サッカー、テニス、バレーに続きMLBも!

スポーツ界「機械判定」導入のワケ

2013.12.05 THU


日本のプロ野球では、2010年よりホームランのビデオ判定を導入。公式戦初のビデオ判定では当初二塁打とされたものが本塁打に変更された 画像提供/時事通信
楽天の田中将大投手の海外移籍話でも注目を集めるメジャーリーグで、来季から「ビデオ判定」が拡大される。これまでビデオ判定は本塁打だけに限定していたが、勝敗を左右するような場合はほかのプレーにも適用するのだという。また、香川真司選手がプレーするプレミアリーグも今季からゴールをCG映像で再現するライン判定を導入。なぜスポーツの「機械判定」が増えているのか。

「背景にあるのは映像技術の進化です。昔と違い、きわどいプレーがハイスピードカメラによって何度もリプレーされ、ひと目で誤審がわかるようになった。観客の目も肥えたことで判定に注がれる視線がきびしくなり、審判の権威が低下しつつある。こうした事情から、さまざまなスポーツで『機械判定』を導入する例が増えているのです」。そう話すのはスポーツジャーナリストの生島淳氏。

たしかに、テニスのウィンブルドン大会のCG映像によるライン判定はいまやおなじみとなり、この方式は今年、バレーボールにも導入された。ほかにもアメフトやラグビー、アイスホッケーなど、機械判定を採用しているスポーツはたくさんある。ただし、機械判定にはまだまだ課題が多いのも事実だ。

「機械判定の最大の問題は、映像を確認するためにゲームの流れが止まり、試合時間が延びること。米国4大スポーツのひとつのNFLは、86年にビデオ判定を導入したものの、試合の遅延によって数年で一時廃止。その後、審判にビデオ判定を要求できる回数を制限した『チャレンジ』という方式に変えて99年に再導入しました。メジャーが来季から取り入れるのもこのやり方です」

とはいえ、人間の目より映像を信用するのはある意味当然のこと。誤審を防ぎつつ審判の威厳を保ち、試合も長くならないようにするにはどんな判定システムがいいのか。機械判定によって、各スポーツを運営する組織の能力も問われているのだ。
(村木哲郎)


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