カラダ資本論

第4回 肝臓に無理させていないかな?

2009.07.24 FRI

カラダ資本論

スロートレーニングでの脚力の鍛え方参考になりました!見ていてふと思いました。僕の働いている会社はデスクワークで肩がすごく凝ります。このスロートレーニングで肩の凝りを解消できませんか? できるのなら実践してみたいです!

「tsuki」さん(20歳/東京都/男性)

tsukiさんのおっしゃる通り、デスクワークの多い職場では、脚力だけでなく肩こりも悩みのタネですよね。脚力の回でお話を伺った東京大学の石井直方教授によれば、スロートレーニングのスクワットは、脚力および全身の運動になるそうなので、肩こり解消にも役立つかもしれません。でも、もっとピンポイントで肩こりに役立つ方法があると思いますから、それは今後の宿題ということで。tsukiさん、それまで待っていてくださいね!

今回は、ビールがおいしい季節だけに、飲み過ぎがちょっと気になる「肝臓」について調べてみました。いつまでも気持ちよくお酒が楽しめるように、肝臓にやさしい暮らし方を勉強してみましょう!
“沈黙の臓器”といわれる肝臓だからこそ、自覚症状があらわれたら怖い。定期的に血液検査などを受けてチェックするのがベストですが、「お腹が張る」「手のひら・鼻の頭が赤い」「顔・白目が黄色っぽい」「体がかゆい」「横になってもだるさがとれない」という症状がある人は、肝臓疾患の疑いがあるそうです。

お酒は飲みたい!でも肝臓は気になる…



仕事終わりに飲む冷えたビールがおいしい、今日このごろ。最近は、ハイボールやホッピーなんていう昔懐かしいお酒が流行っていたりして、ビール以外にも楽しみがあるのはうれしいものです。

でも、「仕事が終わった=お酒のはじまり」が習慣になってしまうとマズい気がします。特に怖いのは肝臓ですが、ぶっちゃけ、どれくらいなら飲んで大丈夫なんでしょうか? 『人生の幸せは肝臓で決まる』(青萠堂)という著書のある医師・阿部博幸先生に聞いてきました。「体質によってお酒に強い人と弱い人がいますから、一概にどれくらいなら大丈夫とはいえませんが、一般的に3合以上の日本酒を毎日飲んでいると肝障害が起こるといわれています」

体内に入ってきたアルコールは肝細胞内で分解されるのですが、このときにアセドアルデヒドと呼ばれる有害物質が生成されてしまいます。お酒が強いか弱いかを左右するのは、このアセドアルデヒドを分解する能力の差。日本人の約半数は、欧米人に比べて分解能力がそれほど高くなく、そのうちの約1割の人はほとんど分解できない体質なのだそうです。

「肝臓がアルコールを処理する能力は決まっていますから、その能力を超えるほどのお酒を飲めば肝臓の負担になります。お酒を飲んでいて頭痛や動悸が起こったりするのは、分解されなかったアセドアルデヒドの作用によるもの。さらに飲み続ければ、吐き気やめまいが起こるはずです。沈黙の臓器ともいわれる肝臓がここまでのサインを出すのは、やはり肝臓の負担になっているから。こんな症状が出る前に飲むのをやめましょう」

肝臓が沈黙の臓器といわれるのは、肝細胞の7割近くが壊れても自覚症状があらわれないため。自覚症状が出て、気づいたときはアルコール性肝炎を通り越して肝硬変になっているなど、取り返しのつかないことになっていることも多いのだそうです。
阿部博幸(あべ・ひろゆき) 九段クリニック理事長・医学博士 今回お話を伺った肝臓に限らず、あらゆる面から人にやさしい医療、人生の幸せに結びつく医療を目指して日夜取り組んでいる。著書に『男40歳からの「からだ」の警報』(講談社)、『インフルエンザのように がんは「ワクチン療法」で解決できる』(青萠堂)などがある。
じゃあ、お酒の飲み過ぎさえ気をつければいいのかといえば、そうではないと阿部先生はいいます。働きざかりのビジネスマンに気にしてほしいポイントを、教えてもらいました。

「アルコールを分解するのと同じように、肝臓では脂肪分の処理も行っています。しかし、過食や脂っこい食事によって脂肪を処理しきれなくなれば、肝細胞に中性脂肪がたまってしまい、フォアグラのようになる脂肪肝という病気にかかります。だから、脂肪分のとりすぎには注意。また、意外と見落としがちなのが、ウイルス性肝炎です。C型肝炎は輸血や注射器の使い回しによって感染するので、輸血経験のない人は油断しがちですが、40歳以上の人は小学校時代の集団予防接種によって感染しているケースもあります。ウイルス性肝炎は普通の血液検査では分からないので、40歳以上の人は、一度ウイルス検査を受けることをオススメします」ちなみに、A型肝炎は飲食物を介して感染するタイプで、日本の衛生状況が良くなかった時代に大流行したため40歳以上の人はほとんど抗体を持っています。ですが、40歳以下の人は抗体を持っていないので、海外旅行先で感染するケースが多いそうです。また、B型肝炎は性交渉、ピアス、タトゥーなどで感染し、自覚症状がないために感染を広げてしまう恐れがあるとか。

