カラダ資本論

第8回 下半身の元気、自信ある?

2009.09.18 FRI

カラダ資本論

毛深くなるって事は、肌弱ってるんですか??

「け~」さん(愛知県/18歳/男性)

皮膚の健康に関してアドバイスをしていただいた皮膚科医の小林美咲先生によれば、皮膚を強くこすったり常に圧迫したりすると、皮膚が厚くなったり黒ずんだりしてしまうほか、体毛が太くなってしまうとのことでした。なので、「毛深くなる=肌が弱っている(強い刺激を受けている)」可能性はあるようです。お肌の負担、ちょっと考えてみるといいかもしれません。

今後も、け~さんのようなメッセージをお待ちしていますね!

さて、今回は男性の下半身について。男性である以上、下半身の元気には関心があると思いますので、男性生殖器および男性ホルモンについて調べてみました。「まだ大丈夫でしょ」と思っている若い男性も必読です!
「泌尿器」は腎臓や尿管、膀胱など、尿を作り出す器官を指しますが、「泌尿器科」では男性生殖器も診療対象となります。女性も受診しますが、男性が中心であるため、近年注目を集めている「メンズヘルス」を行う泌尿器科も増えているそうです。

「元気な下半身」とはどんな状態?



20代から30代の男性の多くは、まだまだ自分の男性機能に不安など感じていませんよね? とはいうものの、男性の下半身の元気さに関しては興味ありません? 女性の私にはそもそもよく分からないことなので、帝京大学医学部附属病院泌尿器科の堀江重郎先生にお話を聞いてきました。「目に見える部分に関していえば、10代のころと変わらずに勃起しているなら『元気』だといえます。ただし、持続時間が短い、性交渉の途中で萎えてしまう、日によって勃起しないことがあるといった症状があるときは、EDの疑いがあります」

ED(Erectile Dysfunction)とは、日本語で「勃起不全」。まったく勃起しないなら完全なEDだというのも分かりますが、そうでなくてもEDの可能性があるなんて、知ってました?

EDは心因性の病気だと思われてきましたが、実は血管の病気であることがほとんどなのだとか。極度のストレスによって交感神経ばかりが活性化して、勃起しにくくなることもあるそうですが(射精の瞬間は交感神経が働きますが、勃起するときはリラックスしていて副交感神経が働いている状態でないとダメ)、男性器の動脈硬化によって起こる病気がEDなのだそうです。

「男性器の血管(陰茎海綿体や陰茎深動脈)は心臓や脳よりも細くてデリケートなので、血管の異常はまず最初に男性器にあらわれます。40代で心筋梗塞や脳梗塞などにかかった人の多くは30代のときにEDを発症していますし、糖尿病やメタボリック症候群の人もED気味。男性器は、男性の健康状態を知るバロメーターなのです」

堀江先生によれば「勃起しないとか途中で萎えてしまうなどで一度でも性行為ができないことがあったら、泌尿器科を受診してほしい」そうで、「今日は疲れているから仕方ない」なんて思っているせいで、重大な病気を見落としてしまうのが怖いといいます。

「10代のころを思い出してください。たとえタイプの女性でなくても、疲れていても、どんな状態でも下半身は反応したでしょう? 男性器に血液が集まって起こる反応が勃起なのですから、精神的な理由だけで勃起しないということなどありません。それよりも体内の活性酸素による酸化ストレスによって血管が損傷している可能性が高い。そういった症状が病気と呼ぶほどではないにしても、もう若くないのだということは自覚したほうがいいですね」

また、EDに関係しているのが、精巣で作られる男性ホルモン(テストステロンなど)。テストステロンには、骨や筋肉の成長や精神活動(やる気や冒険心など男性的なものの考え方)を活発にする働きがあるだけでなく、血管の健康維持にも大切な役割を果たしているのだそうです。

なので、男性ホルモン値が下がると、EDになりやすくなる。逆に、男性ホルモンの値が高いと、骨や筋肉が大きく、決断力や冒険心のある、肉体的にも精神的にも「男らしい」男性になるということが分かっています(ある研究によると、儲かっている株式トレーダーほど男性ホルモン値が高かったのだとか!)。

性行為だけでなく、男性らしさや全身の健康にも大きな影響を与える男性器。「英雄色を好む」といいますが、できるオトコは、やっぱり下半身が元気な人のようですね。
帝京大学医学部附属病院泌尿器科の堀江重郎教授。泌尿器を中心に、幅広い分野から男性の健康医学にアプローチ。日本初のメンズヘルス外来を開設した。

下半身が元気になれば男らしさが増す?



