実はカー用品メーカーが最初だった!

自動販売機の普及がきっかけ!?ドリンクホルダー進化の歴史

2009.09.01 TUE


1977年から売れ続けている「ZAX14型」の当時のカタログから。現在でもデザインを変えて売れ続け、累計出荷数1000万個を超えるベストセラー商品だ
ドライブ中に何気なく使っているドリンクホルダー。いまでは、ほとんどのクルマに標準装備されているが、最初はカー用品メーカーが独自に開発したものだったらしい。

「ドリンクホルダー第1号が登場したのは、1975年ごろだったと思います」。こう語るのは、大手カー用品メーカーのカーメイト代表取締役会長兼社長・村田隆昭さんだ。

「ドリンクホルダー第1号は当社製ではありませんでしたが、ドアに装着するタイプでした。ところが、車を乗り降りするときに邪魔になったため、あまり評価されず、短期間で市場から姿を消してしまったようです」(村田さん)

しかし、1975年は缶ジュースの自動販売機が全国で急速に普及し始めたころ。カーメイトでは、ドリンクホルダーのニーズは必ず生まれると考え、商品の開発に取り組んだ。こうして1977年に発売されたのが、クルマの乗り降りの邪魔にならない折りたたみ式の「ZAX14型」。ハンガー(ベロ状に延びた鉄板)をユーザーが折り曲げ、ドアウインドウの隙間に差し込んで固定するタイプで、どんなクルマにも装着できた。この使いやすさが好評で「ZAX14型」は爆発的に売れ、「ドリンクホルダー」という名称も一般名詞化していく。

「ZAX14型」発売後、ダッシュボードに貼りつける置き型タイプ(1978年発売)や、現在の主流であるエアコン吹出し口装着タイプ(1988年発売)など、ドリンクホルダーには様々なタイプが開発される。

「ドリンクホルダーをエアコン吹出し口のフィンにクリップで装着すれば、飲料への一定の冷却効果が得られます。ドリンクホルダーは、このように車内での装着場所を進化させながら、同時に飲料の様々な形状にも対応するようになっていきました」と語るのは、カーメイトのマーケティングディレクター・赤石賢士さん。

たとえば、ドリンクホルダーが登場してしばらくは缶だけが収まればよかったが、500mlペットボトルが普及し始めた1997年以降は、ペットボトルへの対応も考慮しなければならなくなった。なおカーメイトでは、2004年から500ml紙パック対応のドリンクホルダーを発売しているが、これは「学生時代、コンビニで98円のマミーをよく買っていた」という、赤石さんの意向が大きく反映しているんだとか。また、最近は飲料だけでなく、携帯電話やタバコも同時に置ける多機能タイプのドリンクホルダーも増えてきている。

カー用品としてのドリンクホルダーでは、どんなクルマにも適合するという汎用性がもっとも重要。そこでカーメイトのドリンクホルダー開発スタッフは、モーターショーにはかならず足を運び、新車のエアコン吹出し口の形状をチェックするらしい。「場合によっては、データを取るためだけに新車を購入することもありますよ」と、村田さんは言う。

ドリンクホルダーだけでなく、いまでは装備されて当たり前の、頭部を支えるヘッドレストも、ドアミラーも、ハイマウントストップランプも、もともとはカー用品として開発され、それを自動車メーカーが純正品として採用するようになったものらしい。カー用品メーカーのすぐれた提案力があったからこそ、ボクらのカーライフはこんなにも豊かに進化したのである。

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