語学力+スタミナの文武両道

「サッカー審判」知られざる実力

2014.05.15 THU


国際試合で笛を吹く西村雄一さん。FIFA基準に照らした体力テストがJリーグでも行われるため、審判もオフシーズンには選手並みに鍛えあげるそう 画像提供/日刊スポーツ/アフロ
1カ月後に迫った「2014FIFAワールドカップ」。今大会でも数々の名勝負が期待されるが、熱い闘いの裏には、ゲームをつつがなく進行させるべく奮闘する審判の姿がある。スピードや戦術が進化した現代サッカーにおいては、審判にもハイレベルな能力が求められるという。そんな、知られざるサッカー審判のスペックをひもとくため、日本サッカー協会・審判委員長の上川徹氏を直撃。まずは、審判の「走力」について伺ってみた。

「主審は1試合あたり11~13kmくらいの距離を走ります。これは攻守に奔走する中盤の選手とほぼ変わらない数値ですね。FIFAが定める体力基準では、40mダッシュ6本をすべて6秒以内(副審は5.8秒以内)で走るスプリント力と、約30秒のインターバルを挟んで150m走20~24本をすべて30秒以内で走りきるスタミナが求められます」

また、走力同様、あるいはそれ以上に重要なのが「洞察力」だという。

「正しいジャッジを下すためには常にプレーの近くにいる必要がありますが、ボールをただ追いかけているだけでは間に合いません。問われるのはプレーの流れを読み、次の展開を予測する力。ですから審判は毎回、チームの戦術や選手のプレースタイルを頭に叩き込んでから、ゲームに臨んでいます」

さらに、国際試合を裁く審判は「語学力」にも長けていなくてはならない。

「英語については日常会話レベルのものが求められます。また、対戦する両国の言語も少しインプットする必要がありますね。熱くなった選手を和ませるような言葉を覚えることが多いです」

そして何より、トラブルが起きた時にうまく収める「人間力」も、審判には欠かせない。心技体、すべてを兼ね備えてこそ、最高峰の試合を裁くことができるのだ。今大会では日本から3人の審判が参加する。彼らの動きにも注目だ。
(榎並紀行/やじろべえ)


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