男性と女性の一番の違いは、ズバリ「生殖器」にありますよね? 男性にしかない「男性器」は、男らしさの象徴であるだけでなく、骨格や精神面での男らしさにも大きな影響を与えているのだそうです。男性の骨格がたくましく、精神構造においても競争や冒険を好む傾向にあるのは、精巣で作られる男性ホルモン(テストステロン)の働き。男性器の元気さにも男性ホルモンは関係してくるそうですし、男性ホルモンがバンバン分泌されるようになれば、もっと男らしくなるわけですよね? では、どうすれば男性ホルモンが活発に作られるようになるのか、帝京大学医学部附属病院の堀江重郎先生に教えてもらいました。

「男性ホルモン値を上げるために大切なことは、バランスのとれた食事をすること、ストレスを減らしてリラックスすること、良い睡眠をとること。これらは男性ホルモン値アップと同時にED(勃起不全)にならないためにも重要です」

偏った食事によってメタボ気味だったりすると、男性ホルモンの分泌が悪くなり、動脈硬化が起こってEDになりやすくなるそうです。栄養バランスを考えた食事をとることはもちろん、卵、肉類、魚、豆類など、必須アミノ酸のバランスが良い食材を積極的に食べるようにすることも男性ホルモン値回復には効果的だといいます。

また、男性ホルモン値が回復するのも、勃起しやすくなるのも、副交感神経が活発なときや夜中の睡眠時。だから、リラックスした状態と良質な睡眠がとても大切なのだといいます。性行為のときは性的に興奮しているので「臨戦態勢=交感神経活発」と思いがちですが、勃起を維持している間に活性化しているのは副交感神経。性行為において交感神経が活発になるのは射精の瞬間だけなのだそうです。
堀江先生の著書。『ササッとわかる男性機能の不安に答える本-ED治療の最前線』(講談社)、『ホルモン力が人生を変える』(小学館101新書)。
「特に、男性の場合は『自分の居場所』がないとダメ。女性はどこでも自分の居場所にしてネットワークを張り巡らすことができますが、男性は違う。会社でも家でも、どんなに小さなスペースでもいいから『ここはオレの場所だ』といえる場所を作っておくと、そこでは交感神経の緊張を和らげることができます」

ゴルフをしたり麻雀をしたり、男同士で集まって、いかにも男臭い趣味に興じることが男性ホルモン値アップにはとても効果的なのだとか(「男同士で集まる」がポイント!)。また、競い合ったりギャンブルをするのもいいし、徹底的に凝りまくった趣味(模型作りなど)もいいそうです。そもそも、男性が男臭い趣味を好むのは男性ホルモンの影響らしいのですが、男同士で楽しむことで男性ホルモン値もアップするという相乗効果があるようです。

ちなみに、以前、自転車のサドルが男性器に良くないという話を聞いたことがありますが、あれって本当なんでしょうか?

「ツール・ド・フランス級の自転車乗りならEDは多いでしょう。自転車のサドルに圧迫されて睾丸の血管を損傷してしまうのが問題なのですが、毎日何十キロも漕ぐのでなければ大丈夫。男性器に少々負担を与えても、自転車に乗ることで運動になったり、リラックスできるというベネフィットの方が大きいはずですよ」

堀江先生は、男臭さを好まない草食系などというイマドキ男子が増えれば男性ホルモンの著しい低下は避けられず、将来の子孫繁栄にも影響があると本気で心配していました。私たち女性も「男性らしい男性」の良さを再認識した方がよさそうですね! 取材中、「出産や子育て、介護などを行う女性は医療機関へのハードルが低いが、男性はどうしても医療機関を敬遠しがち。でも、男性器について気にすることで、少しでも医療や健康について考えるようになってほしい」と何度も話していた堀江先生。

男性器は、他の臓器のようにわざわざ検査をしなくても健康状態を教えてくれるとても身近な器官でもあるので、日ごろからよく観察して、少しでも異変を感じたら泌尿器科を受診してほしいと訴えていました。それが全身の健康維持にとても大切なことなのだそうです。

女性の私には、男性がどんなときに「男性器の異変」を感じるのか分かりません。もし良ければ、今回の感想とともに、男性の皆さんの体験なども教えてください。

次回以降は「歯」「脳」「耳」などを取り上げる予定です。この他にも気になっているカラダの部位、症状、カラダについて知りたいことなどがある人は、どんどんメッセージを送ってくださいね!

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