2010年南アフリカ大会開催でふと思う…

W杯の常連、ブラジルがサッカー大国なのはどうして?

2010.03.29 MON


2002年W杯優勝時のブラジル代表。栄冠の裏には、W杯常連国としてのプレッシャーがあったに違いない 写真提供/日刊スポーツ
今年で19回目となるW杯が6月11日にいよいよ開催される。今回も出場国に名を連ねるブラジル。W杯を制すこと5回と最多優勝を誇る強豪だが、調べてみるとサッカーはイギリス生まれ。なぜ、ブラジルで発展したのだろう? 『サッカーの世紀』の著者、ジャーナリストの後藤健生さんに聞いた。

「1894年、イギリス系2世のブラジル人の若者が、母国イギリスへの留学時にサッカー選手となり、帰国後サッカーを伝えると、にわかにブームが到来。1902年にはリーグ戦がはじまり、現在のサンパウロリーグに発展しました」

初めはイギリス人やブラジルの富裕層だけで楽しまれていたサッカーだったが、日本の約23倍の国土と、年間平均気温約22℃前後の、プレイに最適な環境もあり、徐々に貧しい層にも浸透。ブラジルの所得格差は現代でも日本のおよそ5倍の約41倍もあるが、当時からブラジル人は上流階級のヨーロッパ人に対する対抗意識を持っており、その負けん気がサッカーに向けられた。その後、1919年の『南米選手権』でブラジルは初優勝を飾るが、1930年の第1回W杯ではユーゴスラビアに敗れてグループリーグで敗退する。

「躍進を遂げるのは第二次世界大戦後。大戦中、ヨーロッパ諸国はスポーツどころではなく、一方で戦火を免れたブラジルは力をつけます。また、ブラジルの土着格闘技であるカポエイラの動きを生かしたトリッキーなプレイなど、アフリカ系ブラジル人による今までにないサッカースタイルが、ヨーロッパ勢を悩ませました。そしてブラジルは1958年のW杯で初優勝、4年後には連覇を達成します。ブラジルはこれまでの18回のW杯に全出場した唯一の国ですが、ここまでのサッカー大国になった影には、かつての支配者側であるヨーロッパ諸国に対する対抗心があるのでしょう」

ブラジルは6月25日に、植民地支配国だったポルトガルと対戦する。闘志を燃やすサポーターの熱気にも注目したい。
(中山秀明/GRINGO&Co.)

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