都心に“自分の城”を持ちたい!

第9回 マドリ、その理想と現実

2009.10.26 MON

都心に“自分の城”を持ちたい!

30歳、男、独身 今、必要な間取りとは?



都心に自分の“城”を持ちたい! と思うものの、実際にどんな間取りの部屋を買えばいいのかわかりません。同じ1LDKでも物件によって形が違ったりしますし、自分にとって暮らしやすい間取りを選びたいものです。そこで、シングルやDINKSの暮らしに詳しい、住宅ライターの長谷井涼子さんに、独身男子の間取り選びについて教えていただきました。

「独身男性の場合、結婚など将来のことを考えて広めのお部屋を選ぶ傾向がありますが、ひとりなら1LDKでも十分です。将来の奥さんがその部屋を気に入ってくれるかどうかはわからないので、あまり結婚後のことは考えなくてもいいと思いますよ。都心では、立地と予算でだいたいの広さと間取りは決まってしまいますが、フレキシブルな間取りを選びたいですね」

フレキシブルな間取り、といいますと?

「たとえば、バルコニーに接している部屋が多い間取り。このタイプは室内が明るくていいですね。シングル向けの1LDKだと、玄関から一直線に部屋が並ぶ間取りもあります。この場合、角部屋でもない限りどうしても窓のない、暗い部屋ができてしまいます。そのため、室内はドアよりも引き戸のタイプがいいと思います。ひとり暮らしなら開け放しておくことも多いでしょうし、引き戸だと閉じると個室、開けると広い空間と、いろいろ使えます」

開放感や明るさというと、やっぱり南向きの物件がいいのでしょうか?

「南向きももちろんいいですが、西向きの物件もいいですよ。西日が差す夕方まで明るいので、休日、昼から起きるような人にはオススメです。冬場は特に明るくていいですよ。逆に、東向きは午後の早い時間に暗くなってしまいますが、午後~夕方に出かけることが多い人には問題ありません。自分の生活スタイルに合わせて選ぶといいですよ」

なるほど。必ずしも南向きがベストってわけじゃないんですね。ところで、1LDK+WICとか1LDK+TRとか、間取りタイプの後ろについているアルファベットは何ですか?

「WICはウォークインクロゼット、TRはトランクルームというように、部屋以外のスペースを表しています。ほかにも、SIC(シューズインクロゼット)、DEN(書斎)、などがありますよ」

DENって書斎のことだったんですか! 個人的にはウォークインクロゼットに憧れるなぁ。

「ウォークインクロゼットもいいですが、部屋の形によっては壁一面のクロゼットの方が使いやすい場合もあります。ちなみに、間取り図の中にあるPSはパイプスペースといって配水管などが通っている場所です。収納のスペースではないので、気をつけてください」

キッチンやお風呂場の近くにあるので、てっきり収納だと思っていました…。そのほかに見ておくべきポイントはありますか?
部屋は広ければいいというものではなく、使いやすいことが大事。WIC(ウォークインクロゼット)やTR(トランクルーム)などもよく確認して、自分に合った部屋を選びたい。
「廊下の長さですね。廊下の面積も専有面積に含まれるので、廊下が短い方が部屋は広くなります。あと、柱や“はり”の出っ張っている位置も確認しておいた方がいいでしょう。また、単身者向けの間取りの場合、浴槽のサイズが小さい場合が多いので、お風呂好きな方は要チェックです」

ひとくちに「間取り」といっても、見るべきところはたくさんありますね。理想は高くなるばかりですが、夢にまでみた自分の“城”ですし、とことん追求したいです!
都心には意外と緑も多いし、子育て環境は十分。共働きの夫婦には、通勤時間が短く住む分、子どもとの時間が持てるのでオススメと長谷井さん。

結婚したり家族が増えたり。将来、どんな間取りが必要になる?



ひとり暮らしならば多少、不便だったり狭かったりしても、自分が少し我慢すればいい。ですが、結婚してふたり暮らしになるとそうはいきません。でも、ただ部屋数が多ければいいってものでもないはず。DINKSのマンション事情にも詳しい住宅ライターの長谷井涼子さんに、結婚後必要になる間取りについてお伺いしました。

「新婚さんのうちなら、広さ的には45平米ぐらいの2DKでも十分ですから、独身時代に買った部屋に、そのまま住み続けるのもアリですね。ただ、そのときに広さだけでなく、部屋の動線も気にしましょう。通勤が深夜や早朝になるなどで生活時間帯が違う夫婦なら、たとえば、寝室を通らずにリビングに行けるような間取りがいい場合もあります」

単純にふたりになった分、広くすればいいというわけではないんですね。

「そうですね。でも、収納スペースは広いほどいいと思います。女性は男性よりも洋服などの持ち物が多いので、クロゼットや収納は広いとうれしいですね。2LDKでひと部屋を収納専用に使っている夫婦も多いですよ」

では、リビングはどうでしょうか。だだっ広いリビングにふたりきりで映画でも…なんて夢は現実的じゃない?

「広さも大事ですが、リビングやダイニングは形も気にしてみては? 正方形よりも長方形の方がスペースを分けやすいので、ダイニング(=食事)スペースとくつろぐスペースを分けて使うことができます。ソファを置いて映画鑑賞のスペースを作ることもできますよ!」

ひとりだと考えもしなかったことが続々と出てきます。オトコひとりって気楽なんだなあ…。

「奥さんのことを考えると、パウダールーム(洗面所)にトイレがあるのは避けてほしいですね。あとは、部屋の扉がガラスで部屋の中が丸見えだったりなど、独身だと気にならないプライバシーの一面が夫婦になると気になってきます」

夫婦になると部屋に求めるものが変わってくるわけですね。ということは、子どもが生まれたらもっと変わる?

「当然、収納や部屋はもっといりますよね。でも、子ども部屋はすぐに必要というわけではありません。小学生までなら、リビングの隅に机を置くだけでもいいんです。個室として独立性のある部屋を確保するのもいいですが、リビングに接しているお部屋は、扉ではなく引き戸になっているのも便利ですよ。開け放しておけば子どもに自然と目が行き届きますし、使い勝手もいいと思います」

たしかに、子どもが小さいうちはいつでも目の届くところにいてくれると安心です。

「また、家でご飯を食べることが増えますから、浄水器や食洗機などのキッチン設備が充実しているといいですね。お風呂も広いと便利です。それから、あるといいのがスロップシンク。これはバルコニーにある底の深い“流し”のこと。泥で汚れたものを洗えます」

バルコニーにも“流し”があるとは知りませんでした。間取りばかりに目が行きますが、設備の充実度もよく見なくっちゃ!

「敷地内に公園やキッズルームがあれば気軽に遊べますし、ゲストルームがあれば、両親が来たときに便利です。こういった共用施設もチェックしてくださいね」

2LDKでリビング広め。キッチン設備が充実していて共用施設もあって…。だんだんボクの理想が見えてきました。あとは理想の奥さんを見つけるだけか!? 将来の結婚や子どものことを考えると、
都心にマンションを買うことに不安がありました。
ですが長谷井さんのお話を聞くと、都心での子育てもよさそうですね。

あと考えるのは、シングル向けの物件を買って将来、賃貸として貸すのか、
それとも広めの物件を買って結婚後も住み続けるのか、といったところでしょうか?

次回はそのあたりの「買ったあと」について調査してみたいと思います。


当連載では、みなさまからの住宅購入に関する
素朴な疑問を募集しております。
下記の投稿欄からぜひお便りください。お待ちしています!

都心に“自分の城”を持ちたい!の記事一覧はこちら

関連キーワード

ブレイクフォト