トリノ五輪、スピードスケートで勝つのは?

王者・清水宏保に迫る新鋭・加藤条治の実力

2005.01.06 THU

12月4日、開幕戦となった長野W杯1日目の500mでは、昨季のW杯王者・ウォザースプーン(カナダ)と同記録の35秒20でW杯4シーズンぶりの勝利を上げたが、鈴木恵二・短距離監督が「今日はちょっと合わせている感じだった」と評した清水宏保。翌5日の2日目では表情も一変し、同走した加藤条治が、「清水さんの速さに圧倒された」というまでの気迫を見せた。

台風並みの低気圧に襲われて太平洋岸が荒れ模様の天候になった影響で、気圧は前日の970台から940台に下がり、標高差にして200m近く変化して空気抵抗が小さくなった。その気圧の変化と滑りやすく整えられた氷に会場内の適度な気温。すべてが揃ったと敏感に感じた清水は、自らが持つ35秒10のリンクレコード突破に照準を合わせ、34秒96を叩き出して優勝。

「ここで34秒台を出すのをずっと狙ってたから嬉しいですね。この2年間は自分で納得できることがひとつもなかったが、トリノ五輪へ向けてのスタートの大会でいい結果が出せた。これをきっかけに徐々に上がっていきたいと思います」

と、完全復活への道を歩みだした。

それに対し「去年までは勝ったり負けたりで清水さんも近くに見えたが、また一歩遠くなった感じです」という加藤も、初日の力んだ滑りを修正し、35秒23でウォザースプーンに次ぐ3位に。高3で初出場した02年長野大会500mで初日にいきなり3位。続くハルビン大会でも2位になり、鮮烈なW杯デビューをしたが、社会人1年目の昨季はスタミナ切れでW杯総合も8位まで落とした。だが今年は着実にレベルアップを果たし、清水やウォザースプーンとの戦いを本気で意識するまでになっている。

鈴木監督が「清水は努力で滑りを作り上げてきたが、加藤は34秒台のスピードにも瞬時に対応できる天才」と評価する逸材だが、約1年後のトリノ五輪ではまだ清水に一日の長ありという状況。しかし、乗り越えるべき怪物がいるからこそ、若獅子・加藤はより大きく羽ばたける。

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