ルールブックには無いけれど…

実は密かにたくさんある! スポーツ「暗黙の了解」

2011.05.19 THU



画像提供/AP/アフロ
Jリーグのファジアーノ岡山が「選手が倒れても主審が中断しないかぎりボールを蹴り出しません」と宣言して話題になった。本来、サッカーでは選手が倒れたらボールを外に蹴り出すのが「暗黙の了解」。岡山は、もっとプレーする時間を大切にすべきと昨季からこう宣言しているのだが、そもそもスポーツの「暗黙の了解」とは何なのか。

じつはスポーツ界にはルールブックに書かれていない不文律、さまざまな「暗黙の了解」がある。自転車のロードレースではライバルが落車したりトラブルに遭ったときにアタックをかけるのは暗黙の了解に反し、フィギュアスケートも公式練習でのジャンプは先に助走に入った選手が優先されるのが不文律。とくにメジャーリーグをはじめとする野球は有名で、大差のついた試合で盗塁してはいけないといった十数項目におよぶ暗黙の了解があったりする。

この暗黙の了解を破るとどうなるのか。多くのスポーツでは選手やファンから非難を浴びるといった不名誉が「罰」となるが、野球はもっと直接的だ。たとえばメジャー挑戦1年目の新庄剛志は、11―3とリードしていた試合でカウント0―3からホームランを打ち、翌日に足にデッドボールを受ける報復をされた。また昨年6月の中日対楽天戦では、6―0のスコアで中日の大島選手がセーフティバント。大差でリードした状況でのバントに当時の楽天のブラウン監督が激怒し、大島選手は翌日に報復まがいの投球を腰付近に受けている。

もっとも、暗黙の了解がある理由はスポーツによって微妙に違う。野球のそれはチームや選手のプライドのためといわれるが、たんに選手間の慣習を言い換えている場合もある。サッカーのオフサイドは、中世英国で牛の膀胱を膨らませて蹴りあっていた時代に暗黙の了解として採り入れられたのが始まりだという。そうやって明文化されないルールには、何らかの理由もあったりするのだ。
(村木哲郎)


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