演歌一辺倒の時代からフォークに進化!?

プロ野球「口説き文句」の変遷

2014.01.16 THU


かつてトレードにはネガティブなイメージがあったが、FA制度の導入で移籍のイメージも一変。同時に進化したのが監督の口説き文句だった 画像提供/時事通信社
プロ野球を楽しむうえで欠かせない要素となっている選手の移籍。2013年オフも片岡治大や涌井秀章などのFA移籍が話題になったが、この移籍のドラマでもうひとつ注目を集めるのが各監督の口説き文句だ。なにしろ過去にも「男の花道を飾ってくれ」「人生の荒波に向かってきなさい」…と、様々な熱い口説き文句が話題になってきたのだ。

「FA移籍交渉における日本のプロ野球界の言葉の熱さはすごいですよ! 音楽にたとえるなら、まるで演歌の世界です」。そう語るのは、野球文化評論家のスージー鈴木氏。

たとえば93年オフ、FA宣言するかどうかで悩む槙原寛己に対して、なんと当時の巨人・長嶋茂雄監督は槙原の背番号と同じ数の17本のバラを持って自宅を訪問。また、96年オフには、西武からFAした清原和博を獲得するため、阪神・吉田義男監督が「ユニホームのタテジマをヨコジマに変えてでもキミがほしい」と熱く口説いたこともあった。

「昔のプロ野球選手には、パンチパーマにセカンドバッグ、演歌といったイメージがありましたが、この芝居がかった感じもまさに演歌。『男の花道』『荒波に向かってきなさい』なんてセリフは、演歌そのものです」

もっとも最近は球界も演歌一辺倒ではなくなりつつある。だんだん進化しているのだ。

「日ハムの栗山英樹監督は、12年オフの大谷翔平との入団交渉で『誰も歩いたことのない道を歩いてほしい』と言いましたが、これは演歌ではなく、フォークソング。ザ・ブロードサイド・フォーの『若者たち』です。日本の音楽シーンが演歌からフォークソング、J-POPになったように、ようやく球界にもフォークへの流れが出てきたのです。何年か後には、FA移籍の口説き文句も西野カナのようなJ-POPになるんじゃないでしょうか」

データと理詰めで行われるのが当たり前の交渉事だが、プロ野球界ではいまも熱い言葉の力が重視されている!?
(村木哲郎)


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