生命保険はボクらを守ってくれるの?

第19回 保険の切り替えで妻をどう説得する?

2009.11.09 MON

生命保険はボクらを守ってくれるの?

結論より過程、理屈より共感を重視!? まずは女性心理を理解しよう



結婚して大きな買い物をするとき、妻になかなか理解してもらえず苦労した経験を持つ男性は多いようです。特に保険は、保険金の受取人が妻である場合がほとんど。万が一のこととはいえ、妻自身の人生に深く関係することなので、保険の見直しを理解してもらうには慎重に物事を進める必要があります。

「保険の切り替えに限らず、何かの用件で奥さんを説得するには、男性心理と女性心理の違いを理解しておくことが重要ですね」。こう語るのは、『妻の相談に乗ってはいけない』(学研新書)などの著者である心理コーディネーターの織田隼人さんです。

「男性の場合、結論が同じであれば、結論に行き着くまでの過程にはあまりこだわりません。ところが女性にとっては、結論を出すまでの過程こそが重要で、過程がうまくいってこそ、良い結論が得られると考える傾向があります。そこで、夫婦で何か重要な事柄を決める際には、できるだけ時間をかけて、『意思決定に自分も参加している』という意識を奥さんに持たせなければなりません」(同)

夫として絶対にやってはいけないのが、妻に相談することなく「こう決めたから」と事後報告するパターン。妻は自分がないがしろにされたと思い、激高して猛反発することは必至。普通ならまとまる話ですら、まとまらなくなる恐れがあるそう。仮に自分(夫)としてはこうしたいという腹案や結論があっても、そこにたどり着くまでに、「夫婦で十分に話し合った」と妻に実感してもらうことが重要だといいます。

「さらに男性は理屈を重視しますが、女性は理屈より共感を重視します。この違いも意外に大きいですね。男性なら、話に筋が通っていれば、出された結論に納得するもの。ところが女性の場合、話にいくら筋が通っていても、その結論を感情が受け入れることができなければ納得しません」(同)

つまり、夫側の提案がいくら理にかなっているとしても、「こうするのが正しい」と一方的に押しつけるのはNG。夫が妻に何かを提案する場合には、その提案が正しいかどうかではなく、その提案に共感してもらえるように、「自分はこうするのがいいと思うんだけど、キミはどう思う?」と、相手の感情に訴えかける言い方をしたほうが良いとのこと。

「この違いは、男性と女性の会話にも表れてきます。男性は相手に情報を伝えるために話し、女性は相手に気持ちを伝えるために話す。だから女性は、内容のない会話でも延々と続けられるし、話すこと自体が目的にもなる。男性としては、女性の結論が見えない長話につきあうのは苦痛ですが、だからといって途中でストップをかけるのは逆効果。女性は話し切るまで気持ちは伝わらないと考えるので、かえってマシンガントークの火に油を注ぐ結果になります」(同)
女性は情報伝達のためではなく、感情を伝えるために話す傾向がある。穏便に話をもっていくためには「それはおかしい」などと否定をしないこと!
女性のマシンガントークへの賢い対処法は、相手に悟られないように聞き流すこと。「へえ」「そうなんだ」「なるほどね」などと相づちを変化させたり、相手の言葉をそのままコピーして、「ああ、○○○なんだね」と繰り返してあげればOK。また、真剣に聞いているよ、とアピールするために、相手の眉間あたりになんとなく目線を合わせておくことも大切なんだとか。

う~ん、自分のこれまでの説得方法が全部否定された気分。まずは女性の価値観が自分とは大きく違うことを受け入れ、結論より過程、理屈より共感を重視するコミュニケーションを心掛けようと思います。
いきなり結論をいわないこと。妻とは一緒に話し合い、結論を導き出すための経過を共有することが大事だ

妻の意見はとりあえず肯定しながら時間をかけて結論を出していく



結論より過程を重視し、理屈より共感を重視する。こんな女性心理を理解したうえで、ここでは保険の切り替えについて妻をどう説得すればいいのか、具体的な手順を『妻の相談に乗ってはいけない』(学研新書)などの著者である心理コーディネーターの織田隼人さんに教えてもらいました。

「夫の頭の中で保険を切り替えることがすでに決まっていても、それをすぐにそのまま妻にぶつけるのは絶対NG。過程なしにいきなり結論を告げられると、妻は戸惑い、ときに激怒します。できれば1カ月くらいじっくり時間をかけて、妻を少しずつその気にさせていかなければなりません」

説得の第1ステップは「保険を見直したいんだけど…」とさりげなく伝えること。その際「子供の将来を考えたら、死亡保障1000万円では不安だよね」「ほかと比べてウチがいま払っている保険料って高めかも…」などと、見直したい理由もそれとなく伝えておきます。

第2ステップは、その1~2週間後。「あれから、保険について調べてみたんだけどさ」と切り出します。第1ステップで、奥さんには「保険を見直す」という選択肢がすでに提示されていますから、保険の具体的な内容についての話をしてもすんなり乗ってくれるはずです。そこで「子供を大学まで行かせるには3000万円くらい必要らしいよ」とか、「でも、3000万円の終身保険にすると毎月の保険料がとても高くなるので、掛け捨ての定期保険がいいかも…」など、切り替えるべき保険についての具体的な話をします。

「ここで押さえておきたいのは、理屈より共感を重視する女性心理。妻に『こうするのが正しい』と説明するのではなく、『自分はこうする方がいいと思う』という形で伝えてください。事実を提示するのではなく、あくまで自分の気持ちを伝えるようにしましょう」(同)

自分の意見を述べたら、「キミはどう思う?」と妻の気持ちを必ず聞いてあげること。その際、妻の意見を否定するのは絶対にNG。妻の言い分が間違っていると思っても、「そうだよね」「わかるよ」と、とりあえずは肯定しましょう。妻の意見を否定した瞬間、話し合いは決裂します。

第2ステップで話がまとまらなくても深追いはせず、さらに1~2週間後、保険の話を再開します。とにかく、妻の言い分を辛抱強く聞きながら、あくまで自分の気持ちとして「保険を切り替えたい」と伝えることが大切。女性は本能的に、自分の気持ちを相手の気持ちにすり合わせようとしますから、自分にとって多少不利な結論であっても、最後には受け入れてくれるはずです。それにはもちろん、「最初から最後まで自分も話し合いに参加した」と妻に実感してもらえることが条件になりますが…。

また織田さんによれば、女性は大きな幸せが1つあるより、小さな幸せがたくさんあることを好む傾向があるので、説得する際は「保険を見直せば10年で120万円浮く」という言い方よりも、「毎月1万円ずつ余分にレジャーに使えるし、貯金にも回せる」という言い方の方が効果的なんだとか。

男性にとっては物事が進まず、イライラする場面も多そうですが、妻を説得するには“忍耐力”を養う必要がありそうです。 ビジネスで相手を説得する場合、結論を先に伝え、その結論に至る理由を、筋道を立てて説明し、相手の忙しさを考慮して簡潔に短時間で終わらせる。でもこれって、女性を説得する場合は全部NGだったんですね。うまくいかなかったワケです。

今回は保険の切り替えの際、妻を説得する方法をお聞きしましたが、結論より過程が大事だとか、理屈より共感を重視するとか、これって女性とのコミュニケーション全般に応用できそうですね。

さて、次回は離婚が珍しくなくなったいま、「保険金の受取人を自由に変更できるか?」について調査します。

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