身につければ通勤も快速に?

フランス式超人訓練「パルクール」

2013.03.08 FRI


岡安さんによるハイジャンプ。なお、練習を行う際TADIKARAOでは「私有地には入らない」「歩行者の邪魔にならない」など周囲の迷惑にならないよう配慮を徹底しているとか
「パルクール」という言葉を聞いたことがあるだろうか。約20年前にフランスで生まれたスポーツで、周囲にある環境を利用して走る・登る・跳ぶといった“移動”を行うことによって、強い体の獲得を目指す鍛錬法のことだ。国によっては軍隊や学校でも取り入れられ、今や世界中に広まっているんだとか。

パルクールの熟練者がトレーニングをしている姿は、ハッキリいって超人か忍者に見える。街中にあるビルや高い壁、公園の階段や植え込みの段差など、障害物を乗り越えて道無き道を縦横無尽に移動したり、極めつきはビルの屋上から隣のビルにジャンプで飛び移るなど、はたから見れば信じられないアクションを軽々こなすのだ。一体どんな訓練をしているの?

「道端や公園を自由に駆けまわるのは、小学生くらいの頃なら誰もがやっていたこと。パルクールは、それを大人が本気で追求したようなスポーツです。過激なアクションに注目されるので、エクストリームで危険なものという印象を持たれがちですが、実際には子供から大人まで誰もが自分のペースで心身を鍛えることができる運動なんですよ」

と教えてくれたのは、日本最大規模のパルクールクラブ「TADIKARAO」の主要メンバー、岡安旅人さんだ。同クラブでは小学生を対象にしたスクールや、初心者向けの練習会などを開催して普及に努めている。

「パルクールの目的は、自分の体一つで“安全で迅速な移動”を追求すること。派手な動きはあくまでも結果です。初心者のうちは、高低差のない場所で着地や受け身の練習をして、徐々に高いところでも同じ動きができるようにします。それによって瞬発力や持久力、バランスなどの身体能力に加えて、平常心を保つ精神力も自然に鍛えられるんです」

とはいえ、素人目にはかなり無茶をしているように見えるけど、危険ではないの?

「路上で転ぶと本気で痛いですから(笑)、安全第一ですよ。決して自分の限界への挑戦や、度胸試しのような無茶はしません。僕自身も最初は上級者の過激なアクションに憧れましたが、大切なのは常に安全マージンを残しておくことだと徹底的に教えられました。そのうえで、少しずつ自分の思いどおりに動ける範囲が広がっていくのが醍醐味ですね」

他人と競うスポーツではなく、あくまでも自分自身との戦いを楽しむパルクール。その超人的な“移動術”は一見の価値アリだ。
(呉 琢磨)

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