お手軽! 自宅菜園入門/第9回

大切な野菜は自分で守る! 農薬との付き合い方

2011.07.29 FRI


デンプン溶液の「粘着くん」(住友化学園芸)。100倍に薄めて散布後、殺虫効果を発揮! 食品由来のため、人体への安全性は極めて高いそう 画像提供:住友化学園芸 http://www.sc-engei.co.jp
自宅のベランダで栽培する自家製野菜。安心・安全を考えて、できれば完全無農薬で作りたいけど、植物だって人間と同じで病気になる時もあれば、害虫の被害を受けることもある。農薬を使わないのにも限界があるが、それでもどうしても抵抗感が残る…。大事な野菜を守るためには、一体どうすれば!?

「病気や害虫から野菜を守ることを自然物でない化学農薬だけに頼るのは、健康的にも環境的にも影響を及ぼすことが懸念されます。そうした影響を最小限に抑えるには、栽培前の段階から病気や害虫が発生しにくい環境を作り、予防することが大切です。きちんと防虫ネットを張る、植えつける土をあらかじめ太陽熱で殺菌消毒するなどは被害の発生を防ぐのに効果的ですね。栽培するものを病気に強い品種から選ぶことも大切です。また、日々栽培している野菜を観察することでも、被害の拡大は抑えられます」

と教えてくれたのは、「サカタのタネ」広報宣伝課長で『ここまでできる!ベランダでコンテナ菜園』の著者である、淡野一郎さん。念には念を入れよとは言うけれど…それでも病気や害虫が発生してしまったら?

「害虫の場合、手でつぶして退治するのが良いでしょう。それも追いつかなくなった時は最終手段として農薬を使いましょう。ひと口に農薬といっても、天然物・無機物由来のものなど人体に優しい製品もあるので、そうした安心して使えるものを知っておくと便利ですよ」

では、人体に優しい農薬にはいったいどんなものがあるんですか?

「デンプン液剤やオレイン酸ナトリウム液剤などは、有効成分が食品や食品添加物などの安全な農薬です。これらにはハダニやアブラムシを窒息させる効果があります。また、BT水和剤という、自然界に存在する菌を利用した農薬は、ヨトウムシやアオムシなど特定の昆虫にだけ作用し、人体に対しての安全性が極めて高いものです。殺菌作用のある農薬では、炭酸水素カリウム水溶液や銅水和剤などが挙げられます。どちらも人体に影響の少ない無機物由来の農薬で、前者は灰色かび病やうどんこ病、後者はべと病や斑点細菌病に効果があります。いずれにしても、農薬を使う場合は『どの野菜に使えるのか』きちんと表示を確認し、正しい方法で使用するようにしましょう」

なるほど。なんとなく避けがちだった農薬でも、安心なものがあると分かったからには、適切に取り入れていきたいですね。ちなみに害虫を放っておくと、お隣の家にまで虫の被害が広がってしまうこともあるので、ベランダ菜園の場合は特にご注意を。

(池田香織/verb)

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