可処分所得は22万円も減る!?

「温室効果ガス25%削減」でボクらの財布にどんな影響が?

2009.11.05 THU



写真提供/Yusuke Nakanishi/アフロ
鳩山政権が世界に表明した「温室効果ガスを2020年までに1990年比で25%削減する」という目標が波紋を広げている。地球温暖化の原因が温室効果ガスにあるとすれば、排出量の抑制は各国が協力してやらなくちゃいけないこと。とはいえ、25%削減というのは従来に比べるとケタ違いに高い目標。その実現には産業界や各家庭に大きな負担がかかるといわれ、否定的な意見もけっこう多いのだ。

たとえば、今年6月の政府の試算によると、「90年比で8%削減」とした前政権の中期目標ですら、一世帯あたりの経済負担は年間7万7000円。鳩山政権の削減目標はそれより17ポイントも多いだけに、各家庭の負担増は年間22万円にもなるという。そのうえ、新車購入時の次世代カーへの切り替えや住宅の省エネ化など、家庭が負担する設備費用も400万円以上。企業にしても光熱費や省エネ投資が増加するので賃金や雇用の減少を招きかねない。一説には温室効果ガスの「90年比で25%削減」によって、GDPが最大6%低下、失業率も年平均で最大1.9%も増加するともいわれる。

ただし、こうした試算には根拠があいまいなものが少なくないうえ、温暖化対策のプラス効果という視点も抜け落ちている。じつは今回の高すぎる中期目標には、技術革新を生みだして「緑の経済成長」につなげる目的もあったりする。実際、過去の公害規制や自動車の排ガス規制は技術革新を引き起こしてその後の経済成長に結びついたし、温室効果ガスの削減を進めるドイツでは、電力需要の16~17%を自然エネルギーでまかない、26万人もの雇用を生みだしている。

もっとも、現状では京都議定書(日本は08年~12年平均で90年比6%減)の達成でさえきびしいだけに、ホントにできるのか、と首を傾げたくなるのも事実。なにしろ、いくら海外から排出権を購入しても日本の排出量は減少する気配がまるでないのだ。今回の温暖化対策はいわば日本版グリーンニューディール政策。でも、その実現には高いハードルが待ち受けているのである。


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