“脳の司令塔”前頭前野の刺激がポイント

ランニング、球技で「脳を鍛える」

2012.09.20 THU


スポーツ中は、前頭前野の中でも特に物事を順序立てて解決する部位、脳の記憶を管理する部位が盛んに働く 『仕事に効く、脳を鍛える、スロージョギング』 久保田競、田中宏暁 (角川SSC新書、760円)
図版作成/藤田としお
デキるビジネスマンはランニングやトライアスロンをしている…なんてよくある話。体を動かすと脳が活性化すると聞いたことがあるけれど、もしやスポーツでも脳が鍛えられるの? 脳科学者の久保田競先生に聞いた。

「機能の向上という意味なら、もちろん鍛えられますよ。スポーツでは、“脳の司令塔”と呼ばれる『前頭前野』をフル活用します。ルールを意識したり、相手チームの出方を読んだり、ボールが飛んでくる位置を予測して場所を移動したりといった行動が前頭前野を刺激し、結果として脳を“鍛える”ことにつながるんです。体と頭を使うスポーツは、頭だけを使うよりも効率的ですよ」

前頭前野は脳の3分の1を占め、思考力、決断力、注意力、記憶力などをコントロールする部位だという。

「前頭前野以外にも、意思決定にかかわる『前帯状皮質』、情動的な記憶を貯蓄する『扁桃核』など周囲の部位も同時に機能します」

では、前頭前野を特に活性化させるスポーツの条件とは?

「ある程度のスピードで体を動かす有酸素運動で、楽しく続けられるものがいいでしょう。前頭前野の活性化には、その経験に満足することで分泌されるドーパミンが必須ですから。有酸素運動は長期の記憶をコントロールする『海馬』の働きを活発にさせるほか、成長ホルモンを分泌させて結果的に脳神経細胞の増殖を促したり脳のシグナルを伝えるシナプスの合成を増加させるとの実験結果もあります」

ほかにも五感の多くを刺激する、体の様々な部分の筋肉を使う、瞬時の判断が求められるなどの特徴を持つスポーツは、前頭前野への刺激が多いという。それぞれランニング、球技、ロードバイクなどがその例だ。

「脳の機能を向上させて鍛えるには、スポーツを継続するのも大切。最初は15分でもよく、徐々に時間をのばしていくのがオススメです」

まずは早く起きてランニングでも始めてみる?
(有馬ゆえ+ノオト)


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