてるのはピンキーラブラブダケ。キレイだなぁ♪ ほら、キミも早くこっちにおいでよ。あはははは! 「もう、待ってよアサハラヒッ! ウフフ(かわいいヒトね)」

うん。春ですな!
どこまでもイマジンが膨らみます。
いまのボクなら野グ○、あらためNGSでネバーランドをつくれちゃうかもよ!
止めないでお母さん! ボクはモテたいんだよー!

1週間前。

近ごろエコとモテのことばかり考えているボクは、その日も朝からトイレのついでに、エコでモテるためのアイデアをひり出そうとしていた。次はなにでエコろうか。やっぱり身近なところからエコらなきゃだめだよな。う~ん。

ん? トイレ!?

そのとき、ボクは気づいたのだ。こんなにも身近に、エコるべき素材があったことを! キレイな水、トイレットペーパー、それに電気大事に使うべき3つのものが、このトイレという狭い空間でフルスロットルで使用されているのだ。地球にやさしいエコ・ガイとして、これは見逃せないんじゃないか!?

そこで、トイレから環境問題を考えることをテーマに1985年に設立した「日本トイレ協会」を訪問。

「私たちはトイレに、愛を。をスローガンに掲げ、トイレからCO2削減を始める運動を展開しています。たとえば今年の2月からおよそ1カ月、トイレットペーパーのや水の節約を促すトイレの詩シールを作成しました。今年の2月からおよそ1カ月、そのシールを各地に設置するキャンペーンを行ったのですが、トイレットペーパーの使用量が1~2割削減されたトイレもあったんですよ」

と、会長の加藤 篤さん。研究所では、自主制作のCD『うんちっち!のうた』や、オリジナルトイレットペーパーの制作などのさまざまな活動を通して、トイレへの愛を呼びかけているという。愛ボクにはなにができるだろう。

調べてみると、日本の水洗トイレの歴史は古く、販売が始まった1920年頃には1回に20リットル前後の水が使われていたようだ。近年では大で6リットル前後、小で4リットル前後になっている。古いままの便器なら、エコのためにいっそ取り替えるというのもひとつの選択肢かもしれませんな。排泄の音を気にして3回水を流す人もいる日本人は特に気をつけたいところです。
また、日本人のトイレットペーパー使用量は、1人当たり年間55ロール前後で、出荷量はこの10年間で14%伸びているというデータも。背景として、公共トイレの増加が取り上げられているようだ。

なんだか、普段から節水やトイレットペーパーの削減を心がけていないと、ボクたちは知らず知らずのうちにムダ使いをしているのかもしれない。まずは意識することが大事なのね。

さらに、水洗トイレには、下水処理場の汚泥処理という問題もある。というのも、産業廃棄物でもっとも量が多いのは下水汚泥なのだ。産業廃棄物発生量は約4億トンでそのうち下水汚泥は7,500万トン、約19%を占めるとか。その汚泥は、一部が堆肥などに利用されているものの、大部分は焼却したり埋立てされている。焼却すれば大量のCO2が排出されて地球温暖化につながるし、埋立てた汚泥は地下水に浸透して水質汚染を招いているといわれている。そもそも、日本では新しい埋立て地を確保するのが困難な状況でもある。焼却した灰をセメント原料にする等の再生利用の方法は進みつつあるものの、下水道はそういった廃棄物問題の要因のひとつだったのだ。

つまり、ボクたちが水洗トイレを使ってウ○コを出し続ける限り、これらの問題は解決しない。いっそのこと、自分のウ○コを使って家庭菜園を始めるか!? どうすりゃいいんだ!? 毎日毎日、微妙な罪悪感にさいなまれながら用を足すのはイヤだよ~~!
NGSのときに見張り役として活躍する愛犬とともに、自宅の庭でお尻を拭くフキをセレクトする伊沢さん

気持ちよかった初体験 “伊沢流NGS”はエコだ!



※以下の文章には、前半に増して排泄にまつわる言葉・表現が出てきます

トイレットペーパー、大量の水、電気、廃棄物問題。水洗トイレは衛生面ではきわめてすぐれたシステムだが、その代償として環境にかける負荷は小さくない。だったら、水洗トイレを使わなければいい!
よし、噂の糞土師(ふんどし)、伊沢正名さんに師事して、野グ○、あらためNGSの神髄を学ぶことにしよう。果たしてその正体は、仙人か妖精か、それともいわゆる変態か? NGSを始めて35年、自らのウ○コを1万回以上大地に還元してきたという伊沢さんならば、きっと悩めるボクをトイレの環境問題から解き放ってくれるはずだ。えーとボク、方向性的に間違ってませんよね?

ウ○コを通して自然の摂理を教え、現代人の生活の在り方を問う。それが糞土師を名乗る伊沢さんの仕事。自らのウ○コ写真を使った講演や、35年のNGS生活を綴った本『くう・ねる・のぐそ』の執筆など、精力的な活動を行っているという。

都心から電車を乗り継いで2時間半、茨城県のとある町に到着。田んぼ道を歩くことおよそ20分、やっとのことで伊沢さんのご自宅へ。奥さんとともに笑顔で迎えてくれた伊沢さん普通のやさしそうなおじさんだ。この人、本物か? NGS好きには見えないんですけど!

