野球、サッカー、相撲、ゴルフ…

プロスポーツのシビアな年収事情

2015.01.16 FRI


子どもの頃に憧れた「プロスポーツ選手」。だが、夢を叶えて給料を稼げる人は、ほんの一握りだ 画像提供:とっちゃん / PIXTA(ピクスタ)
国税庁が行った『平成25年民間給与実態統計調査』によると、民間企業で働くサラリーマンや役員、パート従業員の平成25年の平均年収は414万円。上場企業に限ると平均年収は604万4000円(※東京商工リサーチ調べ 2014年3月期)に跳ね上がるが、それでも知れている。ビジネスマンで「夢のある金額」を稼ごうと思えば、出世して社長になるか、起業して一山あてるか、凄腕トレーダーにでもなるか…。ちなみに上場企業クラスの社長の平均年収は4516万円(※労務行政研究所調べ 2012年)だとか。

では、「夢のある金額」というイメージの強いプロスポーツ選手たちの年収はいかほどなのか? 主なプロスポーツの収入事情を以下にご紹介しよう。

●プロ野球
日本プロ野球選手会が発表している2014年の年俸調査結果によると、選手の平均年俸は3678万円。1億円以上をもらっている選手は64人、500万円以下は22人だという。プロ野球には最低年俸が決まっており、1軍の場合は1500万円、2軍は440万円が保障される。ただし、これは支配下登録(1、2軍。1チームにつき最大70名)のみ。育成契約選手は最低額240万円と格段に少なくなる。

ちなみに、選手全員の年俸合計が一番高いチームは読売ジャイアンツの約41億円で、一番低い横浜DeNAベイスターズはその半分以下の約15億円(日本プロ野球選手会HPより)。さらに、最高年俸選手は阿部慎之助(読売ジャイアンツ)の6億円、2位は杉内俊哉(読売ジャイアンツ)の5億円といわれており、この2選手だけで横浜の年俸総額の3分の2に到達する。

●サッカー・Jリーグ
Jリーグのクラブは、プロ野球と違って年俸を公開していないため報道からの推定となるが、2014年のJ1平均年俸は約2200万円。日本人選手に限ると約1900万円ほどだ。Jリーグの選手契約には基本報酬と変動報酬がある。クラブによって契約の基本内容も異なり、この額に出場給が含まれる契約と、含まれない契約が存在する。出場給が含まれる契約は多くの場合、全試合にフル出場したら満額をもらえる。つまり、実際にもらえる額はその半分程度になると思われる。勝利給は別支給で、これもクラブによるが1勝につき20万~30万円程度といわれている。

2014年、Jリーグ最高年俸選手はフォルラン(セレッソ大阪)の約3億5000万円だったが、これは1人飛びぬけた異例の額。2位は遠藤保仁(ガンバ大阪)、中村俊輔(横浜Fマリノス)、田中マルクス闘莉王(名古屋グランパス)などの約1億5000万円で、全体を見渡しても億を稼ぐ選手は10人ほどしかいない。チーム別でみると、平均年俸が一番高いのは浦和レッズの約4300万円、最低は徳島ヴォルティスで1000万円以下。さらにJリーグには最低年俸保障などはないため、なかには300万円以下の選手も。J2、J3になれば200万にも届かない選手もいるという。

●大相撲
力士の給料は、「月給」と「力士褒賞金」の2本柱だ。まず月給は横綱282万円、大関234万7000円、三役169万3000円、平幕130万9000円、十両103万6000円。このほか賞与(ボーナス)があり、9月、12月にそれぞれ1カ月分を支給される。単純計算すると、これだけでも年収は横綱3948万円、大関3285万8000円、三役2370万2000円、平幕1832万6000円、十両1450万4000円となる。

もうひとつの柱の「力士褒賞金」は、序の口時代から溜めていく“ポイント制”のような制度。最低支給標準額は横綱150円、大関100円、幕内60円、十両40円、幕下以下3円。これに1場所で8勝以上(幕内の場合)から勝ち星が1つ増えるごとに50銭ずつ加算される。つまり、9勝6敗では1円増。また、優勝30円(全勝優勝は50円)、金星10円なども加算される。褒賞金は負け越しても減ることはなく、十両以上になると、これに4000倍をした額が毎場所、支給されるという。

歴代最多優勝32回を誇り、現在角界でもっとも高収入と思われる白鵬は、月給と力士褒賞金だけで年収約7500万円に達する計算になる。

このほか、取組についた懸賞(金)の本数(1本6万2000円のうち、力士の受け取り額3万円)、出張手当、三賞(各200万円)、優勝賞金(幕内の場合は1000万円)、特別手当(三役以上)などがあり、さらに支援者からの贈答も加わる。

ただし、幕下以下は月給すらなく、序列に応じた「手当」が支給されるのみ。年収は多くて100万円程度。関取は全力士の1割程度といわれており、仮に関取の平均年収を2000万円、幕下以下の平均年収を100万円とすると、“平均年収”は約300万円となってしまう(が、この“平均”に意味がないのは言わずもがな)。

●ゴルフ
プロゴルファー(ツアープロ)は基本的に「獲得賞金+スポンサー収入」が稼ぎとなる。ただしスポンサーと契約して多額の収入を得られるのは、一握りのトッププロのみ。では、「獲得賞金」はいかほどかといえば、昨年の国内男子プロゴルフの賞金ランキング1位で約1億3700万円。1000万円を超えるのは83位までとなり、100位になると約530万円になる。だが、それでも一握りであり、獲得賞金がほぼゼロというツアープロも多数。ツアーに参加するには遠征費もかかるため、賞金だけで食べていくのはかなり困難だ。

このほか、プロテニスプレーヤーも「獲得賞金+スポンサー収入」が基本となるが、こちらはゴルフほど国内に賞金トーナメントがないので、さらに厳しい。錦織圭のように世界で活躍できるトッププロになれば年収は億単位(一説によれば14億円とも)だが、そもそも日本人プロテニスプレーヤーは数が限られている。

こうしてみると、「夢のある金額」を稼げるプロスポーツ選手はほんの一握りであることがわかる。現役プレーヤーとして活躍できる期間が限られていることも加味すれば、大半のプロスポーツ選手が現役期間中に稼げる金額は、一般的な会社員が現役の間に稼ぐ金額を下回っていると言っても過言ではない。マジメにやれば安くても給料をもらえるだけ、会社員のほうが恵まれているかも?
(石井紘人@FBRJ_JP)

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