ヤマハ「トリシティ」ヒットで注目

「Y字型三輪バイク」ブームの兆し

2014.12.27 SAT


これまでのスクーターにはなかった、近未来的なフォルムが印象的。実際に乗っていると、声を掛けられることも多かった。自立はしないので、停車時には足をつく必要がある。125ccクラスなので、一般道での法定速度は60km/hで2段階右折の必要はないが、高速道路の走行は不可
三輪バイクで有名な乗り物といえば、前1輪・後2輪の「トライク」。しかし、最近増えているのが、前2輪・後1輪の「Y字型三輪バイク」だ。大島優子をイメージキャラクターに据えて話題になったヤマハ「トリシティ」のヒットもあり、流行に敏感な人たちの間で密かに話題になっているという。

「『トリシティ』は、125ccクラスの新しいシティコミューターです」と教えてくれたのは、ヤマハ発動機販売でマーケティングを担当する山崎亮さん。

「渋滞が多く時間を読みにくい都市部でも、2人乗りで快適に自由に移動できるのが『トリシティ』です。税金や保険など維持費 の面でも負担が少なく、所有のハードルが低いのが特長。費用 負担の面で“車は持てないけれど、いざというときの移動手段は持っておきたい”という人にはピッタリです」

「トリシティ」は法律上、二輪車(原付二種)扱い。運転にはAT小型限定自動二輪免許とヘルメットの着用が必要だという。これだと、ぶっちゃけ125ccのスクーターと変わらないのでは?

「お客様の声では、“これまで二人乗りにも興味を示さなかった妻が初めて「トリシティには乗りたい」と言った”とか“バイクの所有に反対気味だった家族から、「トリシティなら面白そう!」と言ってもらえた”といった声もいただいています。外観からくる安心感が新しい層の興味を惹いているのだと思います。街で目立てることと、オートバイへの入口125ccで二輪免許の取得が簡単なのもポイントです」

もちろん、単に安心“感”を与えているだけでなく、三輪ならではのメリットがあるのは事実。操舵輪である前輪が二輪になったことで、舗装の悪い道路での走行や急な横風、Uターンなどの際も安定感が得られるのだ。筆者が試乗した印象としても、ちょっとした段差を乗り越えたり、舗装の悪い道路を走ったりするときの安定感はこれまでに体感したことのない領域。

「接地感の高さをキープしながら、バイクならではの楽しみを維持しているのもポイントです。独自のシステムである『LMW(リーニング・マルチ・ホイール)機構は、左右のサスペンション機能が独立して前2輪で路面の変化を捉えながら、カーブでは二輪のようにタイヤや車体をしっかりと傾けることで、バンクする楽しさも味わうことができます」

実際、平日はシティコミューターとして街中を移動し、休日にはツーリングを楽しむユーザーも多いという。

日本ではまだまだ少ないY字型三輪バイクだが、石畳の多いヨーロッパでは欧州最大のスクーターメーカー、ピアッジオが「MP3 Yourban 300」を発売している。また、トヨタはバイクのような動きで、意のままに操れる一体感と爽快な走りを実感できるコンセプトモデル「TOYOTA i-ROAD」を発表している。

もしかすると、手軽に街を移動しながらドライビングプレジャーも楽しめる手段として、三輪バイクが街に溢れる未来の入り口に来ているのかもしれない。
(笹林司)

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