個性的なプレーで歴史に名を刻んだ!?

記憶に残る!高校野球・迷選手列伝

2015.08.19 WED


8月20日の決勝まで目が離せない。今年の夏、あなたの記憶に残ったプレーは? 写真/PIXTA
夏の全国高校野球・埼玉大会で、代打の選手がバットをヌンチャクのように振り回すパフォーマンスが話題に。その様子を収めた動画はYouTubeで1000万回以上再生(8月18日時点)されており、国内外でも注目の的になっている。試合には負けてしまったが、多くの人の記憶に残る選手になったのは間違いない。

100年にわたる高校野球史のなかで、変わったプレーで注目を集めた選手はほかにもいる。そんな“迷選手”たちのエピソードを集めてみた!

●アウトの理由は「はしゃぎすぎ」?
1985年夏の西東京大会2回戦、南野(東京)対永山(東京)の試合で、一人の選手に悲劇が襲った。2回に本塁打を打った南野の打者が、ダイヤモンドを一周したあと、三塁ベースコーチとハイタッチ。ところが、直後に塁審が選手に向かって、まさかのアウト宣告。実は、野球には「肉体的援助の禁止」というルールがある。ベースコーチが選手の肉体に接触すると、守備妨害になるというもので、ハイタッチがそれに該当してしまったのだ。厳しすぎる判定に、高野連(日本高等学校野球連盟)内でも疑問の声が上がったが、高校野球はルールに厳正。一瞬たりとも油断は許されないのである。

●全力疾走は基本です! あの選手の高校時代
1989年夏の甲子園、上宮(大阪)の元木大介選手(元巨人)は、初戦に2本塁打を記録するなど、前評判通りの活躍を見せた。一方で、3回戦では「若気の至り」ともいえるプレーをしている。対八幡南(滋賀)戦で内野フライを打ったあと早々と諦め、一塁へ走るのをやめてしまった。だが、そのフライを相手内野手がポロリと落球。ちゃんと走っていれば出塁できていた…ということで、ベンチで監督に怒鳴られている姿が全国中継されてしまった。現役時代には「クセモノ」のニックネームで人気を集めたが、高校時代からある意味「クセ」のあるプレーをしていたようだ。

●捕手が投手に「おまじない」のキス
甲子園のマウンドで、投手にキスした捕手がいる。2008年春のセンバツ、智弁和歌山(和歌山)の捕手は8回にピンチを迎えた際、マウンドに駆け寄り、投手のほおに優しくキス! といっても、ヘンな意味ではなく、本人はのちに、「緊張しがちな投手をリラックスさせるためのおまじないだった」と語っている。この「おまじない」が効いたのか、投手は三振でこのピンチを乗り切り、宇治山田商(三重)を相手に2-1で勝利を飾った。

●土で顔を洗う!? 部に伝わる奇習
チームの士気を高める方法は、高校によって様々。円陣を組んだり、大声を出したりしている姿はよく見かけるが、日大鶴ケ丘(東京)の野球部は一味違う。なんと、ミスをするなど、気合が足りないと思ったときにマウンドの泥を顔に塗る習慣があるのだ。通称「顔を洗う」というこの伝統。視界が悪くなってしまうのでは? と思ってしまうが、選手たちからは「粘り強さが高まる」とおおむね好評のようだ。

華々しい活躍をするスター選手以外にも、たくさんの個性的な球児が登場するのが高校野球の魅力。選手の数だけプレースタイルがあり、選手の数だけドラマがあるのだ。
(橋本 岬/アバンギャルド)

※参考文献
『思い出甲子園 真夏の高校野球 B級ニュース事件簿』(日刊スポーツ出版社)
『高校野球検定公式テキスト 知ってビックリ!夏の甲子園』(朝日新聞出版)

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