生命保険はボクらを守ってくれるの?

第14回 保険の勧誘ってどう断ればいいの?

2009.08.24 MON

生命保険はボクらを守ってくれるの?

保険の営業担当に「時間がかかる客」と思わせる!



保険の勧誘って、一般的には「しつこい」というイメージが強い。こちらとしては断ったつもりなのに、こりずに何度もやってくる。本当はじっくり考えて、自分に合った保険を慎重に選びたいのに、そのうち営業担当に根負けして、不本意な保険に入ってしまうケースも少なくないようだ。

知り合いのKさんも、営業担当の熱心な勧誘に根負けしてしまったひとり。


・Kさんの体験談
私の職場には、毎日のように保険営業の女性がやってきました。第一印象は、なかなか感じのいい女性だったので、勧められるがままに旅行のクーポン券が当たるキャンペーンに応募してしまったんです。その際、生年月日や住所、電話番号などを応募用紙に記入したのですが、1週間後、「あなたに最適なプランをお持ちしました」と、いきなり生命保険の見積書を持ってこられてびっくり。保険に入るつもりはないとやんわり断ったのに、その日以降、顔を合わせるたびに、「ご検討いただけましたか?」と聞かれます。ついには自宅にまで電話をかけてきたので、月に1万円くらいの保険料ならまあいいかと、彼女の勧める保険に入ってしまいました。いまは、本当に必要だったのかと後悔しています。


保険の営業担当が感じのいい人だと、断り続けている側に申し訳ない気持ちが芽生えてきて、それがストレスになることもあるらしい。こういう場合は、いったいどう対処すればいいんでしょうか。

「基本はきっぱり断ることですが、あまりにしつこく勧誘してくる保険の営業担当には、契約するまでに時間がかかりそうなお客さんだとか、なにかと面倒くさいお客さんだと思わせるのが有効ですね」。そう教えてくれたのは、『生命保険の「罠」』(講談社+α新書)などの著者であり、生命保険事情に詳しい後田亨さん。
会社勤め=収入が予測できる、社会人経験が浅い=保険に詳しくない、若手=まだ健康に不安がない、という理由でボクらR25世代は保険の営業担当にターゲットにされやすい存在かも!?
「保険の営業担当にとっての“いいお客さん”とは、健康で、比較的収入が安定していて、保険に関する情報が少ない人。お客様が本格的な比較検討を始めると時間がかかってしまうんです。これらの条件に当てはまる人がいれば、保険の営業担当は必死にアプローチしてくるはずです」

会社勤めで、社会人経験が浅く、まだ健康に不安がない若手社員なんて、まさに“いいお客さん”なんですね。

「逆に、これらの条件に当てはまらなければ、保険の営業担当はその人を敬遠します。例えば、時間がかかるばかりで成約が見えてこない人などは避けたいところです。一定期間内に成績が挙げられなければ、報酬が下がりますから。『質問攻め』なんかは有効ですね。『健康なうちに入ろう!って言われますけど、数年後に健康上の理由で入れなくなる確率はどのくらいですか?』『今、保険会社は何社あるんですか? その中で、あなたが推奨する保険を選ばなければならない理由は? 全社の比較表はないんですか?』『約款を最初のページから読んで解説してもらえますか?』などと言ってくる人がいたら、私の場合、こちらから失礼したいですよ(笑)」

保険について知識がないことを逆手にとって、素朴な疑問を次々にぶつけるわけですね。これは、いい方法かもしれません。とりあえず、「約款」という、熟読するには大変な冊子があることは覚えておきたいものです。

知人からの勧誘にはより強い人間関係で対抗!



しつこい保険の勧誘も困りものですが、友人知人などの人間関係を介しての保険の勧誘も、なかなか断りにくいもの。立場上、保険の営業担当の話を聞かないわけにはいかないし、むげに断って人間関係にヒビが入るのも嫌だし…。食品メーカーの営業部門で働く知り合いのSさんも、半年前、人間関係のしがらみから、入りたくもない保険に入ってしまったとか。


・Sさんの体験談
半年ほど前、上司の紹介で保険代理店の男性と会いました。上司は「得意先を紹介してくれるはず」というし、無理には断れなかったのです。ところが、いざ会ってみると、ボクの年齢や家族構成、毎月の収入まですべて把握しているようで、「いまどき毎月1万9800円の保険料でこれだけの保障がついた保険はほかにありません。あなたの上司の××さんは同じ保険会社の保険に毎月4万円払っていますよ」などと、暗に上司の存在を持ち出してプレッシャーをかけてくるのです。上司には日ごろからお世話になっているので、そのときは相手の勢いに押されて契約してしまいましたが、なんだか上司にだまされたような複雑な心境です。


Sさんのケースのように、会社の上下関係や友人知人関係を利用して契約を迫る保険の営業担当も少なくないらしい。こんなとき、どうやって断ればいいのか、『生命保険の「罠」』(講談社+α新書)などの著者である後田亨さんに聞いてみました。

「保険の営業担当が人のつながりを利用して契約を迫ってきた場合は、それよりももっと強力な人間関係をアピールするのがいいでしょうね。人間関係でいえば、知人より上司、上司より親の方がより強固ですから、たとえば『親が保険の代理店をやっている(保険に詳しい)ので、保険のことはすべて任せている』などといえば、相手もあきらめてくれる可能性が高いと思います」

後田さんによれば、職場での保険の勧誘には、ほかにも注意すべきことがあるらしい。

「職場が特定できれば、そのお客様の収入もある程度把握でき、月々支払える保険料も算出できます。すると、その払える保険料の上限ギリギリで、見積もりを作ってくるパターンが多いのです。その際、『そのお客さんにはどんな保険が必要か?』よりも『そのお客さんは保険料がいくら払えるか?』をベースに勧める保険が決まるので、高給取りの人ほど高額な保険を勧められることが多いですね。福利厚生制度が充実している企業などでは、高額な保険は必要ないこともあるのですが…。職場がらみで保険を勧められた場合は、それが本当に必要な保険かどうか、よくよく見極めなければなりません」

また、勧誘を避けるためには、保険会社の各種アンケートに安易に生年月日を記入するのも気をつけた方がいい。
氏名、生年月日だけで、いきなりボクらの保険加入プランが提示されることもある。たいしたことはないと思っても、個人情報を記入するときは慎重に…
「生年月日がわかれば、保険の設計書を作成することができます。でも、一般の方には意味不明な内容のものが多いんです。で、『何がなんだか…』と戸惑う人には『私に任せてください』『皆さん、これくらいのプランに加入なさっています』といった展開が待っているんです」

ボクらのなにげない行動が、営業担当のセールストークのきっかけになっていたとは…。生年月日くらいと思っていましたが、これからは気をつけます。 今回は保険の勧誘の断り方を調べてみましたが、実は営業担当にとって、会社勤めで、社会人経験が浅く、そして若い、ボクらR25世代って魅力的な潜在顧客だったんですね。どうりでよく勧誘されると思いました。

これからは今回の調査を参考にしながら、営業担当のセールストークをかわしながら、自分に最適な保険を自分の目で選ぼうと思います。

ところで営業担当に勧められるがままに入った保険の契約を見直すのも、それはそれで大変ですよね。そこで今後の調査の参考に、あなたが保険を見直すきっかけになったことがあったら教えてください。よろしくお願いします。

取材協力:後田亨氏

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