「そもそも私は1970年から自然保護運動を始めつつ、キノコ専門の写真家として活動していました。つまり、山中で過ごす時間が長い活動の都合上、最初はやむを得ず自然のなかで用を足していたわけです。ただ、次第にそのことの意義に気づいていって、いつしかトイレを使わなり21世紀に入ってからというもの、一度もトイレで用を足していません(笑)。2006年から糞土師を名乗って、専門家として活動するようになったんですよ」

本物だ。この現代でトイレを使わないエコな人が、ここにいた。

「よく変人だと間違われるんですけどね(笑)。糞は自然に返した方がいい。それが私の持論です。まず、自然のなかで用を足すと、糞にハエや獣が集まります。やがて、糞のなかで菌類が成長してキノコやカビ、コケなどが生えてくる。キノコによって分解された糞は土の養分となり、草木の生長を助ける。このように循環していくのです」

NGSの意義を熱弁する伊沢さんにリアルな写真を見せてもらって驚いた。たしかに、ウ○コの上にクリスタルのように透き通ったカビや、赤、青、黄の色とりどりのキノコが生えている。実に神秘的! ウ○コの上に、バラよりも美しい生命が誕生するなんて! ただ、そのようなカビやキノコが生えるのは特殊な例で、ほとんどのウ○コは地味な菌に分解されて土に還るという。また、どこでもNGSをしていいわけではない(当たり前だけど)。

「無条件で行うと、かえって自然を痛めつける危険性もありますからね。とりわけ高山帯では気象条件の厳しさに加え、動植物や菌類などの生物相も貧弱で、糞尿の分解能力は低い。しかし、近年の登山ブームでは、特定の山域に登山者が集中し、そこでの分解能力を越える糞尿が置き去りにされているんです。私は自分が埋めたところに印をつけて、定期的に掘り返してちゃんと土に還元されているかどうかをチェックしているんですよ」

安心してNGSができるかどうかが生活の基準だという伊沢さんにとって、都会暮らしは「考えられない」という。なるほど、エコ界で一旗揚げるためには、ここまでの覚悟が必要なのか。師匠、せめてボクにも1回、NGSを体験させてください!
NGS開始3分前。辺りには師匠の“跡地”がたくさん
30分後。

伊沢さんの自宅から徒歩10分ほどの森のなかで、文字通りウ○コ座りをするボク。右手にはフキやタンポポの花に、雑草の束。自然に分解されにくい紙を使わず、必ず現地で葉っぱを調達して使うのが伊沢さん流。とことんエコなのだ。
左手にはペットボトルに入った水。これは、葉っぱで拭いたあとの肛門を指で(!)洗い流すため。疑うな、オレ。きっと上手に洗えるさ!
尻を出してスタンバイ。雑念を捨て、5感を研ぎ澄ます。

木々のせせらぎが聞こえてくる。『緊張しないで♪』。
春風がやさしく尻を愛撫してくれる。『ほら、早く出しちゃいな』。
目の前のハエだってボクのサポーターだ。『おっきいのをちょうだいね!』。
いま、僕と母なるガイアはひとつになろうとしている愛。愛なんだね。
あ、あああお母さーん!

ボクは出したよ。それはそれは、元気な子が生まれたよ。
その子にコアサハラヒと名付けたよ。

感動の初体験を済ませたあとは、いよいよボクのお尻と、
うぶ毛が生えたフキとのご対面だ。
こ、これは!?
う~ん、フェザータッチ。

100%自然素材の感触は意外なほどにマイルドで、タンポポの花でも雑草の束でもしっかりと拭える。これは病み付きになりそうだ。水による指洗浄を済ませれば、指にまったくにおいは残らない。土に埋めて、目印として小枝を刺しておく。コアサハラヒにもキレイなキノコが生えますように。伊沢さんとがっちり握手。そして抱擁。そしてボクは東京に帰った。

さようなら、伊沢さん。
さようなら、母なる大地。
そしてさようなら、マイサン!

都会での快適な暮らしとエコを両立させるのはなかなか難しい。
なんの疑問を抱かずにしている様々な生活行為が、
なにかしらの影響をどこかに与えているのだ。
そんなことを痛感した、2009年の春。
誰か東京でボクとエコNGS生活してくれる女子はいませんか?
いないか! 誰も見ていないところでもエコを実践できる男はかっこいい!
個人個人のレベルでエコを考え、それを実践していけば、
いずれは大きな結果を生んでいくかもしれません。
日常の排泄行為についてなんて真剣に考えたこともなかったけど、
こんな身近なことでも、エコの可能性を秘めているんだなぁと、
それを学べたことが今回の収穫です。
モテには結びつかなそうだけど。

さて、だんだんとエコの基礎体力がついてきた今日このごろですが、
まだまだモテにはほど遠いみたいです。
ボクはどうすればエコでモテるんでしょう?
それとも、なにかボクの知らないエコ・アクションが
世の中にはまだまだあるんでしょうか?
悩めるボクにヒントをください!

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