今は症状が出ていないだけで、もしかしたら結構ボロボロかもしれない肝臓。本格的にダメになってからでは遅いので、定期的に検査をして、一刻も早くダメージに気づきたいものですね!
弱った肝機能を修復するならシジミ。お酒を飲んだ後や翌朝に味噌汁にして飲むと、二日酔いの症状緩和に役立つそうです。シジミ成分は水分中に溶け出すので、酒蒸しなどの場合は汁まで残さず飲むこと。

今すぐ始めたい肝臓にやさしい毎日



肝細胞の約70%が壊れていても、自覚症状としてあらわれない沈黙の臓器肝臓。手遅れになってしまう前にどうにかしたいので、九段クリニックの阿部博幸先生に、お疲れ気味の肝機能を回復する方法を教えてもらいました。阿部先生によれば、一番のポイントは、お酒と食生活にあるということです。

「お酒を飲むときは、肝臓のアルコール処理能力を超えないように飲む。一般的には、10ミリリットルのアルコールを処理するのに1時間かかるといわれています。日本酒なら、1合を3時間程度で飲む計算です。一晩に飲んでいい目安としては、日本酒なら2合、ビールなら大ビン2本、ウイスキーならダブルで2杯ですね」

う~ん、それではちょっと物足りないですね。なんとか、もうちょっと増やせないでしょうか。

「あまりたくさん飲むことは勧められませんが、飲み過ぎたお酒の分、肝機能の働きを助けるような食品を摂ることでカバーすることはできます。ただし、週2回の休肝日をもうけることが条件ですよ」

肝機能を修復する食品として、阿部先生が真っ先に挙げたのが「シジミ」。シジミの中にバランスよく含まれている必須アミノ酸やビタミンB12、グリコーゲン、タウリンといった成分が、アルコールの分解作業で弱った肝細胞を修復し、肝機能を回復させてくれるのだといいます。

シジミと同じように、肝臓の機能を回復させる成分を多く含むのが、カキ、柿、大根、ネギ、栗、ハチミツ。これらはL-システインという、肝臓の代謝にかかわる酵素を活性化するアミノ酸の一種を多く含んでいて、二日酔いや疲労の回復にオススメだそうです。

それから、最近サプリメントやドリンク剤などにもなっている「ウコン」は、やはり肝臓の強い味方だそうで、お酒を飲む前に飲むのが効果的だとか。

最後に阿部先生は、肝臓にやさしい食生活として「便秘にならないように食物繊維をしっかり摂る」というポイントも挙げていましたが、便秘と肝臓に関係などあるんですか?

「便秘になると、腸内にアンモニアが発生します。そのアンモニアは血中に吸収されて最終的に肝臓に届き、肝臓の負担を高めてしまいます。腸の調子を整えることは、肝臓を整えることでもあるんですよ。さらに、寝不足やタバコ、ストレスといったものも、肝臓への血流を阻害する要因となるということを覚えておきましょう」

肝臓はアルコールを分解する以外にも、赤血球の分解、毒素の解毒、栄養の分解・合成・貯蔵など多くの働きを司っていて、生体の化学工場という別名も持っているそうです。そのどれが損なわれても困りますが、とにかく「もう一生お酒を飲んじゃダメ!」と言われないように、お酒の飲み方と食生活は、一度見直した方がいいかもしれませんね。 今回、お話を伺った阿部博幸先生は「肝臓のためにはお酒の飲み過ぎはダメ!」と言いつつ、ご自身もかなりお酒がお好きな様子。そのために、飲酒前にウコンを飲んだり、高価な高麗人参を飲んだりしているのだとか。

専門家が実践しているのなら、効果がありそうですし、飲む前にウコンを飲むくらいはしておこうと思いました。肝機能が高まれば、アルコール処理能力も上がって、二日酔いにもなりにくくなるそうですし(それ以前に飲み過ぎないことですが!)。

ストレスが多い世の中、仕事終わりの一杯ぐらい楽しみたいですよね? 皆さんも、くれぐれも飲み過ぎには注意して、末永くお酒を楽しめるカラダでいましょうね。

「実は、お酒の飲み過ぎで体調を崩して」「健康診断で脂肪肝気味と言われた」といった皆さんの体験談も教えてください。もちろん、カラダの話題ならなんでも、メッセージを送ってください。お待ちしています!

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