招致合戦はドロドロの政治!?

2022年W杯招致、ライバル国の動向は?

2010.07.28 WED


W杯の日本開催における意義を国内外にアピールする「招致アンバサダー」。中山雅史選手のほか、本田圭佑選手や岡田武史監督も就任している。 写真提供/JFA
2022年のW杯招致を目指す日本。先日、FIFAによる視察も終了し、「バランスの取れた計画」と一定の評価を得た。開催地の決定はまだ先だが、ライバル国の動向も気になるところ。招致活動に詳しい、写真家・ノンフィクションライターの宇都宮徹壱(てついち)さんに話をうかがった。

「12月のFIFA理事会では2018年と2022年の開催国が決まりますが、これまで2大会以上ヨーロッパ大陸からW杯が離れたことがないため、2018年は欧州が有力。となると、連続して同大陸開催はあり得ませんから、日本が競うのは実質的に欧州以外の国々ということになります」

2022年の開催国に欧州以外から立候補しているのは、日本、韓国、アメリカ、オーストラリア、カタールの5カ国。このうち開催経験がないのは後者の2カ国だ。

「オーストラリアは国土が大きいわりに人口が少なく、サッカーも国内最大の人気スポーツというわけではない。FIFA的にはビジネス面の旨みがあまりありません。カタールはW杯の出場経験がなく、開催時期の6月が猛暑というハンデがある。オイルマネーでエアコン完備のドームスタジアムを建設するそうですが、クーラーの効いた室内でサッカーをするなんてナンセンスです。また、お隣の韓国は北朝鮮との共催で“世界平和”をアピールしていますが、FIFAが全面的に賛同するとは思えません」

なるほど、いずれの国も決め手に欠ける模様だ。となると、日本が有力候補?

「確かに日本はマイナスとなる要素がなく、上記3カ国に比べて有利かもしれません。しかし、最大のライバルはアメリカです。言わずと知れたスポーツ大国であり、1994年にW杯開催の経験もある。ベッカムやアンリが在籍するなど、国内リーグのMLS(メジャーリーグサッカー)も盛り上がりを見せており、実はサッカー人口が世界一。これは強敵です」

それに加えて、2026年大会に立候補するといわれる中国の影響も無視できないという。

「中国は、北京五輪と上海万博を立て続けに開催し、次はW杯という気運が高まっています。中国からすれば、2026年大会に立候補するため、2022年はアジアではない地での開催を望んでいるわけです。開催国はFIFAの理事による投票で決まりますが、中国がアメリカに票を入れるよう各国に働きかける可能性は十分に考えられる。すでに2026年の招致合戦も水面下で始まっていると見るべきで、今回立候補していない国も無関係とはいえないのです」

票の取りまとめなど、政治的な要素も多い招致合戦。開催国決定まであと5カ月。勝利の女神が微笑むのはいったいどの国か!?(前島そう/ペンライト)

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