J1に初昇格したV甲府とは?

J1のフレッシュマン ヴァンフォーレ甲府の実力

2006.04.01 SAT



写真提供/AFLO SPORT
一時はクラブ解散の危機に直面したクラブが、サッカー界のトップステージに登場する。J1に昇格したヴァンフォーレ甲府だ。

かつての甲府はJリーグのお荷物のようなクラブだった。1999年からJ2で3年連続最下位に甘んじ、2000年にはリーグ戦25連敗のJ2ワースト記録を作った。同年には最少観客数の記録も作った。

翌01年には債務超過に陥り、クラブの倒産が現実的となった。少額の広告を集める手法などでチームの経営を立て直したが、昨季の年間予算はJ2でも中位クラスの6億2000万円だった。昨季の平均年俸は500万円にも満たず、専用の練習グラウンドは今もない。

今年の年間予算は11億円に届く見込みだが、J1の18クラブの昨年の平均年間予算は29億円強で、最少クラブでも18億円だ。タダで整髪してくれる美容院があり、入泉料を取らない温泉がありと、地元のサポートは手厚いが、現実はやはり厳しい。

オフの補強も必要最小限だった。新加入選手8人のうち、J1クラブからの移籍は2人だけ。日本代表経験があるのは、東京Vから加入した林健太郎ひとりである。戦力的な比較から、甲府をJ2降格の有力な候補とする意見は少なくない。

とはいえ、急激なチーム改造はときに混乱を招く。昨季の昇格チームだった大宮も、数人の補強でJ1残留を果たした。J2を戦い抜いたチームを熟成させることで、J1のレベルに近づくこともできるのだ。

甲府の大木勉監督も、現有戦力にある程度の自信を持っているのだろう。柏との入れ替え戦第2戦で6得点をあげたブラジル人FWバレーのスピードは、J1でも十分に通用する。彼を最大限に生かすサッカーに徹すれば、周囲を驚かすことができるかもしれない。また、盆地特有の蒸し暑さがあるホームスタジアムは、梅雨時から夏場にかけて来訪者を苦しめそうだ。今季のキャッチフレーズは「探検J1」。さて、甲府は何を探し当てるだろうか。
(戸塚 啓)


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