オリンピックの記録を司る意外な企業

アテネ五輪の公式計時をスウォッチが担当する理由

2004.08.05 THU

いよいよアテネ五輪も開幕目前。世界の強豪選手たちが見せる一分一秒の争いを楽しみにしている人も多いだろう。ところで、そんなコンマの差を司る公式計時を担当する企業がどこかご存じ? セイコー? TAGホイヤー? オーヒ!(ギリシャ語で「いいえ」)実はアテネ五輪の公式計時およびスコア記録、競技結果配信を一手に引き受けているのはスイスのスウォッチなのだ。

「スウォッチって、カラフルでポップなプラスチック時計の、あのスウォッチ?」とR25世代なら懐かしく思い出す人もいるかもしれない。そう、まさしく、かつて大人気を博したあのスウォッチである。日本では若者向けのリーズナブルな時計という印象があるため、五輪の公式計時担当と聞くと(失礼だが)ちょっと意外だ。しかし、スウォッチはシドニー五輪でも公式計時を担当しており、この先も2010年のバンクーバー五輪まで夏季冬季計3大会の公式計時担当の座をつかんでいる。その理由はいったい何か?

実はスウォッチ、なにもスウォッチだけを作っているわけではない。なんとオメガ、ロンジンを筆頭とした時計メーカーが中心の巨大コングロマリットなのだ。現在、スイスの時計メーカー業界は再編に次ぐ再編で大きく3つのグループにまとまっている。まずカルティエ、ダンヒルなどを抱えるリッチモント(リシュモン)グループ。次にTAGホイヤーも買収したモエ・ヘネシー/ルイ・ヴィトングループ。そしてスウォッチグループである。スウォッチグループはグループ内のETA社が開発したムーブメント(時計の機械機構。つまり本体)をオメガ、ブルガリ、カルティエなどに提供するなど卓越した技術力が自慢。規模でいえばスイス時計業界最大のグループだ。そう考えれば五輪の公式記録担当というポジションも場違いな話ではない。こんな時計業界事情もうかがえるなんて、オリンピックはやはり奥が深い!?

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