男28歳・パパになる!ってどうよ?

第12回 親の介護について、みんな考えてる?

2009.10.26 MON

男28歳・パパになる!ってどうよ?

うれしいですよ。もうだいぶ大きくなりましたが、
私自身も妻も成長させられたなと思います。

(中略)

自分の親や祖父母、妻の親や祖父母、
多くの人が大事な事を伝えてくれたんだなと、
考えるきっかけが出来ました。


投稿者:にじぱぱさん (男性/28歳/東京都)

このように、「自分が親になって初めて両親の気持ちがわかった」
という声はほかにもたくさんいただきました。

そんな我々の親も、
孫の成長とともにさらに年を重ねていきます。

そう、パパになったボクらは子どもだけではなく、
親の世話も将来的に控えているわけです。

今回は、両親への恩返しの意味を込めて、
「パパのパパ」の世話ついて考えてみたいと思います。
図版制作/佐野彩子(BLOCKBUSTER) 要介護状態区分は要介護者の食事、排泄、移動、記憶力、介護の手間などによって決められる。ちなみに「要介護」より軽度の「要支援」という区分もある。

「親の面倒を見る」ってどういうことなんだろう?



いまや4人に1人が65歳以上という高齢化社会。R25世代のパパというときっと多くが55~65歳くらいでしょうから、これから10~20年後には当然、親の介護という問題が出てきます。正直まだまだ元気な父親を見ていると、ウチは大丈夫なんて思ってしまうのですが、それで介護について何も考えないでいるのはちょっと危険な気も。そこで、まずは介護の現状から見てみたいと思います。

介護にはいくつかのパターンがあるようですが、大きく分けると家族や介護サービス事業者が自宅で介護する「在宅介護」と特別養護老人ホームやケアハウスなどで介護する「施設介護」の2つになります。

厚生労働省発表の「国民生活基礎調査」によると、要介護者は家族と同居しているケースが最も多く、全体の約6割。また、介護者は「配偶者」「子」「子の配偶者」の順で多く、少子高齢化や核家族化の影響などから、介護者の3人に1人は70歳以上の高齢者となっています。つまり現状では、自宅で高齢者夫婦がどちらかを(または互いに)介護しているケースが非常に多いのです。

介護者応援事業を進めるNPO法人「生き活き元気塾」の本多慶吉さんは、「老老介護(高齢者同士の介護)」が多くなる理由として、働き盛りの男性が「仕事」「子育て」「介護」すべてを抱える難しさを指摘します。

確かにボクも10~20年後、今と同じように毎日の仕事に追われていたとしたら、それと介護を両立する自信はちょっとありません。かといって、どちらかひとつだけを選択するなんてこともできませんが。

「確かに、自分の生活を支える仕事と親の世話は、どちらが重要なんて比べられるものではありません。しかし、親を最期まで自らの手で世話したいと思ったり、親を施設に送ることに罪悪感、無力感を覚え、世間体が悪くなると感じるのが日本人の国民性といえるでしょう。そのため、仕事を辞めて親の介護を選ぶ人も少なくありませんが、介護は想像以上に大変なもの。それを介護者がすべて背負ってしまうと、負担に耐えきれず共倒れになるケースもあるのです。そのような事態を避けるためにも介護者は、『自分の生活を第一に考え、ストレスのコントロールができるレベルで介護をする』といった心構えが必要で、施設に送ることも前向きな決断のひとつとしてとらえることが大切だと思います」(本多さん)

介護保険の利用をはじめ、様々な介護サービスの援助が受けられる現在の日本。すべてひとりで抱え込まないよう、社会資源を利用して介護していくことが、介護者本人だけでなく、家族、親戚などを含め、介護者のまわりの心理的負担を減らすことにもつながるといいます。

「つまり、ひとりでがんばりすぎないことが大事なんです」と本多さん。10~20年後、介護の必要な親を目の当たりにしたとき、わきあがる感情を抑えて真っ先に思い出すべき言葉は、これなのかもしれません。
イラスト/後藤亮平(BLOCKBUSTER) 逃避なのか、それとも根拠のない自信なのか…。こうならないためにも、若いうちから老後を意識する習慣は身につけておきたいところです。

