プールや海水浴の“新常識”

水道水で目を洗ってはいけない!?

2014.08.20 WED


点眼薬は防腐剤の入っていないものがおすすめ。一般的な目薬で防腐剤としてよく使われている塩化ベンザルコニウムは、角膜に傷を作ってしまうおそれがあるのだそう 画像提供:akiko/PIXTA
プールで泳いだあと、水道水で目を洗うのが常識と思っている方は多いのではないだろうか? 日本の教育現場では当たり前のように行われてきたプール後の洗眼だが、実はこの行為、目に悪影響を与えるのだそう…。

「昔は学校のプールの衛生管理が万全でなかったことから、プール後の洗眼が教育現場で浸透したようです。しかし、プールの水にも洗眼で使う水道水にも消毒のために塩素が使われていますよね? そうした水が目に入ると、目の表面を保護しているムチンを含む粘液が洗い流されて、角結膜上皮に傷がついてしまうのです」

そう話すのは、みさき眼科クリニック院長の石岡みさき先生。石岡先生は2008年、慶應大学の研究チームとともに「水道水による洗眼でも目に傷ができる」という内容の論文を発表。それがマスコミに取り上げられたことで、教育現場は一時混乱したという。

その後、日本眼科医会が「プールに入る場合はゴーグル着用が望ましく、水道水による洗眼は積極的に推奨できるものではない」という見解を出し、いまではプールの後には洗眼を行わないことが、教育現場の新常識となってきているのだそう。

「ゴーグルは汚染された水、塩素の両方から目を守ってくれます。屋外プールは水温が上がりやすく、また紫外線の影響によって水中の塩素濃度が低下しやすい。そのため、ウイルスや細菌が繁殖しやすくなるので結膜炎になるおそれがある。反対に、塩素濃度が高ければ塩素が目に及ぼすダメージが強くなります。目のためを思えば、ゴーグル着用がベストな選択肢なのです」(石岡先生)

とはいえ、本格的に水泳をするならまだしも、レジャー施設のプールや海で遊ぶ時にはゴーグルをつけないという人も多いだろう。こうした場合の目のケア方法はないのだろうか?

「眼科医としてはゴーグルをつけてもらいたいところですが、ゴーグルをつけずに泳いでしまった場合は、プールから上がった後に水道水で目のまわりを洗ったり、防腐剤の入っていない点眼薬を点眼することをおすすめします」(同)

そもそも涙が常に分泌されている目は自浄作用が強いため、過剰に心配する必要はないと石岡先生はいうが、気になる方は今回のケア方法を覚えておくとよさそうだ。
(成田敏史/verb)

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