不振の去年とどう違ったの?

数字が証明するイチロー快挙達成の理由

2004.10.14 THU

日本が誇る大打者、イチローがMLBのシーズン最多安打記録257本を84年ぶりに塗り替えた。3割、200本安打はマークしたものの、かつてないほどに苦しんだ昨シーズンを引きずるように、今季序盤も決していいスタートではなかった。しかし夏場に入るころから一気にペースを上げ、気がつけば大記録に迫っていた。記録達成の理由には、驚異的な数を誇る内野安打などが挙げられているが、ここに少し、興味深いデータがある。「今年のイチロー選手は“ファーストスイング打率”が日本でプレーしていたころの数字に戻ってきているんです」

そう語るのはNPB、MLBのデータを分析している(株)データスタジアムの行木茂満氏。ファーストスイング打率とは、打席に立って最初にスイングした時の打率。イチローは今季マークした262安打のうち、実に158安打をファーストスイングで放った。その打率4割1分4厘。これはすなわち、ヒットを放った時の打席では、バットを振るのはほぼ1度だけ。ファールや空振りを含め打ち損じが極端に少なく、一撃必殺で相手投手を仕留めている証だ。ムダなボールは無視。狙ったボールだけを確実にとらえる。まさにイチローらしいデータといえる。

「ファーストスイング打率4割という選手は少ないのですが、日本で7年連続首位打者を獲得したころのイチロー選手は2年連続で4割を超えて突破していました(99年4割、00年4割2分2厘)。しかし、メジャーに移籍してからは3割台に落ちてしまった。実際、昨年は3割7分4厘です。それが今年、一気に4割1分7厘まで上がった。これは日本である程度自分の打撃を固めた時期に近い状態になった。つまり本当の意味でメジャーに対応した証拠ではないでしょうか」(行木氏)

詳細は語らないものの、イチローは今季も自らの打撃スタイル、フォームに手を加えたこと自体は認めている。新たな境地に達したイチローは、次はどんな夢を僕らに見せてくれるのだろうか。

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