現役最年長、工藤公康も選択

ベテラン選手中心に増加中「浪人」するプロ野球選手たち

2011.04.21 THU



画像提供/時事通信社
延期になっていたプロ野球も開幕したが、ここ数年、現役最年長選手として注目を集めていたベテラン左腕、工藤公康(48)の姿が見えない。引退したわけでもないのに。では、どこへ行ったのか? 

実は工藤、今季、「浪人」生活を送ることを決めていたのだ。

プロ野球選手が浪人…? 聞きなれない言葉だが、チームに属さずに練習を重ね、翌年の入団を目指す選手が近年、増えている。河原純一(中日)なども経験者だ。「まだやれる!」というベテランが、引退ではなく、浪人を選ぶ。トレーニング理論の発達で、選手寿命が延びていることも一因だろう。しかし、無所属となれば、満足な練習はしにくいし、収入面も心もとないはず。浪人中の選手たちはどう過ごしているのだろう。

「僕の場合は仕事9、トレーニング1。トレーニングは母校である早大の施設を借りることもあれば、河川敷でやることもありました」

そう語るのは野球解説者の小宮山悟氏。小宮山氏はMLBでプレーした後の2003年に1年間、浪人生活を送っている。「仕事」の中心は野球解説だったそうだが、収入面はどうだったのか。

「貯蓄がありましたし、税金も前年の収入の多くがアメリカでのもので納税ずみ。ただ、日本で稼いで、その後の収入がゼロだったら、厳しかったかな」

コンディションという意味では「体の中で最初に衰え始めるのが目。その影響をモロに受けるのは打者で、浪人するとプロの球を体感できないことがハンディとなるが、投手は影響が小さい」と小宮山さんは言う。確かに浪人を選ぶ選手の多くは投手だ。

このほか、今季、ソフトバンクの元エース斉藤和巳が「リバビリ担当コーチ」となった。コーチをしながら痛めた右肩のリハビリを続け、選手復帰を目指すという。浪人とはまた異なる選択肢だ。変わりゆくプロ野球選手の生き方。「引退」を選択しない道が増えているようだ。
(大利実)


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