変則的なシフトでも高パフォーマンスを維持するには?

パイロットの集中力、鍵は「フライト3時間前の朝食」

2016.10.07 FRI

食生活「悪」習慣 改善講座


9時頃に起床した際の朝食。ご飯に汁物、おかずとバランスのとれたメニュー。トマトときゅうりはご実家から送られてきたものだそう
写真提供:神原悠佑さん
“できるビジネスマン”の朝食を紹介する今連載、最後は憧れの職業・パイロットの朝食を紹介! 今回お話ししてくれたのは、JALのパイロットの神原悠佑さん。変則的なシフトの中でも、運航中は常に高い集中力とパフォーマンスが求められるパイロット。そんなシビアな環境の中で、神原さんはどのように体調管理をしているのだろうか? その鍵は朝食を要とした、朝の過ごしかたにあるようだ。

「朝のフライト時、僕はほぼ同じサイクルで朝の時間を過ごしています。フライトの約3時間半前には起床して、3時間前に朝食を済ませる。そして出勤後、1時間半前には機長との打ち合わせに入り、安全や保安に関すること、天候やお客さまに関する内容を確認しながら、コンディションを高めていくんです」(神原さん、以下同)

こうした朝の日課の中でも大切にしているのが朝食。突発的なことが起こらない限り、朝ごはんは20分ほどかけて食べているという。

「朝の慌ただしい時でも、ゆとりを持つことが体調を整える上でも大切なので、朝食はしっかり椅子に座って食べるようにしています。メニューはご飯に味噌汁かスープ、あとは実家から送られてきた自家栽培の野菜が付くことが多いですね。また、1カ月のうち7日ほどはステイ(※)先での食事になるのですが、その時は外でおにぎりとサラダを買ったり、もしくは野菜入りのトルティーヤなどをチョイスしたりしています」
※ステイ…フライト先で1日の勤務を終え宿泊すること

奥様が用意する神原さんの朝食は、普段から主食・汁物・野菜とバランスよくヘルシー。ステイ先でも、できるだけ野菜を取り入れるようにし、朝食後のお茶やコーヒーも欠かさない。このように、毎朝決まったルーティーンで朝を過ごしている神原さんだが、それには理由がある。

「職業柄、どうしても入眠・起床時間が変則的になってしまうので、できる限り起きてから出勤するまでのリズムは統一するようにしています。そうすることで、勤務時間帯が変則的でもフライトの時には毎回同じ状態でフライトに臨めますから」

別日のご自宅での朝食。コーヒーにはこだわりがあり、豆から挽いているそう
別日のご自宅での朝食。コーヒーにはこだわりがあり、豆から挽いているそう
全国各地、そして国際線にも乗務している神原さん。早朝便の乗務で午前3時に起きることもあれば、深夜到着の便では翌朝9時に起床することもあるという。また、海外に行くと時差の影響もある。

「私の場合、時差に対応するために、ステイ先では現地の時間に合わせて過ごすようにしています。例えば、深夜便の乗務となった場合、目的地に着くのは現地の朝方になることも。そんな時はすぐ寝たりせず、現地が夜になってから就寝して、朝はいつも通り出勤します」

このように変則的な生活をしていても、6~7時間睡眠を守り、同じリズムで朝を過ごせば、フライト中は高いパフォーマンスを維持できるそうだ。さらに、神原さんにとって朝食は朝のリズムを整える以外にも大切な役割があるという。

「厳しい訓練を経て、パイロットになったとはいえ、体のつくりは他の人と同じ。朝食抜きだと体が目覚めないので、判断力や集中力に影響が出る可能性があります。常にベストな状態で乗務に臨むには、やはり朝食は不可欠。食事も仕事のマネージメントのひとつですね」

時速800~900kmで飛ぶ旅客機を操縦するには、人並み外れた集中力と瞬時の判断力が必要。そうした活力の源のひとつが朝食だったのだ。なんと神原さんは、パイロットになってから一度も(!)朝ごはんを抜いたことがないという。なんというプロ意識!

「お客さまの命をお預かりしている以上、一便一便すべてのフライトが同じように大切。そのため、私たちの仕事は毎回、高いレベルのパフォーマンスを維持することが求められます。だからこそ、朝食のメニューや食べるタイミングも含めて、フライト前にできることはやっておきたいですね」

ビジネスマンでも、不規則な生活の中でパフォーマンスを求められる局面があるだろう。そんな時のために、常に「前準備=朝食」を怠らず、コンディションを整えられるリズムを作っておくことが大切だ。

■神原悠佑さんの朝食データ
・1週間のうち朝食を摂るのは何日? 「毎日」
・朝ごはんにかけている時間は? 「20分ほどかけて完食します」
・コンディションを整えるために朝食で必ず摂るものは? 「マストではないのですが、パンよりは米派。野菜も意識して摂っています」
・朝ごはんの時間を作るコツは? 「ステイ先では前日に朝食を買っておくことで、不測の事態が起こっても必ず何か食べられるようにしています」

(松原麻依/清談社)

連載第1回は、生放送前に忙しい朝を過ごす「谷岡慎一アナウンサー」。
第2回は、漫画『闇金ウシジマくん』の作者「真鍋昌平さん」の朝食を紹介。

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