『走ろう、ニッポン!』/第4回

「道」を観光資源化する試みとは?

2013.03.10 SUN


伊豆大島を走る有森裕子さんとツアー参加者達。今後もこういったリアルイベントが企画されていくそうだ 写真提供:ランナーズインフォメーション研究所
2011年11月、シドニーオリンピックの金メダリストである高橋尚子さんを所長に迎え「ランナーズインフォメーション研究所」がオープンした。これは日本各地にある、ランニング、ウォーキング、サイクリングに適したコースをネット上で紹介するという試みで、観光庁が運営しているのだ。特徴的なのは、私たち一般人が推薦したコースのなかから、すぐれたものが「観光庁認定」という形で紹介されるということ。ウェブサイトのほか、iPhoneやAndroidの無料アプリ『ランナーズインフォ』でそれらの認定されたコースを見ることができるのだ。そもそもどうしてこの企画が生まれたのだろう?

「皇居外周などのメジャーコースはランナーたちの間で広く親しまれていますが、それだけではなく、全国津々浦々の『名もなき道』にも、走るのに適した道、歩くのに楽しい道、サイクリングに楽しい道というのは存在します。そこで、実際の市民の方に推薦していただいた道を観光庁が認定することで、新しい名所としての認知を広め、地域の観光振興に寄与していきたいと思ったのです」(観光庁・進藤昭洋さん)

たしかに、観光庁のオススメと認定されれば、興味を持って足を運ぶ人も増えていきそう! この「ランナーズインフォメーション研究所」では、観光スポットを増やす試み以外にもいろいろなイベントを行っているそうで…。

「ほかにも同研究所では定期的に読者参加型のイベントを企画しています。2月にはバルセロナ五輪・銀メダリストである有森裕子さんと伊豆大島で『ランニングコース認定ツアー』を開催しました。3月の10・11日には、『トレイルランナーの鏑木毅選手と行く!熊野古道伊勢路、トレイルランニングの旅』が開催されます。認定による名所の発掘だけではなく、こういったイベントを通して、観光資源でもある名所を盛り上げていきたいですね」(同)

それはランナーにとって魅力的な企画ですね! ちなみに僕はランナーではないのですが、そんな僕でも楽しめますか?

「ランナーでなくとも読み物として楽しめるような道に関するコラムをウェブページとアプリの『ランナーズインフォ』で展開しています。このコラムは多くの著名人にご寄稿いただいているんですよ。建築家として有名な青木淳さんやロードムービー界の巨匠であるヴィム・ヴェンダース監督に、日本の『道』について語っていただきました。また、写真家のホンマタカシさんには知床の写真の道を撮っていただきました。どれも『その場所に行ってみたい』と思わせるようなものになっていると思うので、ぜひチェックしていただきたいですね」(同)

なるほど、各方面の第一人者がそれぞれの視点で道について語るなんて、ちょっと気になる企画ですね。実際にどんな反響が寄せられているんですか?

「青木淳さんの皇居まわりの道についてのコラムは外国の方からの反響も多く、『日本に行った際には走ってみたい!』という声が寄せられています。そういった反響もあってか帝国ホテルでは、ランニングシューズの貸し出しや、英語のランニングマップなどの配布も始まっています。これからも、『道』を観光資源にしていけるように、イベントやコラムの更新、コースの認定を続けていきたいと考えています」(同)

国内だけではなく、海外の人々にも支持されるような名所になれば、日本の新たな魅力を知ってもらうきっかけになりますものね。「道」を観光資源にするという、国が提唱する新しい試み。注目していきたいですね!

(冨手公嘉/verb)

※この記事は2012年3月に取材・掲載した記事です

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