データで歴代名投手と比較

ダルビッシュの奪三振記録の中身

2013.07.01 MON


往年の名投手にも引けをとらない投球を続けるダルビッシュ。7月16日に行われるMLBオールスターゲームへの出場も期待される(投手の選出は監督推薦のみ) Getty Images
野球で“打者の華”がホームランならば、“投手の華”は奪三振。今季、テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手が、メジャー移籍2年目にして「シーズン300奪三振」という偉大な記録をマークしそうだ。

近代メジャーといわれる1901年以降で、シーズン300奪三振を記録した投手は14人で計33度。歴代最多の通算5714奪三振を誇るノーラン・ライアン(レンジャーズほか)、同2位の通算4875奪三振のランディー・ジョンソン(マリナーズほか)がそれぞれ6度記録しており、2002年にジョンソン(334奪三振)とカート・シリング(ダイヤモンドバックス・316奪三振)が達成したのを最後に成し遂げたピッチャーはいない。打者でシーズン50本塁打以上を記録した選手は25人、計42度ということからもシーズン300奪三振の偉大さがわかるのではないだろうか。

過去、シーズン300奪三振を記録したのべ33投手の成績を見ると、9イニングあたりに奪った三振(奪三振率)の平均は9.89。9イニングあたりに与えた四球(与四球率)の平均は3.00。与四球と被安打を投球イニングで割り、1イニングあたりに許した走者数の目安となるWHIP(Walks plus hits divided by innings Pitched)は1.07。一般的に1.20未満であればチームのエース級、1.00未満であればリーグトップクラスの投手とされる。

また、前出のジョンソンとライアンがシーズン300奪三振を記録した時の奪三振率の平均は、ジョンソンが12.08、ライアンが10.44。与四球率の平均はジョンソンが2.78、ライアンが5.13。WHIPの平均はジョンソンが1.08、ライアンが1.24である。

では、今季のダルビッシュはどうか。6月24日現在、ダルビッシュは101回3分の1イニングを投げ、被安打は67、与えた四球は31、奪った三振はメジャー30球団でトップの137。奪三振率は12.17、与四球率は2.75、WHIPは0.97で、シーズン300奪三振を記録した投手たちの平均も、ジョンソン、ライアンの平均も上回っている。奪三振率は、シーズン300奪三振を記録した投手の中でも6番目に高い数値だ。奪三振率の歴代最高は、ジョンソンが2001年にマークした13.41だが、今季ダルビッシュが更新する可能性も十分ある。こうしたデータを見れば、ダルビッシュは掛け値なしでMLB屈指の投手といっていい。

仮にこのままのペースで投げ続けたならば、ダルビッシュのシーズン成績は218イニングを投げ、被安打は145、与四球は67、三振は296個奪う計算になり、300奪三振にはわずかながら届かない。ダルビッシュ自身は「野球は三振を取る競技ではないから、何も思わない」と記録へのこだわりはないようだが、一体どこまで奪三振数を伸ばすのだろうか。(京都純典)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト