格安でのんびり長逗留して疲れを癒やす

1泊3000円!「湯治宿」の魅力

2013.01.23 WED


鉄輪温泉名物の「地獄蒸し」。こんなに贅沢な食材を用意しなくても、手軽に温泉による過熱調理が手軽に楽しめます。写真提供/別府市観光協会
寒い日が続くと恋しくなるのが、温泉。温泉旅館ほどの豪華なお食事や、きめ細かなサービスなど贅沢は言わないので、できればゆっくりお湯につかり、何もせずだらだらと連泊したい。そこで検討してみたいのが「湯治宿」です。

「湯治宿とは、かつて農家や漁師が体の不調や病気を温泉で療養するために長期間滞在した宿泊施設です。現在でも歴史のある温泉旅館には、食事の出る『旅館棟』と、湯治客が滞在する『自炊棟』とに分かれているところがあります」

そう解説くださったのは温泉ソムリエの井門観光研究所・山田祐子さん。湯治では1週間から1カ月程度の長逗留(ながとうりゅう)を想定しているので、1泊の値段は3000円前後と格安。その分、食事の用意や布団の上げ下げは自分でやらなくてはいけないとのこと。

「若い男性ならその自由さが魅力では。洗濯機もあるので山登りや自転車旅行の拠点にしてもいいですね。ただ、古い施設が多いので、セキュリティの甘さや虫、和式トイレを風情として楽しめる人向けです」

では、初心者にオススメの湯治宿はどこでしょう?

「まず秋田・八幡平の後生掛(ごしょうがけ)温泉。寝起きする部屋は、地熱による床下暖房のオンドル部屋で、この部屋でゴロゴロするだけでリウマチや神経痛に効くといわれています。硫黄泉の評判も良く、なかでも箱に入って下半身を温める箱蒸し風呂が有名です」

また、後生掛温泉の近くだと青森の酸ヶ湯温泉も湯治宿としてオススメだそう。

「もうちょっと綺麗な施設がいいという方は宮城・鳴子温泉の“農民の家”がオススメです。地元のJAが運営している温泉旅館で規模が大きく、開放的な雰囲気で硫黄泉や炭酸泉など4つの温泉が楽しめます」

宿の購買でほとんどの食材がそろうのも農協ならでは。

「湯治文化は東北と九州に多いのですが、南のオススメが大分別府・鉄輪(かんなわ)温泉です。貸間旅館という名前で、昭和の名残をとどめた湯治宿がいくつかあります。特にオススメなのが『地獄蒸し』という温泉調理ができる自炊設備。料理が苦手な方でも玉子や鶏肉、野菜を放り込んでおけば、手軽に自炊できますよ」

その他にもネットで「自炊 湯治宿」で調べれば、1泊2000円程度(4人1部屋、長期利用という条件がある場合も)からヒットするので、自分だけの定宿を探してみては。ただし、湯治宿の中には深刻な病気で利用されている施設もあるので、迷惑をかけないようしっかり下調べして楽しみましょう。
(熊山准)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト