ファイナル目前! ユーロ2004

フランス代表のプレーはなぜ質が高いのか?

2004.07.01 THU

ユーロ04で活躍したフランス代表の選手たちは、軒並み高いテクニックと戦術眼を持つ。例えば中盤の守備的な位置に構えるヴィエラは身長191cmの巨漢だが、体格にものを言わせたプレーに走らず、柔軟なテクニックを生かして丁寧なプレーをする。ジダン、ピレス、アンリらのエレガントかつ素早い動きは、「強さ」と「美しさ」の最大公約数を追求するフランスを象徴していた。

このフランス選手の能力の高さは、どこにルーツがあるのだろうか。直接には、若手を計画的に育成する同国のトレーニングシステムの効果であり、その形式は日本をはじめ、多くの国の手本となっている。しかし、それだけではない。オフで一時帰国した広山望(昨シーズン、フランス・モンペリエでプレー)が、興味深いことを語ってくれた。広山はJリーグのジェフ市原出身。パラグアイを皮切りにブラジル、ポルトガル、フランスと渡り歩き、これらの国々のサッカー事情を肌で感じ取っている。

広山いわく、フランスではどんな低いレベルのチームであっても、「良いサッカー」「良いプレー」をしようという意欲が強いという。他の国では、質の高いサッカーをするのは上位の強豪チームに限られ、下位に行くほど勝負だけにこだわった内容になるという。いいプレーをする優秀な選手はすぐに上位あるいは海外のチームに買われていくので、中位から下のチームには勝負だけを考えたサッカーしか残らない。 

フランスでは、下位のチームであっても、指導者にもチームメイトにも観客にも、勝負だけに徹して質の高さを忘れたプレーを評価しない雰囲気があるという。だからセンターバックでさえも皆、テクニックを生かしたプレーができるのだそうだ。「いいサッカーをしよう」という、いわば国民感情そのものが、フランスの優秀な選手を輩出する土壌をつくっているのだ。ならば我々日本人は、どういう視点でサッカーを評価すべきなのか。ジーコに求めるのは、やはり目先の結果なのか。

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