野球、プロ・アマ関係は大丈夫か

元プロ選手が活躍する都市対抗野球に思う

2004.09.02 THU

社会人野球の祭典・都市対抗野球が佳境を迎えている。ここ数年、不況の影響で企業チームの休部・廃部が相次ぐなど社会人野球の環境は決して恵まれているとはいえないが、その分、選手たちは「野球ができる喜び」をかみしめているようにも見える。

その社会人野球に元プロの選手が出場しているのをご存じだろうか。今大会の場合、日立製作所の主力投手である斎藤肇(元横浜)と高橋一正(元ヤクルト)など総勢9名の元プロ選手が活躍。シダックスの野村克也監督(元阪神監督他)など指導者も含めれば、その数はさらに増える。一昨年にはサンワード貿易に所属していた元西武の捕手・渡辺孝男が再びプロに復帰する(北海道日本ハム)というニュースもあった。

こういった流れが生まれたのは、五輪の野球に初めてプロ選手が参加した00年のシドニー五輪前から。元プロ選手の受け入れが始まったのは99年である。61年に起きた「柳川事件」と呼ばれるプロ側の強引なアマ選手引き抜きが発端のプロ・アマ関係断絶は、これを機に一気に解消へと向かい始めた。それから5年。現在、プロ2軍と社会人チームの試合は年々増加し、大学球界もプロ経験者の受け入れについて規制緩和が進んでいる。最もナーバスだった高校球界でも現役プロ選手による高校球児や指導者を対象としたシンポジウム「夢の向こうに」が開催されるなど雪解けムードになっていることは間違いない。

かつて、アメリカでは名投手ノーラン・ライアンがテキサス州立大とのオープン戦で在学していた息子と投げあうという夢のような対決が実現している。日本でもそんな光景を見てみたい。その日も近いと多くの関係者が感じていた。が、先日、青天の霹靂ともいえる巨人の裏金事件が起きた。世間では渡辺オーナーの動向が関心を集めているようだが、良好な状態ができつつあったプロ・アマ関係に再び暗雲が立ち込めないか。それも心配の一つである。

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