ムスコはアテにならない!?“介護されない”人生のススメ



10~20年先、自分たちのパパの介護に直面するかもしれないR25世代。そんな我々もあと30~50年すると、今度は介護される側にまわります。

「今日生きるのに精一杯なのに、そんな先のことまで考えてられないよ!」って声も聞こえてきそうですが、こんな調査結果が出てしまうと将来についてちょっと不安になってしまいます。

内閣府が18~24歳の男女1000人を対象に、平成19年~20年の2度にわたって調査を行ったところ、「将来、年老いた親をどんなことをしてでも養う」と答えたのは約3割。イギリス、アメリカが約6割なので、この割合の低さがちょっと気になりますがやはり「介護」につきまとう過酷なイメージが多少なりとも影響しているのかもしれません。

現在は高齢者1人を3人の現役世代(15~64歳)が支える時代といわれますが、2055年には高齢者1人を約1.3人の現役世代が支えるようになると推計されています(「国立社会保障・人口問題研究所」推計)。40~50年後、年老いたボクらを支えることが社会環境的に難しくなると予想されるなか、若者の介護に対する意識がこの程度だとしたらこれはかなりのピンチかもしれません!

「一般的には、子どもに介護を求める親は少数派で、逆にあまり負担をかけたくないと思っている親が多いようです。いずれにせよ、我々は他者の世話にならずに老後を過ごす方法を考えなくてはならないと思います。そのためには、私はピンコロと呼んでいますが、『ピンピンと生きて、ころりと死ぬ』ような人生が理想だと思います」(NPO法人「生き活き元気塾」の本多慶吉さん)

そんな老後を迎えられたら幸せかもしれませんが、どうすればよいのでしょうか?

「要介護者の多くは、身体的な障害が生じて日常生活に支障をきたすケースと、認知症により他者が生活をサポートせざるを得ないケースに分かれます。認知症には『アルツハイマー病』のように原因不明の疾患もありますが、『脳血管性痴呆』(脳の血管が詰まることで生じる認知症)も少なくありません。この『脳血管性痴呆』や身体機能の障害は生活習慣病の延長線上にあるといっても過言ではない症状。つまり、『食生活の乱れ』『睡眠不足』『運動不足』が要介護者になる3 大要因といえるので、若いうちからこれらを解消するような生活を送っていれば、将来的に自然と介護から遠のくわけです」(同)

なるほど。介護の必要のない老後を迎えるには、今から予防が必要なんですね。介護費用の平均は1カ月で3万9814円という調査結果(介護実態調査より/Dream CareProject 2005年7月調べ)もありますが、晩年を健康で迎えられれば、このような経済的不安も解消できるわけですし。

「転ばぬ先の杖」ではありませんが、若いときにしっかり健康面を管理していれば、杖のいらない老後が迎えられるのかもしれませんね! 最終回は「パパ」の世話について考察しました。
今回のレポートの肝は、

「親の健康が子どもの安定にもつながる」

ではないでしょうか。

「生活習慣の乱れや運動不足を解消すれば、
年齢に関係なく要介護度は減らせます」

という本多さんの言葉を聞いてからは、
父親を毎朝散歩に誘うようにしています。

父は、息子が介護予防の一環で
朝早起きしているなど知る由もないですが。

さて、今回をもちまして、私の連載のシーズンIIは終了いたします。

読者のみなさまとのお別れは寂しい限りですが(泣)、
ひとまずはこれまでのリサーチを整理し、
それを人生にどう生かしていくかじっくり考えようと思います。

それでは、末筆ながら改めてお礼を。

これまで応援してくださった読者のみなさま、
本当にどうもありがとうございました!!

もし、また人生のビッグイベントに悩むことがありましたら、
シーズンIIIをやらせていただくかもしれません。
そのときはどうぞよろしくお願いいたします!

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