リアル経済を肌で感じ取ることが、感度を高める近道?

“プロの職業病”から考える「投資のヒント」

2017.03.08 WED

R25的マネー護身術 資産運用を学ぶ

「企業名をみると株価を知りたいと思う」(営業、25歳女性、1年)という人も。街のあちこちが“投資色”に見えている…?
写真:ふくいのりすけ / PIXTA(ピクスタ)
不動産業なら「デートで入ったカフェの賃料を計算してしまう」、印刷業なら「レストランのメニュー表の紙質を確かめてしまう」など、知識や経験があるからこそ、プライベートにまで出る特有の癖がある。そんな“職業病”に嫌気が差す人もいるだろうが、裏を返せばプロの感度が可能にする業ともいえる。

その職業病を理解して真似てみれば、その分野の感度を高くできるかも? そこで、これからの人生設計に欠かせないといわれる投資について、プロとして働く男女会社員119人にアンケートを実施した(R25調べ/協力:ファストアスク)。

調べてみると、投資関連業の人たちが日常でついとってしまう行動のうち、特に目立つのは次の3つだった。
※以下、カッコ内(職種、年齢性別、業界年数)

■いつでもどこでも相場が気になる

「夏休みも相場を見てしまう」(リテール営業、29歳女性、7年)
「少しでも時間ができると、スマホでチャートを確認してしまう」(窓口営業、36歳女性、10年)
「現在育休中だが、テレビで日経平均が流れると見てしまう」(コールセンター業務、31歳女性、10年)

■店や企業の利益を計算してしまう

「デートで外食に行っても、すぐに客単価と回転率を考えてしまう。お店の人にしつこく質問して同業者と疑われる。女性に流行っているお店も調査に行くので現場で浮く」(アナリスト、31歳男性、7年)
「買い物をしていてもレジの台数から日商・月商・年商を割り出してしまう」(トレーダー、46歳男性、7年)
「映画のスポンサーが気になる。宣伝費に投資できる会社の財務など」(トレーダー、45歳男性、20年)
「新しい商品を見て売れていると気になる」(トレーダー、45歳男性、20年)
「どんなイベントでも株価への影響を真っ先に考えてしまい、どういうポジションの人が儲かっていて、また反対に損しているだろうなと推測してしまいます」(ファンドマネージャー、40歳、15年)

■買い物の基準を相場・株価から決めてしまう

「買うメーカーや、入る飲食店を株価で決めてしまう」(証券営業、45歳男性、21年)
「価格変動を想定したリスクヘッジ。ガソリン購入や日常の買い物に付与されるポイントも短期・中期・長期の目線で損得勘定をする」(窓口営業・渉外担当の指導、47歳男性、7年)

「いつでもどこでも株価が気になる」は、素人も納得。「店や企業の利益を計算してしまう」では、将来的な株価へ影響を及ぼす企業活動をリアルに感じる機会を逃さないようにしていることがうかがえる。そして、3点目の「買い物の基準を相場・株価から決めてしまう」はまさにプロならでは! ベテランから寄せられたコメントが多く、日常生活で相当役立っていそうだ。

なお、上記3点以外には…、

■投資用語を日常生活で使いがち

「株用語を使いがち。同業者との女子トークで特にたとえに出してしまう(損切り、PERなど)」(広報、34歳女性、10年)

■街中が“投資色”に見えてしまう

「色々なものの形状を見て価格チャートを思い描いてしまう」(無回答、41歳男性、1年)

■株価でテンション激上がり

「日経平均株価が上がると周りに触れ回る」(渉外、49歳女性、10年)

■普段の会話を警戒してしまう

「インサイダー取引に抵触しないか気にする」(営業企画、40歳男性、1年)

などがあがった。強迫観念…? とやや心配になってしまうコメントも含まれるが、プロならではの苦労もにじむ。なお、上記でもあったが、投資業は個人的に得する情報を得られそう。そこで、次のような質問もしてみた。

〈投資にかかわる仕事をしていて、“良かった”と感じることがありますか?〉

・ある 63.9%(76人)
・ない 15.1%(18人)
・どちらともいえない 21.0%(25人)

「ない」と回答した人は2割に満たない。具体的に良かった点を聞くと、圧倒的に多かったのは次の2点だ。

●自分の資産形成に役立った

「自身の金融知識、税金対策に役立った」(法人融資、33歳男性、9年)
「この職業で無ければ絶対手を出さなかった投資信託で儲かって嬉しかった」(窓口営業、26歳女性、7年)
「投資に対して、リスクがあって不安だと思っていたが、その分期待値も高いことを知った」(窓口営業、25歳女性、1年)

●世の中の出来事に敏感になった

「世の中の動きを全体的に見る力がついた」(無回答、27歳女性、1年)
「経済を通して常に世間のニュースに敏感でいられること」(テレオペレーター、44歳女性、13年)
「人より情報が早く敏感になった」(トレーダー、45歳男性、20年)
「流行りに敏感になる」(営業、47歳男性、25年)

なかには、「おかしな金融商品にひっかからない(イケメンの保険勧誘を論理で返り討ちにした)」(広報、34歳女性、10年)という意見も。

ちなみに、プロまでいかずとも、投資を始めることで見えてくるものは非常に大きいようだ。投資初心者からスタートし、一般企業で働きながら投資ブログを運営するブロガーからは、「投資をしていた良かったこと」について、

「経済や国際情勢に関するニュースの感度が上がった」(団体事務職、38歳男性、12年)
「直接的には投資に回すお金を捻出する=貯蓄できること。副次的には投資や各種投資商品のお金の流れなどに詳しくなったこと」(会社員、38歳男性、10年)

などの実利面のほか、「投資ブログにより、全国に気の合う投資仲間ができたことが財産です」(エンジニア、45歳男性、9年)といった意見も。これまで接することのなかった人と接点が生まれるのも醍醐味といえるかもしれない。

プロの“職業病”を眺めてみると、投資への感度を高めるコツが少し見えてくる。ハマりすぎると病的になりそうだが、目に映る景色の見方を少し変えると、意外な見返りを得ることができるかも!

(立石 錠)

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