観客動員激増! 球団内部の取り組みとは?

横浜DeNA快進撃を生んだ組織改革

2015.07.02 THU


ちなみに球団スタッフは海外のプロスポーツチームや、同じエンターテインメントとして参考になるという観点からテーマパークの視察も行っているという。画像はグラウンドを開放して映画上映をするイベント「グラウンドシネマ」の様子
中畑 清監督が就任して4年目。ハラハラさせながらも首位争いを続ける横浜DeNAベイスターズ。親会社がDeNAとなり、ついにチームが変わり始めたか、と話題だ。チーム成績だけでなく、観客動員も飛躍的に伸びている。買収前の2011年と昨年の年間動員数を比較すると、3年で約42%増と12球団でもトップの伸び率だ。その勢いは今年も止まらず、昨季23回を数えた「大入り(客席がほぼ満員の状態)」は6月20日時点ですでに17回。球団の観客動員増への様々な施策や組織改革が功を奏しているといえる。球団内部ではいったい、どのような“改革”が行われたのか? ビジネスマンにも参考になる要素があるのでは…と取材した。

●メンバー全員で目標を共有する
「球団としての具体的な目標を職員全員が理解、共有し、一丸となって目標達成に取り組む。まずはそれが大きかったと思います。言葉にすると当たり前ですが、当たり前のことを当たり前にやるのが一番難しいですから…」

と話してくれたのは、球団広報・八木直子さん。

「球団職員全員が意識を高く持つために、年に3、4回、全社員が参加する“経営シェア会”を実施しています。そこで今季、あるいは来季の目標などを全員が共有する。目標がブレないことはとても大きいと思います」

この十数年で、プロ野球界では地上波テレビ放送が減少し、以前と比べ放映権収入が減少少しているため、社内では「観客動員増」を大きな目標のひとつにしているという。観客動員を伸ばすことは経営を安定させ、チーム強化にもつながる、重要なポイントになっているのだ。

「目標達成のために、まず来場者の客層データを集めることから始めました。結果、30代を中心に20代から40代の働く男性が多いことがわかり、彼らを『アクティブサラリーマン層』と名付け、2014年は重点的に集客を意識しました」

目標は、決して抽象的なものではなく、どこまでも具体的である。

●ユーザーの率直な意見を取り入れる
リサーチを経て、今季のファンクラブはグッズ特典の充実よりも、観戦特典やチケット割引に特化した形に変わったり、相手チームのファンへの特典を用意したビジターファンクラブ「Vスピリット」という意欲的な試みも行ったりしている。

「お客様へのアンケートのデータを見ると、どんな特典を希望するかの問いに対して圧倒的に『お得な特典チケットがほしい』という意見が多かったんです。これまでは『ファンクラブといえばグッズ』という考えもあって、グッズに力を入れていたんですが、それなら…ということで今年は観戦機会が増す特典チケットに力を入れました」

●全員がプロジェクトリーダーに
興味深かったのは、球場で行われるイベントについて聞いた時だ。通常、営業やイベント担当の部署が中心になって企画しているように想像してしまうが、横浜DeNAの場合、部署の垣根を越えて、様々なスタッフがイベントプロジェクトに関わっている。

「各プロジェクトは、様々な人間が企画を出し、リーダーになります。ふだんイベントにはほとんど携わらない職員や、例えば総務担当者がリーダーになることもありますね。社内には縦割りやピラミッド型の組織という意識があまりないんです。DeNAの考え方で、『球体の表面積をみんなで分かち合い、球をつくっている』というイメージが共有されています。互いがフォローしあい、“この人がいないとダメ”という状況をつくらず、その一方で、それぞれが個性を発揮できる体制にもなっています」

観客動員増、地域に根ざしたチームづくりは一朝一夕にできるものではない。継続して取り組んでこそ花開くもの。横浜DeNAの取り組みは、結果を出す組織のあり方を、あらためて教えてくれる。八木さんは最後に、こう語ってくれた。

「最終目標は主催ゲーム全試合が満員になること。もちろん、チームが強くなることが大事ですが、チームが勝っても負けても“横浜DeNAの試合が見たい!”と思っていただけるような“街のアイコン”になれるよう、活動していきます」
(長谷川一秀)

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