アメリカスポーツ界では主流

「ドラフト指名権トレード」とは?

2013.05.14 TUE


指名選手を巡って悲喜こもごものドラマが展開されるドラフト会議。指名権のトレードが導入されたら、さらなるドラマが生まれるかもしれない 写真提供/時事通信社
4月25日から開催されたアメリカンフットボール(NFL)のドラフト会議。新人選手を獲得するためのこの会議は日本ではプロ野球が有名だが、アメリカではNFL以外にも野球(MLB)、バスケットボール、アイスホッケーの国内4大スポーツすべてで行われている。その中でもNFLはどこよりも早い1936年に導入しており、開催期間も3日間と長丁場。会場はひとつのショーとして大変華やかなものとなっている。

選手の指名は、基本的に「ウェーバー制」が採用されている。前シーズン成績最下位のチームからスタート、優勝チームが最後に指名する方式で、これはプロ野球のドラフトでも2位指名以降で採用されている。

ただ、アメリカには日本になじみのないルールも。それは「ドラフト指名権のトレード」だ。“選手間”のトレードではなく“指名権”をトレードする。MLBではフリーエージェント選手を獲得する際の補償時しか認められていないが、他の3競技は通常のトレードとして行うことができるのだ。そのため、選手とドラフト指名権を組み合わせたトレードがめまぐるしく行われている。

NFLは金銭トレードが認められていないため、ドラフト指名権は重要な手札となる。大物選手獲得のために、“見返り選手”と翌年のドラフト上位指名権をセットにして交渉したり、複数の下位指名権や選手を供出したりして、より上位のドラフト指名権を獲得する「トレードアップ」なんてものもある。

実際、今年のドラフトでは、オークランド・レイダースが全体3番目の指名権をマイアミ・ドルフィンズへトレード。ドルフィンズはディオン・ジョーダン(オレゴン大)を指名した。その見返りとして、レイダースはドルフィンズから全体12位と全体42位(2巡)の指名権2つを獲得している。

これが、もし日本のプロ野球界に導入されたらどうなるだろう? 1年間の浪人を経て今年巨人に入団し活躍中の菅野智之を例にとってみよう。2011年、巨人は菅野の獲得を熱望するも、実際には日本ハムと競合、抽選に敗れて交渉権を逃した。しかし、もし、そのドラフトで、たとえば2位、3位の指名権を放出、同年の最初の指名権を持っていたロッテ(2011年のペナントレース最下位)に話を持ちかけていたら…。

ただ、日本では、アメリカのような割り切った補強にはまだ抵抗があるのが現実。加えて、日本のプロ野球はルールや制度の変更をMLBに追随することが多いため、MLBがドラフト指名権のトレードを認めない限り、導入する可能性はゼロに近いというのが現状だ。
(キビタキビオ)

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